I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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2nd season 第一章

099 聖都デビュー

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グラム王国歴334年11月8日。
俺たちはついに聖都に降り立った!

「お母さんっ!人がいっぱいいるよっ!」
「そうねー?お母さんもこんな都会は初めてよ?」
「ラティアさん、王都にも?」
「そうなの。ずっと田舎暮らしだから、右も左も、どっちを見ても目を奪われちゃうわね」
「そうなんだー。まっ、約一名、どっちも見てない奴がいるけどね?」

「うむ、俺はちゃんと前を向いて歩いているっ!」
「アンタが見てんのじゃなくてあたしらのじゃないっ!」
「旦那様?いつも裸見てるのに、そんなに見たいの?」
「見たいっ!ずっとずっと見ていていたいっ!可愛い嫁たちの尻を見逃してまで見たい景色などこの世には無いっ!」

そう、聖都への入城を控え、シリアの号令一下、ついに制服が制式採用となったのだっ!のだっ!

「・・・エマさんも、こういうのちょっと嬉しくなっちゃうほう?」
「少しだけ"きゅん"ってキタかな?」
「っていうか主様だけじゃなく、めっちゃ見られてんだけど?」
「いい?聖都の連中に舐められないよう、ビシッと胸張って歩くのよ?アベルさん?モジモジしないっ!」
「お前はどこのレディースだっ! だが、大賛成ですっ!」



うんうん、エロい。そして存在感がやばいっ!
だから、こんだけいい女が揃ってるのにナンパ野郎が寄ってこないっ!
いい尻だろ?あれ、俺んなんだぜ?
くはーっ!
ラティアとアベルがちょっと似合ってないけど・・・うん、言ったが最後、生きてこの街を出られないだろう。
早く夜になんないかな~ビキニパンツ無しバージョンとか、見せてもらえるだろうか?
うん、頼もう!土下座して頼もう!

「アンタ・・・ほんっと嬉しそうね?」
「ちょー嬉しい。今の俺、世界で一番幸せな自信があるっ!しかもダントツでっ!」

「旦那様がしあわせで、わたしも幸せです!」
「本当にな・・・二年前、街道の林で出会った頼りなさ気な青年が、我らをこんなにも幸せに導いてくれた・・・」
「まっ、当の本人はすっかり尻に導かれちゃってるけどね」
「奥方様ぁぁぁ、折角感動しているのだから」
「ふふふ、私もアリスも、とても幸せ者ですね」

「で、あたしらどこに向かってんの?」
「神殿だな。まずはホルジス様に到着の報告をしないと」
「教皇様にはお会いできるんでしょうか?」
「んー、普通に考えたら無理だけど、会わない事にはお使いにならないな」
「どうすんの?」
「とりあえずは謁見の申請を出して様子見?ダメそうだったらホルジス様に泣きつく」
「ま、そうよね?」

神殿はデカかった。
そして謁見申請所はなかなかいい感じに長蛇の列だった。

「どうか!どうかこの子をお救いください!教皇様に教皇様に!」
「あー、わかったわかった。連絡先を記入してお布施はこの籠に。例え謁見のお時間が頂けなくとも、教皇様はその子の為に祈ってくださるからな」

(うっわー、ねぇあれ?お布施の金額メモってるわよねっ?)
(あー、まぁビジネスだからな。好意的に解釈すれば、誰かが懐に入れたりせずに、ちゃんと教皇の懐まで届くって事だな。うん)
(アンタも払うの?)
(ん?なんで?払っても払わなくても結果変わんないっしょ?この様子じゃ)
(なのにわざわざ並ぶのですか?)
(いいかユリア、こういうのは形が大事なんだ。俺達はちゃんと手順を踏んだ。だが向こうが聞かなかった。そういう形にしなといけない。やるべきことをやらずしてホルジス様に丸投げは社会人としてダメだ)
(旦那様・・・大人です・・・)

