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4章 ご褒美とお野菜
③意外な才能
しおりを挟む「良いじゃない、上手い上手い最初よりずっと上手くなったねぇ」
朝は皆手早く朝食を終えて、それぞれの作業に散って行く。
唯は昨日の予定通り搾乳の作業を続けていた。
昨日から恵子は唯の事を良く褒めてくれる。
相変わらず褒められ慣れていないので少々恥ずかしいが、不思議と仕事は捗る。
家畜の餌やりに掃除、牛のうんちは臭いし、鶏は思っていたより凶暴で怖かったが、毎日玉子は回収し小屋の藁は敷き直すそうだから仕方無い。
それでも恵子が事ある毎に褒めてくれるので、頑張る事が出来た。
ある程度家畜の世話が終わったら、少し休憩を取り昼食の支度となる、昼は村の各所にある農地まで弁当を作って配達しなければならない。
この付近で配ってから、最後は山向こうで作業している礼子と礼子の両親の所になる、これは恵子の配慮だろう。
夕方以降はクタクタに疲れてしまうだろうから、お昼の休憩時間くらいは友達と一緒にといった所なのか?
昼は簡単に朝食時に炊いておいた大量の米でおにぎりを握り、作り置きの味噌汁、それとぬか漬けを切り、揚げたて熱々の唐揚げを一人分づつに小分けして使い捨ての容器に詰め込む。
味噌汁は温め直し、保温用の容器を三つに分け、使い捨てのカップそれぞれ人数分用意して車に積み込み出発、唯は助手席に乗り弁当を配って回る。
「女子高生の手作り弁当…とか…最高かよ!」
などと言われ悪い気分はしない。
耕二の担当している農地で瑞稀と尾形にも弁当を配ったが、何故か瑞稀は顔を赤らめて目が泳いでいたが…原因は不明。
「あ、ありがとうゴザイマス…」
「?」
そして次は山向こうまでとは言えそれ程の距離でも無い。
山の脇にある車一台分が通れる道を登りながら抜けると、すぐに広い土地があった。
山の裏側の中腹にある小集落はかつては二十軒程の民家があったらしい。
山を切り開いた土地で現在は人の住む家は五軒程しか無い。
今そこに住んでる人間も篠田家を始めとする、そこそこ大きい農家と土地家屋の売却交渉を進めている状況。
かつては公民館だった場所も、今では篠田家の農耕機具や耕運機、田植え機などが置かれている。
「父ちゃん…私、唯ちゃんと神社で休憩してくるね♪」
「ああ、一時頃までには戻っておいで」
礼子は唯の手を引いて、小さな社に併設された遊具が錆びて使えない児童公園に向かう。
「ふーんこれハムちゃんが作ったんだぁ、へー結構美味しいじゃない」
「はい…礼子様お茶どうぞ」
唯は礼子に褒められ嬉しそうに微笑む。
二人共食事を終え、お互いにどんな作業をしているのか、等々たわい無い会話をつづけ不意に礼子が告げる。
「へー頑張ってるみたいね、義姉さんも褒めてたわ、家族が褒めてくれてるなら声をかけた甲斐もあるわね、お給料以外に私もハムちゃんに、ご褒美あげようかなぁ~♡」
「……え?!礼子様?」
礼子は自分の保身以外の事に関しては考え足らずで、極めて自分本意な人間ではあるが、自分の物、身内とみなしている人間に対しては面倒をみたりであるとか,世話をしたり、或いは返礼などは意外としっかりしている。
そして自分のペットである唯に対してもその様にするだけなのだ、解りやすく言えば親に肩叩き券をあげる感覚かも知れない。
唯が礼子に対して恋愛にも似た感情を持ってるなど礼子は想像してもいない。
礼子は察しが悪い…
だから礼子の頭の中にある唯ならば、これをすれば喜ぶであろう提案をするのだ。
まぁ、それは当たらずとも遠からずといった所ではあるのだが…
