I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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2nd season 第一章

091 レイディース

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「よしっ、少し早いけど、今日はこの辺で野営しようか」

I.B.の恩恵で、俺達の野営準備は申し訳なくなるくらい楽だ。
っていうか家を背負って歩いてるだけで、コレは野営じゃ無いんじゃなかろうか?
だが、それでも、日が陰る前に居を定めねば、薪を集めるにも夕食を作るにも苦労するし、獣や魔物のリスクも跳ね上がることになる。

「ふーん、なんかあんの?」
「そろそろ国境も近いから、打ち合わせも必要だろ?」
「そうね。っていうか越えられるの?王国兵に捕まっちゃわない?」

「捕まえるには俺達より先に国境で待ち伏せなきゃ無理じゃん?んで、馬車より速く移動できる、希少なハイレベル冒険者をわざわざ伝令に走らせるような事は無いだろ?」
「・・・そうね、そうよね?」

「そもそも、王都が『おかしい、使者が戻らない・・・』って気づくのが10日~20日は先の話。そこから確認の人間をエルダーサに送って、更に一ヶ月。国境で警戒されるようになるのは2~3ヶ月先の話じゃん?」
「・・・なんか、犯罪って、やったもん勝ちね?捕まえるのなんて無理じゃない?」
「まぁ普通は逃げる方も資金繰りに物資の調達とか色々あるから、モタモタしてて捕まるってこともあるだろな」

今の俺なら、無理しなくても時速40km/hで日に8時間は走れる。
つまり、エルダーサから国境まで910kmなら三日だ。
緊急事態で昼夜を問わず走れば日に700kmくらい行けると思う・・・やんないけど。

ミランを除くアベル隊は薪を拾いに行く。
ユリアが水を張って、ミランは湯沸かしだ。
っていうか風呂を沸かす時間が日に日に短縮されてってる・・・本人気づいてんのかね?うん、継続は力だ。

そしてラティアとアリスが夕食の準備。
一日二食って、ホントは良くないって読んだ気がする。
アリスの成長を考えると、三食文化を取り入れるべきか?
でも、みんな二食で普通に生きてる世界だからなぁ・・・そもそも夕食の時間が早いし・・・マナ魔力的なものもエネルギーにしてる可能性もある。
うーん、保留。

「はい、それでは頂きます!」
「「「「「いただきまーす」」」」」

ロックハウス家では『頂きます』の挨拶もすっかり定着した。

「じゃ、食べながらでいいから聞いてくれ」

(((((コクコク)))))

「数日中には国境に着くと思う。俺達は神理協会の人間で、ホルジス様の命で聖都にお使いに行くところだな?」

(((((コクコク)))))

「が、そんな事を言っても信じない人も多い。なので、ホルジス様と領主様の命でって話をする。もっともみんなが何か聞かれることは無いと思うけど・・・念の為に練習します」

(((((コクコク)))))

「じゃ、俺が国境の兵士役ね?本番だと思って質問に答えるように」

(((((コクコク)))))

まずは、一番声をかけられる可能性の高いアベルだな。

「ふむ、そこのお前?聖教国に何しに来た?」
「我らは神理協会の者、ホルジス様のお告げを、聖都の教皇様にお伝えしに向かうのだ」
「けっ、もう少しマシな嘘をつけ!ホルジス様の神託を得たなど、子どもでももう少しうまい言い訳を考えるぞ!」
「なっ!我らが嘘を言っていると申すかっ!」

「うん。アベル、沸点低すぎ。お役所は真面目に相手しちゃだめだから。下手したてにご機嫌をとって、適当なぁなぁでやり過ごさないと」
「ぬっ・・・だがっ!」

「はい、次、ライザいってみようかな」
「おっ、おうっ!」

「おいっ、そこのお前。エルダーサで役人が二人行方不明になっているらしいのだが、何か知らないか?」
「しっ、知らねぇ。王都の使者がどうなったかなんて知らねぇ!ホントだぞ!?」
「「「「「・・・・」」」」」
「ライザお姉ちゃん?『役人』が『王都の使者』だって知ってるのは犯人だけだよ?」
「くっ・・・」

「雲行き怪しいな・・・次、ユリアね」
「はいっ!」

「おいっ、そこのお前・・・なんだ偉いべっぴんじゃねーか・・・向こうの部屋で取り調べるからちょっと来い」
「いっ、嫌です!旦那様に言いつけますよ!」
「へへへ、そうつれねぇ事を言うなよ?なっ?ちょっとだから?すぐ終わるから?(モミモミモミモミ」

スパーンっ!