「次の者。ん?ほぅ・・・」

うん、わかるわかる。

「神理教教皇のカイン・ロックハウスと申します。ホルジス神様より信託賜り、聖教教皇殿にお伝えに参りました」
「んー?神理教?聞いたことが無いが・・・教皇様は大変お忙しい、要件は私が賜わろう」
「申し訳ございませんが、ホルジス様より直接の命、急ぎませんのでお時間のあるときにお呼び下さい。しばらくは聖都に滞在の予定・・・まっ、あまりかかるようであれば、ホルジス様にそのようにお伝えします」
「・・・・・いや、先程からホルジス様と言われているが、我らの主神ホルジス様の事を言っているのか?」
「そうですね、まっ、信じては頂けないでしょう・・・滞在先はこちらに書けば?」
「あっ、ああ、お布施はこの籠に」
「申し訳ありませんが、我らは聖教の信徒ではありませんので」
「ぬっ!異教徒と申すか!」
「いえ、ですからその件を教皇様にお伝えするよう申しつかって参ったのです。申請の方はこれでよろしいですか?」
「ちっ、罰当たりどもめ!次の者!」

~~~~~

「おい、先程の者たちはなんだ?」
「きょ、教務長様っ!いえ、猊下への謁見希望の者たちです。ホルジス様からの信託を伝えに来たなどと大ぼらを吹いた上、聖教の信徒では無いからと1レアも置いていかぬ不届き者共です」
「・・・・・そうか・・・うむ、猊下もそろそろ次を欲しがっている、ちょうどよい、この件は私が預かろう」
「はっ!こちらです!連絡先は冒険者ギルドになっています!」


~~~~~


神殿の広間には膝を折り、必死に願う多くの人達が居た。

「ホルジス様~、カインです~、着きました~」

ピシッ カインたちを除き、世界が制止した。

「いやぁ~、遠いところお疲れ様でしたねぇ~カインさん、皆さん」

(((((ははーっ!)))))

「いえ、のんびりと旅を楽しみました・・・これ、また時間止まってますよね?」

「えぇ、下手に顕現したりすると、お願い責めにされて話も出来ないでしょ?」

「なるほどー、エルダーサの様子はどうですか?あ、一応ここの教皇さんには謁見申請というのを出してきましたが、たぶん、無視されるかと」

「まぁ多分そうですよね・・・と、なると・・・私の出番ですか?」

「はい。一応筋を通して、10日ほど待ってみようかと。それで動かなければ、強制的に機会を設けて頂くということでお願いできますか?」

「お任せあれ。いやぁーここで降臨しちゃうの、400年振りくらいなんですよ~、ちょっと気合い入れちゃおっかなぁ~。あちらは平和ですよ~。一日の無料開放も『カインにゃ負けらんねぇ!』って、ナルド氏が張り切っちゃって、スラムのむすめ達を接客係に大量雇用、神理教名義で冬に備えた防寒衣類も配布してましたね。いやぁ~神殿も感謝の御参りが増えて神力うはうはですよ!うはうは!」

「おっちゃんやるわね?」

「そうでした。アベルさんに伝言を頼まれてたんですよ」

「わっ、ワタクシでありますかっ!」

「はい。スラムの住人でしょう、ヘベレケの中年男性達が代わる代わる神殿を訪れて、皆一様に『俺たち毎日働いてっからよ~、アベルちゃんも頑張れよ~』だ、そうです」

「きょっ、恐縮でありますっ!ううううっ、アイツら、ちゃんとしておったか・・・うぐっうぐっ」

「良かったな、アベル」

「いい話ですよね。神界でも少々の脚色をして『新・カインとアベル物語』として一部で流行しちゃってます」

「なっ!それ、マズくないすか?いくらなんでもオリジナルに失礼な気が・・・」

「いやぁ、ほら、あっちは殺伐としてて面白くないじゃないですか?古すぎるし。こっちはホッコリハッピーエンドで、人間の良い所が滲み出てますからね~、そのうち完全に上書きしちゃうんじゃないですか?」

「うううう、大罪人になった気分ですよ」

「あ、主殿?『カインとアベル物語』とは?」

「あー、そのな?向こうの世界にそういう神話があるんだよ。その、カインが弟のアベルを殺しちゃう話」

「・・・・・縁起悪いわね?」

「ははは、まぁ大昔の殺じん事件ですね!お、僕、面白いこと言っちゃいました?」

「「「「「ホルジス様・・・」」」」」









##### 作者コメント ########

五人レンダリングは、やはりマシンスペック的に厳しかったです。
照明テスト時間切れでリリース。
クオリティ激落ちすんません(汗。
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