I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

文字の大きさ
80 / 173
1st season 第四章

079 さらばダンライザ!

しおりを挟む
/** 会話オンリー回ですっ! */


「と、いうわけで、ナルドさん、エルダーサに引っ越して貰えません?」

「いやおめぇ『というわけ』とか言われてもわけわかんねぇだろ?なんだよ教皇って?」

「なっちゃったもんは仕方ないじゃないですか?なぁ?」

「そうよ、おっちゃん。お金なんてもう使い切れないくらい持ってんでしょ?こっち来て手伝ってよ!」

「嬢ちゃん・・・相変わらずカインより遠慮ねぇなオイ」

「でっ、おっちゃんいつなら行けんの?今日?明日?」

「いや、別に仕掛かりの仕事があるわけじゃねーが、そんな今日明日ホイホイ動けるかっ!」

「わかった。じゃ明後日ね?決まりよ?ご近所さんにはあたしから言っといてあげるから。じゃ、あとは二人で相談しなさい?あたしはご近所のご挨拶行ってくるから。ユリア、行くわよ?」

「・・・カインよぉ、おめえ、すげぇの嫁に貰ったな?」

「ははは、頼りになるでしょ?諦めて下さい。じゃ、ちゃっちゃと炉の類とかバラしちゃいましょ」

「まじで行くのかよ・・・まっ、いいか。金持ちになったらココの暮らしも案外暇だしな」

「カイナルドなんかより全然すごいもん作れますから、期待していいですよ?あっ、お金は払えないんで、道楽でお願いします」

「おめぇ、白金貨どうしたんだよ?あ、また追加分貯まってんな。今回は8枚だ」

「・・・ナルドさん、マジで大富豪じゃないっすか!お金は別でもがっさり入ったんですが、とりあえずさっきのユリア買うのに10枚使って、神殿建てるのに5枚くらい?使っちゃったし、家臣も居るので倹約しないとなんですよ」

「奴隷に10枚も出したのかよっ?・・・よくあの嫁が許したな?」

「いやっ、むしろ嫁に買ってこいって言われて買ったんで、それなりにうまく行ってますよ?」

「・・・おめぇが大物なのか、嫁が大物なのか・・・まっ、なんだか面白くなりそうじゃねぇか?」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「はぁ~、しかしミランが居ないと風呂沸かしも時間がかかり過ぎるな・・・とりあえずナルドさんの最初の任務は風呂釜の改良だな」

「おぅ、カイン、こりゃなんだ?」

「ふふふ、風呂ですよ風呂。知ってます?」

「あー、なんかお貴族様が使うお湯の池だろ?こんなもんが趣味なのか?」

「二時間後にはその意見がひっくり返ってますからね?」

・・・

「ふぃぃぃ~っ、すげぇなおい。お湯に入るのってこんな気持ちいいんかよ?」

「ナルドさんの最初の任務は湯沸かし器の改良ですね。今は石で作ってるから効率悪くて・・・鉄にすればずっと速く沸かせます」

「おう、コイツのためなら一肌脱ぐってもんよっ!」

「・・・いっそ幾つか作って、銭湯でも始めようかな?」

「銭湯ってなんだ?」

「この風呂を貸すんですよ。銅貨一枚2千円とかで少し贅沢な娯楽にならないですかね?」

「あー、いんじゃねーの?俺なら金貨でも払うね」

「大富豪の金銭感覚で言われてもね~・・・となると、混浴文化を普及させるべきか?湯浴衣ゆあみぎ?いや、俺にメリット無いな・・・うん、分けよ」

「何ブツブツ言ってんだ?」

「いや、銭湯を男女別と混浴と、どっちで普及させようかなと」

「あー、そんなん、裸の女がウロウロしてたら、おっ立っちまって落ち着かねぇだろ?」

「・・・なるほど、貴重なご意見ありがとうございます」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「なぁ、カインよぉ?おめぇ・・・旅の間くれぇひかえらんねぇのか?」

ケフケフッ ケフケフッ

「あー、聞こえちゃいました?」

「聞こえるに決まってんだろうよぉ!」

「そのですね~、ユリアの奴隷紋がかなり特殊で、俺と三日もと可愛そうな事になるんですよ。そして十日しないと死んでしまう呪いなんです。なので置いて旅には出られないですし、ユリアだけシリアはお預けじゃ可愛そうじゃないですか?」