「と、そんな時はあたしがいいわねっ!」
「あ、ああ。危なかった、演技に入り込みすぎて自分を見失うところだったぜ(ふぅ」
「お兄ちゃん?そういう事はお部屋でこっそりしないとイケないんだよ?」
「えっ・・・おっ、おう・・・ラティア?そんな感じで教えてるの?」
「はい。カイン様は貴族どころか教皇様になったので、たくさん奥さんをもらって、たくさん子供を増やす義務があると教えています」
「そっ・・・そっか・・・。うん、まぁなんだ。実験の結果、俺達には不安しか無い事が浮き彫りになった。そんなわけで、基本方針は『ひっそりと穏便に』だが、トラブったらもうね、関所潰しちゃう。ぺったんこ。そういうことで、一応覚悟しといて?たぶん何も無いとは思うけど」

「うっす。そういうほうが得意だな」
「ですです!」
「・・・・・」

ちくちく、ちくちく。
珍しくエマが大人しいと思ったら、食事をしながら、話をききながら、手元でずっと何か縫ってる。

「っていうかエマ?最近ずっとそれイジってるよね?何つくってるの?」
「ふふ~ん、気になるかな?お姉ちゃんが気になっちゃうかな?」
「いや、お姉ちゃんじゃなくて、手元のソレが気になる」
「ふ~ん、そういう事言う悪い子には教えてあげないかな~?」

「嘘です。お姉ちゃんが何してるのか気になって気になって、僕もう夜も眠れませんっ!」
「そんなに知りたいんだ~?どうする、奥様?教えてあげるかな~?」
「まっ、いんじゃない?全部揃ってからお披露目しようと思ってたけど、エマさんのはもう出来てるっしょ?」
「あっ!できたんですか?見たいです~」
「キタかっ!ついにキタかっ!」

「俺は全然話が見えない・・・寂しい・・・」
「奥様デザイン、実用監修がたいちょー、そしてユリアちゃんのドキドキ体験で大幅な仕様変更という、ロックハウス家の女達が、持てる全ての叡智を注ぎ込んだ傑作!名付けて『ロックハウス家の制服』っ!」
「いや、全然名付かって無いからっ!でもコンセプトはあんたの大好きな『エロかっこいい』よっ!ほらっ、本気戦闘の時はあんたの考えたBDU?がいいと思うのよ。でも、街中であれはちょっと威圧しすぎじゃない?それにカワイク無いし。でもBDUみたいにお揃いの服装だとなんていうの?女でも軽々しく扱われないし『ファミリーっ!』って感じがいいじゃない?だから、ロックハウスの女達としては『もっとイケてる制服が必要っ!』って事になったのよ」

「うぉっ!制服なのに気になるワードが埋め込まれてた!どんなのどんなの?」
「ふふ~ん、見たいかな?お姉ちゃんのとこ見ちゃいたいかな?」
「見たい!今回ばかりはお姉ちゃんに全面降伏でなんとしても見たいっ!」
「じゃ、着替えるからそっち向いてて欲しいかなぁ~?」
「聞いたかライザ?これが恥じらいというものだ。是非学習してくれたまえ!」
「うっさいっ!」

後ろを向いた俺の背後で女性陣のキャッキャウフフが鳴り響く。

「キャーッ!こんなの?こんなんなっちゃうの?」
「えっろ!想像以上にエロいわっ!なのにソレ以上にカッコいい!完璧ねっ!エマさんっ!」
「こっ、こんなので街を歩いたら・・・わたし・・・イヤラシイ気持ちになっちゃうかも・・・」
「エマお姉ちゃん!かっこいいですぅ~!」
「あらあら、これはかなり冒険ですわね?私も着ると考えると・・・かなりドキドキしちゃいます」

気になる・・・ちょー気になる・・・だが俺は空気の読める男!呼んでもらえるまでじっと我慢だっ!

