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2nd season 第一章
103 決戦
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「マズいぞ猊下、後ろを暗部に固められた」
「ちっ・・・もはや隠す気は無いわけですか」
神殿を訪れた俺達は、案内の神官に導かれ、謁見の間へと続く長い廊下を歩いている。
警戒態勢の低さに、案外平和に進むかもなどと安堵した途端、手練に後方を塞がれたらしい。
この為に用意された廊下だろうから、逃げ道は無いだろう。
まばらだった距離が詰まり、俺達は一塊に進む。
戦闘になるなら、全員の武装を一瞬で手渡さなければならない。
俺の初動が遅れる分、ユリアの速攻に重圧がのしかかる。
コツ コツ コツ コツ
廊下に響くのは神官の靴音のみ。
対人戦を意識した俺達の足元は編み上げのサンダルで足音がしない・・・そして暗部の連中も・・・恐らく似たような訓練を積んでいる。
コツ コツ コツ コツ
無駄に曲がりくねった長い長い廊下の終点。
扉の両脇に立つ衛兵が二人、ぼんやりと光を放って・・・なっ!?
「くっ、魔人・・・か?」
「なんで神殿にあんなものが・・・ニェリーザさん、なんとか出来ます?」
「・・・無理だ・・・魔力量が違いすぎる・・・どうする?猊下?」
「まずは空間を確保できるまで穏便に・・・魔人相手に岩屋で護れんのか?」
ピタリ・・・神官が歩みを止めた。
ここで来るのかっ!?
背後から猛スピードでアサシン部隊が迫る!
狭い廊下では岩屋が出せない!
「やるぞっ!」
怒鳴りながら全員の武装をその場に放り投げ、最後尾へ走・・・えっ?奴ら、こっちを見てない???
黒装束の集団同士が邂逅・・・そして俺達を無視して駆け抜けるっ!
「なっ、なんだ!?」
アサシン部隊が二体の魔人へ躍りかかり・・・そのまま床に落ちた・・・。
「見えましたか?」
「いや、何をしたかすらわからんな」
逃げるかっ?
いや・・・あの存在から逃げ切れる気が微塵もしない・・・く、そうだっ!
「ホルジス様ぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゴゥン・・・。
俺の叫びに呼応するように、銀色の魔人が扉を開く。
開け放たれた扉からは恐ろしい光量が溢れ出て、中の様子が伺えないっ!
「皆、伏せろっ!」
叫びながら先頭に躍り出て、魔鉄製のタワーシールドを二枚、こんなことに何の意味があるのかわかんないが、せめて皆の前に立つ!
パーンッ! パパーンッ! ・・・乾いた破裂音・・・まさか!?銃かっ!?
バサササッ
何かが上から落ちる音がして、次第に視界が復活・・・・
"歓迎!カイン御一行様!"
「カインさん、遅かったですね?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」
俺達はその場にへたりこんだ。
「ホルジスさまぁ・・・どういう事すか?」
「いやね?久しぶりに降臨するって言ったら軍団長が張り切っちゃって。あ、この人達、私の専属部隊です」
謁見の間は銀色の魔人・・・羽生えてる・・・顔の無い天使?に埋め尽くされ、室内の天井には青空が広がり、その空にもおびただしい数の軍勢が舞っている。
「それでですね?『呼ばれたら出るよ~』って言ってるのに、朝からだから出待ちに飽きちゃって、みんな早く行こうって急かすんですよ?」
「で、ノリノリで前乗りしちゃったと?」
周囲を見渡すと、ホルジス様の左脇に、高そうな衣装を黒焦げにしたおっさん達が正座している。
「あ、それ、一番太いのが教皇ですね。カインさん達呼び寄せて、難癖つけてユリア嬢とシリア奥さん取り上げて、あとはみんな殺しちゃうつもりでしたから、かる~く焦がしておきました」
