I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

文字の大きさ
103 / 173
2nd season 第一章

100 ニェリーザ

しおりを挟む
「ホルジス様、めっちゃテンション高かったわね?」
「仕事が順調で御機嫌だったんだな、きっと」

神殿をあとにした俺達はギルドに向かっている。
王都に本部を持ってはいるものの、冒険者ギルドは世界組織、長期滞在するなら最寄りのギルドに報告する義務がある。
そしてついでにヴァルダークさんからの紹介状も提出しないといけない。
聖都のギルマスは恐らくまだ知り合いがやってるからとか言ってた。
うん、折角書いてもらった紹介状、出さなかったら拗ねちゃうかもしんないしな?

「ここよね?」
「ここだな」
「よしっ、みんなっ!いいわねっ!ビシッと決めるわよっ?」
「「「「「うっす!」」」」」

・・・なんか掛け声変わってるし。

エルダーサのギルドよりも幾分か小綺麗なドア。

ギィィィィ

併設された居酒屋エリアから一斉に視線が突き刺さる・・・うん、俺の後ろの集団にね?

「ヒューッ♪」
「だ、誰っ?」
「ヲイヲイマジカヨ・・・」

っていうか俺様空気っ!
完全スルーですわ!
注目を浴びてドヤ顔をヒクヒクさせる我が嫁・・・うん、聖都をエンジョイしてますね?

注目は浴びるものの、やはり黒装束の集団は警戒されるのか、ユリアと二人のときみたいに、絡まれたりすることはない・・・ゴンザ、元気か?
うん、とりあえず空いている窓口に向かう。

「・・・(じーっ」
「あー、いいですか?」
「あっ、はいっ!・・・お姉さまがた、カッコイイですね~♡」
「ありがと。シリアよ。よろしくねっ?」

よしっ!シリアたんご満悦っ!これでビキニパンツ無しバージョンに一歩近づいた!受付さんっ、褒美をとらすっ!

「あー、暫く滞在することになるので報告に来ました。王国から来たC級パーティー、ロックハウスのリーダーでカイン・ロックハウスです」
「おっ、王国貴族の方でしたかっ!」
「あー、そういうんじゃないんで、普通でお願いします、普通で」

あれ?個人のランクはギルドカードでわかるけど、パーティー・ランクって、詐称し放題じゃね?これ?
登録元のエルダーサに問い合わせるにも、行って来いで80日・・・うん、パーティー・ランクは信用しないことにしよう。

「びっ、B級・・・」

ざわっ ざわざわっ

おっ?聖都でもB級はそこそこ希少なのか?まっ、A級とか国に何人ってレベルだもんな。

「エルダーサのギルマスから紹介状を貰ってるんですが、こちらのギルマスは『ニェリーザさん』で合ってますか?」
「はい、お預かりしても?」
「あー、できれば直接お渡ししたい」
「わかりました。少々お待ち下さい」

名もない受付さんがかけてゆく・・・リサさん・・・は、たぶん元気だな、うん。

「お待たせしまた。お会いになられます」

受付さんに連れられ階段を登る。
ギルマス部屋は三階のようだ。
負けたな?ヴァルダークさん。

コンコンッ

「入れ」
「失礼します。王国から来たパーティーの皆さんをお連れしました」
「んっ?ヴァルダークめ!よりによってハーレム野郎か!」

なんかおっかない姉御エルフさん居たっ!

「どうもー、エルダーサからやってきたC級パーティー、ロックハウスのリーダーでカイン・ロックハウスですー」
「しかも貴族かっ!ケッ!」

うん、早めに退散しよう、そうしよう。

「こちらが紹介状です・・・」
「ふんっ!」

パラ・・・パラパラ・・・なっ!パラパラパラ・・・・・ぶふぉっ!パラパラパラパラ・・・・・ぷっ くくくっ

長い。つーかヴァルダークさん何書いたっ!?

「あー、先程の非礼は詫びよう。ようこそ、聖都冒険者ギルドは諸君を歓迎する。・・・強く生きろよ?」

マジ何書いたっ!?

