I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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1st season 第三章

056 結婚の誓い

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「で、ヤッたの?」
「うっ・・・・・・おぅ」
「お、おかえりなさい・・・奥様」

開口一番、シリアがぶっ込んだ。
気を利かせてくれてるんだろうけど、なんだかなー。

「いい?あたし達がうまくやってく為に大事なことよ?」
「?」
「その奴隷の尻が揉みたくなったら、内だろうと外だろうと、あたしが隣にいようと居まいと、こそこそせずに好きなだけ揉んでいいわ」
「へっ?」
「遠慮されたらかえって気になって不安になるでしょ?」
「あー、そか。ハードル高いが頑張って揉む」
「あ、あたしは外じゃダメよ?」
「内ならいいのか?」
「決まってるでしょ!?その奴隷に遠慮したりしたら引っぱたくからねっ!」
「おう」
「で、あたしもアンタに甘えたい時は遠慮しない、横入よこはいりだってする、奴隷は・・・ごめん、これからはちゃんとユリアって呼ぶわ。ユリアは、メイドとして扱う事にする。自分から行っちゃダメ。そのルールなら、あたしはうまくやれると思う」
「ありがとな。おまえ、ほんとすげーいい女だ」
「知ってる・・・じゃ、行くわよ」
「あの・・・奥様、ありがとうございます。ほんとうに、ありがとうございます」
「たまに八つ当たりするかもしれないけど、それくらいは多目に見てね?あとその『奥様』っていうの?すごくいいわっ!」

俺たちは宿を引き払って、神殿に向かった。
結婚の誓いは普通ナザリア様結婚と出産の女神の神殿でするらしいけど、俺たちは当然ホルジス様の神殿だ。

「あ、ちょっとその前に寄り道するわ」
「どこ行くんだ?」
「ユリアに服を買うのよ」
「いえ、わたしになんて・・・」
「あたしと服装の嫌なの。大体にしてその乳であたしのタンクトップとか、貴族街の娼婦が裸足で逃げ出すレベルよっ!安心しなさい、ダサいカッコさせて自分を引き立たせるようなセコイ真似はしないわ。メイドの枠内で、ちゃんとカインが興奮するようなの選んだげる」

シリアのチョイスは神だった。

アンミラ風の胸がボイーンってなる、ぶりぶりフリフリの濃紺ミニスカメイド服。
キャロラインっ!とか呼びたくなるような詰め襟ロング丈ワンピースの使用人服は深緑で、チャイナドレスばりに深い、重なりスリットが一本入っている。
俺的イチオシは白いワンピース。
膝上丈のフレアタイプで、胸の真ん中が上下に楕円形にくり抜かれている。
つまり、谷間の始まりから終わりまでが一望できるのだっ!
素晴らしいっ!
たぶんスルッと手が入っちゃう?

大興奮で喜んでいたら、下着を買うからと先に追い出された、悲しい。
「知らないほうが見せて貰うとき嬉しいでしょ?」とたしなめられた、嬉しい。

数日前までの地獄が嘘のような幸福。
まぁ、色ボケとも言う。
ああ、神に感謝せねば!
あっ、神殿行くんだった。

この世界の結婚に大掛かりな式は無い。
新郎新婦が勝手に神殿で誓うだけだ。
人頭税がある国では色々手続きがあるようだが、各種ギルドが徴税するこの国には無い。
ただし、妻の所有を証明できるように、証人を連れて所属ギルドや村長むらおさに記録してもらいに行くことはする。
俺の場合は一応貴族なので、帰ったら寄り親のクルスタット子爵に挨拶に行く事になる。

