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本物の気持ち
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しおりを挟む「徹さ・・・」
キスされる・・!と目をきゅっとつむると、ほっぺたに優しく唇が落とされた。
「優姫の、婚約者の徹って言います。よろしく。」
「徹さん・・!」
大輔を見ると、ポカーンと口をあけているのとは対照的に、小百合さんが目を輝かせていた。
「あの・・神谷徹さんですよね・・?私小百合って言いますっ!冬の彼方、映画館に何回も見に行きました!!」
「何回も?ありがとうございます。嬉しいな。ね、優姫」
「えっ・・?あっ、うん。」
突然人が変わったかのような小百合さんは、大輔そっちのけで徹さんに握手を求めた。
「でも、婚約してるのは公表してないので、僕と小百合さんの秘密にしてくれますか?」
「っっ!!もちろん!!!!次の映画も楽しみにしてます!頑張ってください!」
「ありがとう。それじゃあ、優姫そろそろ行こうか?」
完璧営業モードでこちらも人が変わったかのような徹さんに手をひかれ小百合さんに挨拶をしてその場を立ち去った。
「・・・徹さん、婚約者って・・」
「仕方ないだろ、あんなこと言われて。俺がむかついたから。」
繋がれた手がまた少し強く握られた。
「お前、見る目なさすぎ。」
「それは・・・まぁ、おっしゃるとおりです・・」
「でも。」と言葉をきり、足を止めた徹さん。
「今日からしばらく優姫は俺のものだから。俺のことだけ考えて。俺のことだけみてて。俺はもうお前の・・」
徹さんが真剣な顔で、私をモノのように言うのに、大輔のとは違って、それはとても居心地のいいもので。
言葉の続きを少しためらうような徹さんをみていた。
「えっ・・キャーーーーっ・・・・・つめた!!!!」
そのとき空から冷水のシャワー・・・・
「もっ・・申し訳ありません・・!!!お客様大丈夫ですか・??!」
そこは大きな水槽の前。アシカたちのパフォーマンスでシャワーのトンネルをくぐるはずが
ホースが暴走して私と徹さんはビチョビチョになった。
「っつっめた・・・!って、優姫、透けてる。」
「わっ・・!どうしよう!」
飼育員さんが飛んできてタオルをくれたものの、タオルだけ手に取り、
謝る飼育員さんに声だけかけて、徹さんは私の腕を引っ張って館内からでた。
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