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路上の伝説
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円頓寺には、神が宿ると言われる。
名護野といわれる、土地の神であった。
テラゾの近くにある神社の神主によると、ここ名護野の古い言い伝えで、白い大蛇が黄泉の國からの使いであるとか。
純は見た。
確かに見た。
酔っ払っていたけれども、白い大蛇が、渦をまいてテラゾの目の前の、裏道をゆっくりと這っているのを見たのだ。
腰を抜かした純は、その白い大蛇に食われるかと思ったそうだ。
テラゾの客は、その話を聞いて大笑い。
いくら純が説明しても誰も信じようとはしなかった。
名護野の土地に認められた者にしか、その大蛇は見ることはできないと、神主からの古い言い伝えを聞いた。
名護野の土地に認められた者。
栗山純は、京都の人間であったが、やっとその時、自分が名古屋人になったことだと思えた。
京都から、東京へ上京し。
呉服問屋の家庭に育ちながらも、ロックミュージシャンを志し、道半ばで名古屋へ流れてきたのだった。
東京では、オックスの初代ボーカルとして、栄光をつかみ。
挫折を味わいながらも、名古屋に流れ着き。
アクセサリーの露天商。
チリ紙交換。
ラブホ清掃など、落ちるところまで落ちた。
インドへ、自分探しの旅にも出て。
大好きな、ハードロックからは離れることができずに。
一念発起して、みずからの手で、このテラゾという名の、バーを開業した。
二階建てのこの建物は、狭いカウンターだけのギュウギュウとした店構えだ。
二階は、最初は宴会場として使われていたが、いつのまにかか純の移住地となった。
栗山純は、この店で骨をうずめる覚悟はできていた。
本心は、他人には語らない。
純は、そういう漢で、非常に強い信念をもっていた。
そうでなければ、純が亡くなるまでの、30年間も店が続いたわけがない。
栗山純。
そういう漢であった。
名護野といわれる、土地の神であった。
テラゾの近くにある神社の神主によると、ここ名護野の古い言い伝えで、白い大蛇が黄泉の國からの使いであるとか。
純は見た。
確かに見た。
酔っ払っていたけれども、白い大蛇が、渦をまいてテラゾの目の前の、裏道をゆっくりと這っているのを見たのだ。
腰を抜かした純は、その白い大蛇に食われるかと思ったそうだ。
テラゾの客は、その話を聞いて大笑い。
いくら純が説明しても誰も信じようとはしなかった。
名護野の土地に認められた者にしか、その大蛇は見ることはできないと、神主からの古い言い伝えを聞いた。
名護野の土地に認められた者。
栗山純は、京都の人間であったが、やっとその時、自分が名古屋人になったことだと思えた。
京都から、東京へ上京し。
呉服問屋の家庭に育ちながらも、ロックミュージシャンを志し、道半ばで名古屋へ流れてきたのだった。
東京では、オックスの初代ボーカルとして、栄光をつかみ。
挫折を味わいながらも、名古屋に流れ着き。
アクセサリーの露天商。
チリ紙交換。
ラブホ清掃など、落ちるところまで落ちた。
インドへ、自分探しの旅にも出て。
大好きな、ハードロックからは離れることができずに。
一念発起して、みずからの手で、このテラゾという名の、バーを開業した。
二階建てのこの建物は、狭いカウンターだけのギュウギュウとした店構えだ。
二階は、最初は宴会場として使われていたが、いつのまにかか純の移住地となった。
栗山純は、この店で骨をうずめる覚悟はできていた。
本心は、他人には語らない。
純は、そういう漢で、非常に強い信念をもっていた。
そうでなければ、純が亡くなるまでの、30年間も店が続いたわけがない。
栗山純。
そういう漢であった。
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