「・・・俺達、けっこう決死の覚悟で来たんですからね?・・・なんていうか・・・俺達の覚悟を返して!的な・・・」
「いやぁ、申し訳ないっ!おっ、そちらのお嬢さんは初めてお会いしますね?」
「あ、あ、あ、の、ホルジス様で、いら、いらしゃい、ますか?」
「ニェリーザさんは、聖教国と敵対する事になると知りながら、俺達を見捨てられず、神理教に勝手に入信して、命がけで着いてきてくれんです」
「ほほぅ、それは。ニェリーザ嬢、何か望みはあるかな?多少のことなら叶えよう」
「へっ?願い?ですか?・・・特には・・・あっ・・・いや・・・その・・・」
「どれどれ・・・ぷっ!・・・カインさんの周りには面白い方が集まりますね?カインさんに近寄るからには何か含む所があってはと、思ったんですが・・・本当に欲がない・・・そんなに悩まなくとも、えぇ、サインくらい書きますよ?・・・くっくっくっ」
カァーッ(赤面。
「ホルジス様、神様だからって女性の心をバラしたらセクハラになりますよ?」
「いやぁー、全く奥さんの言う通り。以前はどこからでも覗けたんですがね。今は色々厳しくて、こうして対峙してるときしかダメになっちゃんたんですよ!ふむ・・・そうだな。バラしてしまったお詫びも兼ねて、こういうのは喜んでくれるかな?」
ホルジス様が指を鳴らすと、ニェリーザさんの右腕に金色に輝く文字が浮かび上がった。
"Apostle of Borges"
「こっ、コレはっ!」
「貴女を我が使徒と認めます。これからもカインさんを支えてくださいね?」
「はっ、ははー!身命にかえ、必ずやっ!」
「ホルジス様~、そういうのやめてくださいよ~、うちは安全第一なんですから」
「はっはっは、立ち話もなんですし、どうぞこちらへ」
ん?
「いや、お断りします」
「まぁまぁ、とりあえず、おかけになって、お茶でも用意させましょうか?」
「いやいやいやいや、それ、玉座だしっ!座ったが最後、絶対っまたなんかやらされるしっ!っていうか最初からこれ、狙ってました?」
ササッ 軍団の皆さんが顔のない頭部を一斉に背けた。
「いやね?エルダーサで神力うはうはじゃないですか?コレ、お膝元の聖教国でしっかりやったら、もう~どうなっちゃうの?って上役達が盛り上がっちゃって、ホラ、私も中間管理職、組織の意向となるとですね?」
「やですよー、俺、もう、生涯の目標決まっちゃってるし」
「えっ、アンタ、そんなのあったの?」
「勿論っ!・・・・うん、あるよ?あるある?」
「言いなさいよっ!」
「うっ」
いかん、生涯の目標とかで嘘ついたら絶対怒られる。
めっちゃ怒られる。
そしてマイクロビキニが完成しても着てもらえないかもしれないっ!
「ずっと南で建国する」
「はぁ!?国つくんの?」
「うん・・・ビキニ王国・・・」
「「「「「・・・・」」」」」
「ホルジス様、コイツ、やりますっ!」
「いやっ、ダメだって、マジダメ!だって聖教国って200万人もいんだよ?俺、そんな養えないって!そうだっ!ニェリーザ、ニェリーザ適任っ!ギルマスだし!エルフだしっ!」
「いやですね?我々現場サイドの意見としても、カインさん一択でコンセンサス取れちゃってるんですよ。私利私欲と言えば嫁達の尻に何被せるか悩むくらいでしょ?他は常識あるし、何より理解力が違う、それに・・・これ言っちゃったらもうカインさん心決めちゃうな~、決まっちゃうだろうな~」
「いえ、結構です」
「またまたぁ~、ズバリ、転移門!」
「えっ!?」
「ふふふ、興味出てきました?私も頑張ったんですよ~、無欲なカインさんを口説くには素敵なサムシングが必要だって?えーとですね?神理教管理下の神殿には転移門、といっても実際の門じゃなくて、魔法陣なんですがね?それを設置します。そしてその神殿で捧げられた神力の0.1%が陣に蓄積され、その神力が充分貯まれば、他の神殿と行き来が出来るようにしちゃおうというものです。利用はカインさんの許可を得たもののみ。どうです?心動いちゃったでしょ?」