「なんだそりゃ?・・・ま、人んちの事情だ。しゃーねーならしゃーねーな。つーか両手に花で羨ましいこった」

「おっちゃん、帰ったらあと七人いんのよ?」

「はぁあっ?マジカヨ?嬢ちゃん怒んねぇの?」

「いやっ、六人はあたしが連れてきたし・・・もう一人はあたしより先に居たし・・・むしろ助かってる?みたいな?」

「エルダーサじゃみんなそんななのか?」

「いや、珍しんじゃない?っていうか他には知らないわね?」

「かぁ~っ、マジでおまえん家はわっかんね~わ」

「ウチは奥様が特別ですから・・・とても良い家族ですよ?」

「そうかそうか~。奴隷の嬢ちゃんがそういうなら問題ねーな」

「ちょっと!あたしの時とぜんぜん違うじゃないっ!なんでユリアにばっかりデレデレしてんのよっ!」

「そりゃぁおめぇ、持てる者と持たざる者?あんだろ?そういうの?」

「何を持ってて何を持ってないって!」

「いやいやナルドさん。シリアはこうみえて立派に『持てる者』なんですよ?それはもう世界が狙えるレベルの素晴らしいものをお持ちだ」

「あんたっ!人様に嫁の乳首語ってんじゃないわよっ!」

「嬢ちゃんは乳首がすげーのか?・・・いまいちわかんねーわ」

「俺、乳首とか言ってないし・・・」

「奥様はナルドさんと仲が良いのですね」

「あー、でもよ?何も考えずに来ちまったけど、エルダーサにはドワーフ居ねぇんだろ?そこんとこ大丈夫なのか?」

「領主様の全面バックアップがあるので問題ないでしょ。呑み仲間が欲しいならライザが居るし、アベルも結構絡み酒だし・・・他には・・・あ、おっさん仲間も居るし大丈夫ですね」

「領主様と面識あんのかよ?すっかり出世しやがったな~」

「いや、ナルドさんこそ。三年前は鍋とか包丁とか作る雑貨屋稼業だったのが、たぶんエルダーサ行っても一番の大富豪ですよ?」

「ははは、カイン様様だなおいっ!あ、なぁ、俺の白金貨、預かっててくんねー?全財産持って歩くとかおっかなくてよ?」

「えー、それ、俺がなんかで死んじゃったら大変じゃないですか?着いたら冒険者登録して、ギルドの口座に預けてくださいよ」

「旦那様は死にませんっ!」

「いや、ユリア、俺も死ぬつもりは無いけどな?もしもって事だから、なっ?」

「もしもでも・・・嫌です」

「はぁ・・・ユリアって、ほんと可愛いわね。あたしが男だったら絶対嫁にしてるわっ!」

「あ、ありがとうございます・・・奥様」

「わっかんね~わ。なんで性奴隷と嫁がこんな仲いんだ?」

「俺の人徳・・・じゃぁ、ないですね・・・はい」

「まっ、あたしの人徳ねっ!」

「・・・うん、たぶんそう。おまえ、まじすげーもん」


ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく


「「「戻りました~」」」

「カイン様、長旅お疲れ様でした。そちらがナルド様ですか?」

「えれ~色気のある女将おかみだなおいっ!がぜん楽しくなってきた、宜しく頼むぜ~」

「ふふふっ、それはありがとうございます・・・でも、私はカイン様の所有物ですので、オイタはありませんよ?」

「まじかっ!カイン、てめぇ~この街の美人全部囲ってんじゃねーだろーな?こんなパッとしねぇのがなんでモテんだ?」

「あー、自分でもわかんないですね」

「あら、カイン様はこの街一番のイイ男ですよ?」

「・・・明らかにフツメンなのに、その辺のイケメンよりカッコよく見えるから問題よね・・・あんた、実はとか持ってないでしょね?」

「今日も嫁にフツメン言われた・・・シニタイ」

「っていうかおっちゃん、どこに住む?宿がいい?家作る?」

「家は要らねぇ。仕事場出来るまで宿でいいかな?仕事場出来たら仕事場に住むからよ」

「あー、そうだ、ラティア、相談なんだけど、白兎亭、拡張しない?」

「?、カイン様にしたい事があるなら、お好きにしていただいて構いませんが、今度は何を?」

「うん。ナルドさんの仕事場兼住居も置きたいし、他にも露天風呂を2つ増やして、銭湯やろうかなって」

「銭湯?ですか?」

「そう。俺達だけじゃなく、街の人や宿泊客にお風呂を貸し出す事業。ナルドさんに改良してもらって、火魔法使わなくても簡単に沸かせるようにするから、ユリアが居ないときだけ水魔法使いを雇うか、井戸から汲み上げるしくみを作るつもり」

「それは良いですね。みんな喜びます・・・でもなぜ2つも?」

「男と女でわけた方がいいかなと。で、女湯を高くして、男湯を低くすれば、覗きの心配も無いでしょ?」

「あんたがエロいことしてるとこ、女湯から丸見えになんない?」

「あー、その問題があったか・・・かといって女湯をウチのより低くすると、女性客は抵抗あるよな・・・ま、それは後で考えよう。それで、裏庭だけだと少し手狭なので、裏庭の向こうの土地?買っちゃおうかと」

「はい。わかりました。では、商業ギルドの方で仲介して頂きますね」

「お願いします。じゃ、とりあえずナルドさんに部屋も頼むね」

「はい、ナルド様、ご案内しますね」

しおりを挟む
感想 240

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...