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コウイチという男
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コウイチという男。
インド旅行中にコウイチという男に会った。
ちょうど私が20歳の時だった。
そのコウイチという男は、私よりも2つ3つ上ぐらいの歳であったろうか。
初めて会話したのは、プーナにある西洋レストラン、プレムスという、ちょっと小洒落たチップの必要な高級店だった。
私は、この店のオムライスが好きで、よくふらっと1人で立ち寄ったものだ。
いつもは、日当たりの良い、オープンテラスで食事をするのだが、その日は、何故か、店の2階のやや奥まった、ひっそりとした薄暗いテーブルで食事をした。
すると、他の客は居ない2階のフロアに1人の日本人の男がふらふらと入ってきた。
見覚えのある顔だった。
たしかゴアの野外パーティーで、皆が踊り狂うなか、うろうろと、地面を何か探し歩いていた男だ。
何故か、私はそれだけの記憶なのに、はっきりと思い出した。
何故か、その男は私のテーブルに座り、何か話しかけてきた。
名前は、コウイチといい、日本では坊主をしていたという。
今思えばその男の言う事などどうでもよいのだが、一緒にゴアに行かないか誘われた。
少々めんどくさかったが、その男に付き合うことにした。
ゴア行きのバスの中、コウイチはプカプカたばこを吸っていた。
達人ぶった態度が、私は嫌な気がした。
ゴアに着き、ホワイトアンド二グロというビーチ裏のレストランで宿を取る事にした。
ついでに、そのレストランでシーフードの定食のようなものを注文した。
料理が運ばれてくると、50ルピーとは思えない豪華な、地中海料理のようなものだった。
1人では、食べきれずに困っていると、2人組の日本人がそばに来た。
東京から、直でゴアに今、着いたばかりだと言う。
私は、ゴアに空港があるのを知らなかったので、びっくりした。
私の食べきれない料理をすすめると、2人組の若い男の方は、凄い勢いで料理を食べきってくれた。
私は、安堵したが、そこへコウイチがやってきて、何贅沢こいてんのみたいな、いちゃもんをつけてきた。
アミーゴへ行こう。
コウイチはそう言って、私を外へ連れ出した。
アミーゴで一服していると、コウイチがあの年老いた西洋人は、イギリスの大学の名誉教授なんだと言ってきた。
シークレットパーティーがあるから、バガトゥールビーチへ行こうと、コウイチは言った。
私は、あまりちょこちょこ動き回るたちではないのだが、コウイチは落ち着かなかった。
バガトゥールビーチのパーティーに行ったが、何ともない金持ちのパーティーだった。
つまんないね。
私は、コウイチに愚痴を言った。
ほら、見てみろよ、皆んなアミーゴのキャンディーのような顔をしてるだろう。
そこから、私の不幸が始まった。
インド旅行中にコウイチという男に会った。
ちょうど私が20歳の時だった。
そのコウイチという男は、私よりも2つ3つ上ぐらいの歳であったろうか。
初めて会話したのは、プーナにある西洋レストラン、プレムスという、ちょっと小洒落たチップの必要な高級店だった。
私は、この店のオムライスが好きで、よくふらっと1人で立ち寄ったものだ。
いつもは、日当たりの良い、オープンテラスで食事をするのだが、その日は、何故か、店の2階のやや奥まった、ひっそりとした薄暗いテーブルで食事をした。
すると、他の客は居ない2階のフロアに1人の日本人の男がふらふらと入ってきた。
見覚えのある顔だった。
たしかゴアの野外パーティーで、皆が踊り狂うなか、うろうろと、地面を何か探し歩いていた男だ。
何故か、私はそれだけの記憶なのに、はっきりと思い出した。
何故か、その男は私のテーブルに座り、何か話しかけてきた。
名前は、コウイチといい、日本では坊主をしていたという。
今思えばその男の言う事などどうでもよいのだが、一緒にゴアに行かないか誘われた。
少々めんどくさかったが、その男に付き合うことにした。
ゴア行きのバスの中、コウイチはプカプカたばこを吸っていた。
達人ぶった態度が、私は嫌な気がした。
ゴアに着き、ホワイトアンド二グロというビーチ裏のレストランで宿を取る事にした。
ついでに、そのレストランでシーフードの定食のようなものを注文した。
料理が運ばれてくると、50ルピーとは思えない豪華な、地中海料理のようなものだった。
1人では、食べきれずに困っていると、2人組の日本人がそばに来た。
東京から、直でゴアに今、着いたばかりだと言う。
私は、ゴアに空港があるのを知らなかったので、びっくりした。
私の食べきれない料理をすすめると、2人組の若い男の方は、凄い勢いで料理を食べきってくれた。
私は、安堵したが、そこへコウイチがやってきて、何贅沢こいてんのみたいな、いちゃもんをつけてきた。
アミーゴへ行こう。
コウイチはそう言って、私を外へ連れ出した。
アミーゴで一服していると、コウイチがあの年老いた西洋人は、イギリスの大学の名誉教授なんだと言ってきた。
シークレットパーティーがあるから、バガトゥールビーチへ行こうと、コウイチは言った。
私は、あまりちょこちょこ動き回るたちではないのだが、コウイチは落ち着かなかった。
バガトゥールビーチのパーティーに行ったが、何ともない金持ちのパーティーだった。
つまんないね。
私は、コウイチに愚痴を言った。
ほら、見てみろよ、皆んなアミーゴのキャンディーのような顔をしてるだろう。
そこから、私の不幸が始まった。
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