「いや、それって、俺が各地の神殿をドサ回り出来るようにするためのインフラですよね?過酷労働の布石ですよね?」
「ふふふ、まぁそれは魚心水心って事で、しかしですね?コレ、商用利用OK、軍事利用OKってとこまでコンセンサス取ってきてるんですよね~、いやぁ~この世界唯一の長距離移動インフラ、しかも独占っ!羨ましいっ!」
「くっ・・・さすがホルジス様・・・だがもう一つ、もう一つだけこちらのお願いを聞いて頂きたいっ!」
「ほほぅ~、お聞きしましょう~、まぁ、予想はついてますけどね?(ニヤリ」
ゴクリッ
ここが勝負どころ、皆の視線が俺に集中する。
いくら親しくさせて貰っているとはいえ、神の依頼に条件を付けるなど、身の程知らずも甚だしい・・・だがっ、このチャンスを逃せば、かの世界の技術を手に入れる機会は恐らく無いだろう。
つーっと、首筋を汗がつたう。
「・・・ミシンをっ!いやっ!ミシンの作り方を教えてくださいっ!」
「へっ!? ・・・ ミシンて、あちらの世界の、マシーンと書いてミシン?」
「そう、それっ!ミシンそのものをくれとか、さすがにマズイっしょ?でも、知識ならっ!前世でミシン工場勤務だったら知っていて当然の知識ならっ!それくらいならいいんじゃないかなぁ~?かなかな~?」
「・・・・くっくっくっくっ、カインさん、やはり貴方は最高だ。これだけお膳立てして、火薬ではなくミシンですか?くっくっくっくっ・・・」
「あー、やっぱり、あのクラッカーって、そういう事でした?要らないですね。っていうかむしろ持ち込まないで欲しいですね。大事な嫁が撃たれたら困るじゃないですか!?」
「良いでしょう。そうですね。カインさんがその椅子に座ってくださるなら、あの世界のミシンにまつわるすべての知識をインプットしましょう。ミシンって、一種類じゃ無いんですよ?伸縮素材を縫うなら専用のミシンが必要ですし」
「なっ、なんとっ!・・・危ないところだった・・・やはり取引相手は信用できる方でないといけませんね。ホルジス様で良かった」
「そうですね。では、善は急げです。軍団もいい感じに揃ってますし、このままバルコニーから宣言しましょう」
「ちっ・・・もはや隠す気は無いわけですか」
神殿を訪れた俺達は、案内の神官に導かれ、謁見の間へと続く長い廊下を歩いている。
警戒態勢の低さに、案外平和に進むかもなどと安堵した途端、手練に後方を塞がれたらしい。
この為に用意された廊下だろうから、逃げ道は無いだろう。
まばらだった距離が詰まり、俺達は一塊に進む。
戦闘になるなら、全員の武装を一瞬で手渡さなければならない。
俺の初動が遅れる分、ユリアの速攻に重圧がのしかかる。
コツ コツ コツ コツ
廊下に響くのは神官の靴音のみ。
対人戦を意識した俺達の足元は編み上げのサンダルで足音がしない・・・そして暗部の連中も・・・恐らく似たような訓練を積んでいる。
コツ コツ コツ コツ
無駄に曲がりくねった長い長い廊下の終点。
扉の両脇に立つ衛兵が二人、ぼんやりと光を放って・・・なっ!?
「くっ、魔人・・・か?」
「なんで神殿にあんなものが・・・ニェリーザさん、なんとか出来ます?」
「・・・無理だ・・・魔力量が違いすぎる・・・どうする?猊下?」
「まずは空間を確保できるまで穏便に・・・魔人相手に岩屋で護れんのか?」
ピタリ・・・神官が歩みを止めた。
ここで来るのかっ!?
背後から猛スピードでアサシン部隊が迫る!
狭い廊下では岩屋が出せない!
「やるぞっ!」
怒鳴りながら全員の武装をその場に放り投げ、最後尾へ走・・・えっ?奴ら、こっちを見てない???
黒装束の集団同士が邂逅・・・そして俺達を無視して駆け抜けるっ!
「なっ、なんだ!?」
アサシン部隊が二体の魔人へ躍りかかり・・・そのまま床に落ちた・・・。
「見えましたか?」
「いや、何をしたかすらわからんな」
逃げるかっ?
