I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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2nd season 第三章

133 悲痛

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んはっ んはんっ あんっ あっ あんっ

豪奢な執務机に両手をつき、真っ白なを露わにした女が嬌声をあげている。

ぱんっ ぱんっ ぱんっ ぱんっ

女の股からは蜜が溢れ、長く糸を引いた粘液が絨毯にシミをつくる。
その、突き出された尻にイチモツを突き刺し、淡々と腰を叩きつける一人の男。

「ユリア、出すぞ」

ドプッ ドピュるっ ドプッ ドプッ

「んあああああっ イキますっ イクッ いくっ ・・・ んんんんはっ」

涙を流し、ガクガクと尻を震わせてながら女がオーガズムを迎える。
あるじたる男の精を注がれなければ、この女の命は10日で尽きる。
そして主の精を注がれれば、至上の快楽が女を満たす。

「旦那様・・・忙しいのに、ゴメンネ」
「何言ってるんだ?俺も嬉しいよ」
「・・・うん」

ミズーラ条約の締結から二年、男は23歳の若さで、既にこの世界の七割を掌握していた。

「旦那様・・・わたしに出来る事があったら、なんでも言ってね?その・・・力になりたいの」
「あー、ありがとう。でも、大丈夫、大丈夫だから。よしっ、じゃ、ペルシラのおっさんとこ行ってくるよ。遅くなるから、シリアに先に寝てるように言っておいて」
「・・・うん・・・ほんとに、何でも言ってね?」
「ああ。じゃ、行ってくる」

この男を殺せば自国の経済が立ちいかなくなる。
この男と敵対すれば物理的に国が無くなる。
人質を取って傀儡にしようにも、男が寵愛する女達はみなC級の手練ればかり、目立たずにさらうのは至難の業。
極めつけは、
誰もが・・・力を持つものなら尚更、皆、この男の恩恵に浴している。
その上、決して偉ぶったりしない。
いつも笑顔で、こちらの心配事に手を貸してくれる。

小競り合いこそ無くならないものの、この男が実権を握る支配圏では、かつてないほどに平穏な時が流れていた。
ただ一人、支配者たるこの男を除いて・・・。





「奥様・・・旦那様が、遅くなるから先に寝ているようにと・・・」
「・・・そう・・・」
「奥方様、我らはいったいどうすれば良いのだ?どうすれば主殿のお力になれる?」
「そんなの・・・もう・・・わかんないわ・・・」

戦場を経験することで、人が変わってしまう事は珍しくない。
でも、まさかアイツが・・・

『ごめんな・・・これが何なのかは知ってたけど、治し方までは知らないんだ・・・俺、医者じゃ無かったから・・・』

自分自身の異変と、それに戸惑うあたしたちに、苦しそうに、とても申し訳なさそうに説明してくれた。
あたし達への愛は変わらない。
とても大切に、守ってくれてる。

でもアイツは・・・を感じることが出来なくなった。

日ごと悪寒が増し続け、仕事に没頭していないと、息も出来ないほどに苦しいらしい。
あたしたちがどれだけ癒そうとしても、申し訳無さで一層苦しくなる。
心に大きな傷を負うと、そういう風に壊れてしまう事があるそうだ。

心の傷・・・考えてみれば当然だ。

アイツとの出会い。
『見ず知らずの女が不幸になる』
そんな理由だけでアイツは命を賭けた。
ボロボロになって、必死に足掻いて、あたしを救ってくれた。

そんな優しいアイツが、を殺したんだ。
それも大勢、逃げる背中を一方的に・・・。

ホルジス様を頼ってみてもダメだった。
アイツのはユリアの奴隷紋と同じ。
強引に解消すれば、今度こそ本当に壊れてしまうそうだ。

最後にアイツに抱かれたのはいつだったか、少なくとももう一年以上、肌を重ねていない。
優しく抱きしめて、癒やしてあげたいのに、アイツ・・・苦しそうに、必死に笑顔を作るんだもの・・・。
ユリアだけが、定期的に抱いてもらってる。

少しだけ羨ましくて、掛ける言葉が無いほどに居た堪れない。
だって・・・苦しそうに抱いて貰っても、何もされないより辛い・・・でも自分が死んだら、アイツがもっと苦しむから、ユリアはアイツに抱かれに行く。

あたし達は今、世界の頂点に立ちつつあるけど、実際に居るのはそのどん底。
暗い穴の中で、泥水に溺れながら足掻いてる。

綺麗な服を毎日着替えられても、美味しいご飯を好きなだけ食べられても、アイツが見てくれなかったら、アイツが笑ってくれなかったら、あたし達は嬉しくなれない。

「ごめん・・・あたしがシッカリしなくちゃね?大丈夫、あの性欲魔神がこのまま終わるはずなんて無いわ!そのうちケロッとして、溜まりに溜まった二年分のえっろいのぶっ込まれちゃうんだから、あたし達も壊されないよう、しっかりレベル上げしときましょ?」

「そうね。主様は大丈夫。何時だって大丈夫だった。きっとまたトンデモナイ事が起きて、あっという間に元どおりになるよね?」

「主様はズルい。本命が現れるまで、繋ぎのつもりだったのに・・・こんな風になると、もう、後戻り出来ないくらい引きずり込まれちゃうじゃない?」

「あら?リシェルさん自覚無かったの?専用日持ったあたりから完全にズブズブだったわよね?」

「ズブズブ ズブズブ」

「スージーさんは・・・マイペースよね?」

「うん。あーしはいつかでっかい男を掴まえんのなっ!筋肉とか凄いやつ!でも主様も元気になって欲しいなっ?」

家族が居るって、ありがたい。
こんなどん底な状況でも、軽口を叩き合えば少しはマシになる。
あたし達はロックハウス家の女。
泥水に浸かろうと、国を追われようと、絶対に、アイツの手を離したりしない。

でも・・・お願い・・・早く帰ってきて。
愛する男に、目の前に居るのに、触れることが出来ないのは辛い・・・触れて貰えないのは辛いの・・・。
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