「おまたせ~、主様、もう見ていいかなぁ~?」

くるり

バクンッ! ・・・おっ・・・おおおおおお






















「やばい・・・眼の前にいるのは『ドヤ顔のエマ』なのに・・・心臓バクバク言ってる・・・美しい・・・です」
「そ、そこまで言われると、ちょと照れるかな?」

「これ・・・制服ってことは、毎日みんなコレ着てくれるってこと?ほんとに?」
「最初はね?もっと大人しいデザインだったのよ?でも、ユリアがお散歩プレイですっごくゾクゾクしたって言うから、思い切って『視線が集まるデザイン』に切り替えてみたわっ!」

「いや、凄くいい。戦闘考えたらお腹の防御が不安だけど、その不安をおしてでも、この美しさはスバラシイ!」
「主殿、それが戦闘面でも実はいろいろ優秀なんだ。例えば本気で殺る気の相手と対峙したとして、この服なら敵は間違いなく胴を狙ってくる。つまり、我らは胴さえ守ればそれで済む・・・これは存外余裕が生まれるはずだ」

「なるほど・・・アベルが言うと説得力あるな。っていうか、いつから作ってたの?なんか見たこと無い素材とかいっぱい使ってるし」
「あんたが神殿に夢中になってた頃ね。素材はおっちゃんの工房に転がってた謎金属とか、おっちゃんに買わせた超高級革?とかだから、凄いのよ?コレ?普通のハサミじゃなかなか切れないんだからっ!専用の魔道具鋏まで買わせちゃったわ!」
「・・・ナルドさん・・・すまん」

「でもこの制服の一番すごいところは違うわ!エマさん見せたげてっ!」
「いや~ん、ちょっと恥ずかしいかな?」

くるり






















「ロっ、ローライズ・・・だとぉ!?」

ああ神よ、あなたはついにこの世界に降臨されたのですね。
しかも、かがまな無くてもパンティーの紐が見えてしまう本場アメリカ仕様!否、紐だけじゃないっ!これは常におパンツ様が露出している神域仕様!もはや完全に本家を凌駕しているっ!

「ちょっとやり過ぎかなって思ったんだけど、スパならいつもビキニだし、そう考えるとこれくらないならアリかな?みたいな?」
「すっげぇエロい・・・なのに戦闘服だから下品じゃない・・・完全に神の領域のエロスだ・・・」
「でしょでしょ?ムラムラっとくるのに、安易に近づいちゃいけない雰囲気、男たちに視姦されて興奮しちゃったところで、嫉妬したアンタにスッゴイのぶっこまれちゃうの・・・一人だとちょっと躊躇するけど、皆でならねっ?」
「なんか暴走してる気がするが、異論は微塵もないっ!」

「あたしらにはしっかりアンタがいるから、だからこそ、もっと自由に女として『最高にかっこいい女たち』になりたいって思ったのよ・・・みたいな?」
「わ、わたしはちょっと、お尻が恥ずかしいです・・・」
「何言ってんのユリア?レザーバックルに『CAIN'Sカインズ』って刻印したら『って札を下げてるみたいで、ゾクゾクしちゃいますよねっ?』とか言ったのあんたじゃない?」
「あっ・・・ううっ・・・黙秘します」
「うぉっ、ホントだ・・・これはかなり嬉し恥ずかしだな・・・」

「まっ、ちょっとやり過ぎた感もあるけど、あたしたち『無法者』だし?問題ないわねっ?」
「まぁ、聖教国に知り合いなんていませんし、ちょっと開放的に冒険を楽しんでしまいましょう?」
「すんごい楽しみになってきたぁ!王様っ!王国から追い出してくれてありがとうっ!」
「そうね、国境を越えて、全員分完成したら着ることにしましょ」

「で、今日のところはどうするかな?専用のカ・ラ・ダ、使ってみたいかな?」

『CAIN'S』バックルを外すと、ロゴ入りのウエストベルトを残してペロンっと剥ける仕様だった。
ビキニパンツの隙間から捩じ込んで、立たせたままでエマを貪った。
スンゴイいっぱい出た。
できたての制服がべちゃべちゃになって、あとでガッツリ叱られた。













##### 作者注 #####

※挿絵の衣服は98%くらいがデータ購入品で、作者がこさえているのはの方になります。
※レンダリング時間の関係で、そこまで画質上げられませんが、クリックするともう少し細部までご覧頂けるかも?
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