「ありがとうございます。何が書かれていたか伺っても?」
「それはダメだ。あー、して、というのはどなたかな?」

ぶふぉっ! ケフケフッ ケフケフッ

「はじめまして。のシリア・ロックハウスです。お見知りおきを」
「くくくっ、油断するととヴァルダークが書いていておってな?お手柔らかに頼む・・・しかし、人は見かけによらんな?王に逆らって性奴隷を護る顔には到底見えん」

バクンッ

「まぁ、そう警戒するな。ヴァルダークがそれだけ私を信用しているということだ」
「・・・ヴァルダークさんとの関係をお伺いしても?」
「なんだ、アイツはそんな事も教えてないのか?あのハナタレは昔の弟子だ」
「なるほど・・・ニェリーザさんのレベルを伺っても?」
「ははは、レディーに数字を訪ねてはいかんな?・・・しかしホルジス様か・・・私もお会いしてみたいものだ」
「えーと、手紙一枚で信じるんですか?」
「なに、アレには嘘をついたらどうなるか、しっかり教育してあるでな?」

うん、絶対勝てない。
怒らせないようにしよう。

「宜しければ今度ご一緒します?一緒に行けばたぶん大丈夫だと思うので」
「良いのかっ?ぜひお願いしたいっ!」

一時はどうなることかと思われたが、挨拶は円満に進行した。

「で、そのリサさんって受付嬢にすっかり尻にしかれてんですよー、あのおっちゃん!」
「ほんとかっ!?不器用なアレに女とはなぁ・・・どうやって口説いたのか想像できん」
「それがぁ~、リサさんがまんまと罠にかけたんですよ~!聞きます?詳細?」

うん、凄いな、ロックハウス家。
あっという間に取り込んだ。
・・・寂しい。

「シリアお姉ちゃん?お兄ちゃんが拗ねてるよ?」
「アリスちゃん、お兄ちゃんと遊んでてあげて?」
「はーい」

くっ、アリス・・・えぇ子やぁ!

ヴァルダーク今昔物語を中心に、延々繰り広げられた女子会は日の暮れる頃になってようやっとお開きとなった。

「それでは、神殿に行く際にはお誘いに寄りますんで、タイミングよかったらご一緒しましょう」
「あぁ、よろしく頼む。そちらも何か困ったことがあったら・・・まぁ、無くとも、また茶飲みに寄ってくれ」

うん、随分仲良くなったな、俺、空気だったけど。

「ニェリーゼさん、面白い人だったわね?」
「聖都には知り合い居ませんから、頼れるお姉さんが出来て安心ですねっ!」
「ふふふ、なんだか底の見えない方でしたわ~」

城門近くの冒険者宿まで戻り、遅めの夕食を取ることにする。
3LDK部屋貸しで銀貨五枚10万円に、シリアが交渉して朝食を付けさせた。
個室はラティアとアリス、シリアとユリア、そして俺。
アベル隊はリビングになる。

「・・・おいしく・・・ないわね?」
「ラティアさんのご飯がいいですぅ・・・」
「まっ、明日からは昼夜外食だし、良しとしよう」

うん、ハズレだった。
明日にでもギルドでオススメ聞いてこよう。
さぁ、さっさと済ませてお部屋に戻って、土下座タイムだっ!

「・・・お風呂・・・無いわよね・・・」
「まぁ、王都の金貨八枚160万円部屋ですら無かったしな」
「えっ、旦那様?あの部屋?金貨八枚もしたんですか?」
「うん・・・泊めてもらえそうな中で一番いい部屋頼んだが、その価値はあった!」

「・・・ご飯は折角だから食堂めぐりをするとして、明日から、夜は城門の外に出ましょ?」

(((((コクコク)))))

「さて、話も落ち着いたところで、折り入って頼みがある」
「何よ?あらたまって?」
「うむ・・・是非とも、是非とも、ビキニパンツの制服姿が見たいっ!当方には土下座してでもオネダリする用意があるっ!」

「「「「「・・・・」」」」」

「アンタ・・・今日一日ソレ考えてたの?」
「おぅ!」

「「「「「・・・・」」」」」

「はぁぁぁぁ・・・まっ、いいわ。着替えてくるからまってなさい」
「いやっ、それには及ばないでござるっ!許可さえ貰えればホレ、ご覧の通り!」

収納。

「・・・・・」

うん、素晴らしかった。
新たなるの顕現。
この世界とあの世界、どっちの神々にも心のそこから感謝出来た。
宗教家としての自覚が出てきたかもしれない。
しおりを挟む
感想 240

あなたにおすすめの小説

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...