いや・・・あの存在から逃げ切れる気が微塵もしない・・・く、そうだっ!
「ホルジス様ぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゴゥン・・・。
俺の叫びに呼応するように、銀色の魔人が扉を開く。
開け放たれた扉からは恐ろしい光量が溢れ出て、中の様子が伺えないっ!
「皆、伏せろっ!」
叫びながら先頭に躍り出て、魔鉄製のタワーシールドを二枚、こんなことに何の意味があるのかわかんないが、せめて皆の前に立つ!
パーンッ! パパーンッ! ・・・乾いた破裂音・・・まさか!?銃かっ!?
バサササッ
何かが上から落ちる音がして、次第に視界が復活・・・・
"歓迎!カイン御一行様!"
「カインさん、遅かったですね?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」
俺達はその場にへたりこんだ。
「ホルジスさまぁ・・・どういう事すか?」
「いやね?久しぶりに降臨するって言ったら軍団長が張り切っちゃって。あ、この人達、私の専属部隊です」
謁見の間は銀色の魔人・・・羽生えてる・・・顔の無い天使?に埋め尽くされ、室内の天井には青空が広がり、その空にもおびただしい数の軍勢が舞っている。
「それでですね?『呼ばれたら出るよ~』って言ってるのに、朝からだから出待ちに飽きちゃって、みんな早く行こうって急かすんですよ?」
「で、ノリノリで前乗りしちゃったと?」
周囲を見渡すと、ホルジス様の左脇に、高そうな衣装を黒焦げにしたおっさん達が正座している。
「あ、それ、一番太いのが教皇ですね。カインさん達呼び寄せて、難癖つけてユリア嬢とシリア奥さん取り上げて、あとはみんな殺しちゃうつもりでしたから、かる~く焦がしておきました」
「・・・俺達、けっこう決死の覚悟で来たんですからね?・・・なんていうか・・・俺達の覚悟を返して!的な・・・」
「いやぁ、申し訳ないっ!おっ、そちらのお嬢さんは初めてお会いしますね?」
「あ、あ、あ、の、ホルジス様で、いら、いらしゃい、ますか?」
「ニェリーザさんは、聖教国と敵対する事になると知りながら、俺達を見捨てられず、神理教に勝手に入信して、命がけで着いてきてくれんです」
「ほほぅ、それは。ニェリーザ嬢、何か望みはあるかな?多少のことなら叶えよう」
「へっ?願い?ですか?・・・特には・・・あっ・・・いや・・・その・・・」
「どれどれ・・・ぷっ!・・・カインさんの周りには面白い方が集まりますね?カインさんに近寄るからには何か含む所があってはと、思ったんですが・・・本当に欲がない・・・そんなに悩まなくとも、えぇ、サインくらい書きますよ?・・・くっくっくっ」
カァーッ(赤面。
「ホルジス様、神様だからって女性の心をバラしたらセクハラになりますよ?」
「いやぁー、全く奥さんの言う通り。以前はどこからでも覗けたんですがね。今は色々厳しくて、こうして対峙してるときしかダメになっちゃんたんですよ!ふむ・・・そうだな。バラしてしまったお詫びも兼ねて、こういうのは喜んでくれるかな?」
ホルジス様が指を鳴らすと、ニェリーザさんの右腕に金色に輝く文字が浮かび上がった。
"Apostle of Borges"
「こっ、コレはっ!」
「貴女を我が使徒と認めます。これからもカインさんを支えてくださいね?」
「はっ、ははー!身命にかえ、必ずやっ!」
「ホルジス様~、そういうのやめてくださいよ~、うちは安全第一なんですから」
「はっはっは、立ち話もなんですし、どうぞこちらへ」
ん?