シリアと二人でホルジス様の神殿に跪く。

「ほら、ユリアも来なさい。結婚の誓いはさせてあげられないけど、ロックハウス家への忠誠なら誓わせてあげるわ」

やばい、シリアがいい女すぎて生きるのがつらい。
もう絶対頭が上がらない。

わたくし、カイン・ロックハウスは、この女シリアを妻とし、生涯庇護ひごす事をホルジス様に誓います」
わたくしシリアは、これよりシリア・ロックハウスを名乗り、夫カインに生涯の貞節を誓います」
わたくしユリアは、あるじたるカイン・ロックハウス様とシリア奥様に、生涯の忠誠を誓います」
「また、わたくしカイン・ロックハウスは、奴隷ユリアをロックハウス家の名の元に庇護する事を誓います」

「いやぁ、カインさん、おめでとう。驚いたよ」
「ホルジス様、ありがとうございます」
「「えっ!!!」」
「あー、奥様、おめでとう。ユリア嬢、はじめまして。カインさんと懇意にさせてもらっている、ホルジスと言います。今後とも宜しく」
「あ、あ、あの・・・守護神様なのですか?」
「そうですよー、ナザリアみたいに人気は無いですけどね?」
「ちょ、ちょ、ちょっとアンタ、どうすんのよ?」

「あ、実はお詫びしないといけない事がありまして・・・エクスカリバー、早くも売ってしまいました」
「ええええええ!? まっ、いっか。アレは大金になったでしょ?」
「えぇ、急ぎだったもので、相場の2割でしたが、おかげでユリアを買い戻すことが出来ました」
「・・・あっ、そういう事でしたか。こちらのユリアさんがあのユリアさんだとはひと目でわかったんですが、でも、そういう使われ方だったなら、上司への報告もしやすいですね。いやぁ、良かった。フレーネさんが言ってたのはきっとこういう事だったんですね」

「そこで、ついでと言ってはアレなんですが、ユリアの奴隷紋、普通では消せないものらしくて、ホルジス様なら消せたりしないでしょうか?」
「どれどれ、んー、消すことは可能なんだけど、ちょっとまずいかな」
「ホルジス様、どうか消さないでっ!これが無かったら、わたしはカインと居られませんっ!お願いです、消さないでください」
「ユリア・・・」

「本当に辛い目にあったのだね。皮肉なことに、奴隷紋の複雑な呪いによって雁字搦めにされる事で、ユリア嬢の心はなんとか正常を保てているんだ。その支えが無くなれば、人の身では到底耐えられるものでは無い。だから消すことは出来ても、それではユリア嬢が廃人になってしまうんだ」
「そんな・・・」
「カイ、ご主人様。その方が良いです。わたしはご主人様の性奴隷であることを、世界中に叫んで知らせたいくらい幸せです。カイン・ロックハウスの名が刻まれた奴隷紋は私の宝物、どうか取り上げようと考えないで下さい」
「ユリア・・・」

「うんうん。それにしても『聖剣を売って性奴隷を買った』・・・そこだけ聞くとカインさん、かなりのクズに聞こえますね?」
「でも俺は、胸を張ってそう言いますよ。もしも元の世界の担当さんに会うことがあったら、ホルジス様達のおかげでどれほど幸せになったか、小一時間は熱弁をふるうくらい感謝してます」
「いやぁ、上司にいい報告ができるなぁ。おっと、今日はあまりのんびりして居られないんですよ。王都にはいつまで?」
「明日にはエルダーサへ出立つしようかと」
「そうですか、また神殿のある街へ寄ったら是非お会いしましょう」
「はい、色々とありがとうございました」
「それでは奥様もユリア嬢も、カインさんとお幸せにね」
「「ありがとうございます」」

「ねぇ、今の何だったの?」
「何だったのってホルジス様?」
「そういう事言ってるんじゃないわよっ!あたしら、今、ここで、神託を頂いたのよっ!」
「私、神様と話したの初めてです・・・ご主人様はホルジス様と親しかったのですか?」
「あー、ユリアに話した時はかいつまんでだったから、ホルジス様の事まで話してなかったね。試練の洞窟に行った話はしたろ?」

俺たちは無事、結婚の誓いと、エクスカリバーを売り払うという暴挙の報告を終えた。
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