「いや、お断りします」
「まぁまぁ、とりあえず、おかけになって、お茶でも用意させましょうか?」
「いやいやいやいや、それ、玉座だしっ!座ったが最後、絶対っまたなんかやらされるしっ!っていうか最初からこれ、狙ってました?」
ササッ 軍団の皆さんが顔のない頭部を一斉に背けた。
「いやね?エルダーサで神力うはうはじゃないですか?コレ、お膝元の聖教国でしっかりやったら、もう~どうなっちゃうの?って上役達が盛り上がっちゃって、ホラ、私も中間管理職、組織の意向となるとですね?」
「やですよー、俺、もう、生涯の目標決まっちゃってるし」
「えっ、アンタ、そんなのあったの?」
「勿論っ!・・・・うん、あるよ?あるある?」
「言いなさいよっ!」
「うっ」
いかん、生涯の目標とかで嘘ついたら絶対怒られる。
めっちゃ怒られる。
そしてマイクロビキニが完成しても着てもらえないかもしれないっ!
「ずっと南で建国する」
「はぁ!?国つくんの?」
「うん・・・ビキニ王国・・・」
「「「「「・・・・」」」」」
「ホルジス様、コイツ、やりますっ!」
「いやっ、ダメだって、マジダメ!だって聖教国って200万人もいんだよ?俺、そんな養えないって!そうだっ!ニェリーザ、ニェリーザ適任っ!ギルマスだし!エルフだしっ!」
「いやですね?我々現場サイドの意見としても、カインさん一択でコンセンサス取れちゃってるんですよ。私利私欲と言えば嫁達の尻に何被せるか悩むくらいでしょ?他は常識あるし、何より理解力が違う、それに・・・これ言っちゃったらもうカインさん心決めちゃうな~、決まっちゃうだろうな~」
「いえ、結構です」
「またまたぁ~、ズバリ、転移門!」
「えっ!?」
「ふふふ、興味出てきました?私も頑張ったんですよ~、無欲なカインさんを口説くには素敵なサムシングが必要だって?えーとですね?神理教管理下の神殿には転移門、といっても実際の門じゃなくて、魔法陣なんですがね?それを設置します。そしてその神殿で捧げられた神力の0.1%が陣に蓄積され、その神力が充分貯まれば、他の神殿と行き来が出来るようにしちゃおうというものです。利用はカインさんの許可を得たもののみ。どうです?心動いちゃったでしょ?」
「いや、それって、俺が各地の神殿をドサ回り出来るようにするためのインフラですよね?過酷労働の布石ですよね?」
「ふふふ、まぁそれは魚心水心って事で、しかしですね?コレ、商用利用OK、軍事利用OKってとこまでコンセンサス取ってきてるんですよね~、いやぁ~この世界唯一の長距離移動インフラ、しかも独占っ!羨ましいっ!」
「くっ・・・さすがホルジス様・・・だがもう一つ、もう一つだけこちらのお願いを聞いて頂きたいっ!」
「ほほぅ~、お聞きしましょう~、まぁ、予想はついてますけどね?(ニヤリ」
ゴクリッ
ここが勝負どころ、皆の視線が俺に集中する。
いくら親しくさせて貰っているとはいえ、神の依頼に条件を付けるなど、身の程知らずも甚だしい・・・だがっ、このチャンスを逃せば、かの世界の技術を手に入れる機会は恐らく無いだろう。
つーっと、首筋を汗がつたう。
「・・・ミシンをっ!いやっ!ミシンの作り方を教えてくださいっ!」
「へっ!? ・・・ ミシンて、あちらの世界の、マシーンと書いてミシン?」
「そう、それっ!ミシンそのものをくれとか、さすがにマズイっしょ?でも、知識ならっ!前世でミシン工場勤務だったら知っていて当然の知識ならっ!それくらいならいいんじゃないかなぁ~?かなかな~?」
「・・・・くっくっくっくっ、カインさん、やはり貴方は最高だ。これだけお膳立てして、火薬ではなくミシンですか?くっくっくっくっ・・・」
「あー、やっぱり、あのクラッカーって、そういう事でした?要らないですね。っていうかむしろ持ち込まないで欲しいですね。大事な嫁が撃たれたら困るじゃないですか!?」
「良いでしょう。そうですね。カインさんがその椅子に座ってくださるなら、あの世界のミシンにまつわるすべての知識をインプットしましょう。ミシンって、一種類じゃ無いんですよ?伸縮素材を縫うなら専用のミシンが必要ですし」
「なっ、なんとっ!・・・危ないところだった・・・やはり取引相手は信用できる方でないといけませんね。ホルジス様で良かった」
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