礼子の思う唯とは即ち………
礼子はクスクスと笑いながら誘惑するが如く…
「何がいいの~?」
「え………………と」
「ハムちゃんは変態だもんねぇ♪私もハムちゃんが喜びそうな、いやらしい事を考えておくけど…貴女も明日の昼までに考えておいてね♪」
そして最後に唯の耳たぶを甘噛しながら…囁く様に…
『へ…ん…た…い…ちゃん♡』
耳を甘噛するのは礼子なりの感謝の気持ちがこもっている。
何故なら礼子の中の唯はそれを、そういった挑発行為を喜ぶ人間…変態だから。
例え、第三者から見て小馬鹿にし虐めている様に見えようとも…
唯の顔がみるみる赤くなる…煩悩スイッチが入ったのだろう。
礼子の認知する唯に対して、例え本人が異を唱えようと、この反応では言い訳にもならないであろう。
帰りの車の中、ずっと顔が赤いままの唯を心配した恵子が声をかける。
「唯ちゃん…ちょっと大丈夫?うーん午後の作業は休んで貰った方がいいのかしら…何かあっても親御さんに申し訳ないし…」
理由など言えよう筈もないが礼子に褒められたばかりで仕事を休む訳には行かない。
「だ、大丈夫です!午後も頑張りますから!その…ちょっと熱くて…シャワーだけ浴びて来ます」
一度リセットしなければ続けられそうも無い、発情により分泌液で滑る恥部と下着をどうにかしなければ気持ちの切り替えも出来ない。
「そう?確かに今日は暑いもんね~、わかったわシャワー浴びて来なさい、でも無理そうならすぐに言ってね」
恵子はまだ心配そうではあったが、本人がそう言うのであればと意思を汲んでくれた。
シャワー中に何度もこのまま自慰をしたい気持ちに駆られた。
鉄の自制心を発揮して…
欲望を抑えヌメりだけ落とし下着を履き…
気持ちを切り替え仕事に戻る。
唯も確実に成長してはいるのだ。
こんなことで?と…思われるかも知れない…
だが一年前の快楽に溺れる唯なら自制心など無かったろう。
仕事への責任感など放棄してそのまま快楽に溺れていた筈だ。
………理由はより深い快楽の為ではあったのだが…
但し…礼子に対する歪んだ愛欲だけが理由では無い、仕事をして恵子に褒められ皆に喜ばれた。
褒められればやる気に繋がり、他人に喜ばれ成果を感じれば、責任感や自信に繋がる。
そして金やモノ、物質では無く唯の心の中に大切な物が築かれつつあった。
大切な物など何一つ無く…
友達すらも一時の快楽の為に裏切り護摩化し…
そんな刹那的な快楽に生きるだけの不良娘の姿はそこには無かった。
鉄の意志で欲望を抑え、清掃やビニールハウスのフルーツの世話をし…
家畜のエサやりをこなし夕食の仕度をし…
篠田家のキッチンでは今日も大量の食材を処理している。
「包丁の使い方も慣れたわね、唯ちゃんセンス有るのかもねぇ、昼間の唐揚げも調味料目分量でしょ?揚げ具合もバッチリだったしね」
「え、でも昨日、恵子さんがやってた、あの竜田揚げ?やり方見てましたし、調味料少し変わるだけだから。そんなに大した事じゃ…」
「いえいえ!だって!私が焦がさずに味付け間違えずに作れたのって、料理始めて結構経ってからだったんだからぁ~天才かぁ~?おい♪」
例えお世辞でも嬉しかった。
(そういえば…おかぁの事あんま覚えて無いけど…おかぁのご飯美味しかったのは覚えてる…遺伝とか?まぁ…お世辞か…恵子さんも上手いんだから…)
恵子と話してると何故か母親のイメージが想起される。
もちろん恵子はまだ若いし、唯の母親の様に若い男と駆け落ちする様な女でも無い。
それでも母とはこういったやり取りを娘とするものなのだろうと感じてしまう。
◆ ◆ ◆
その後、また女子部屋の三人で風呂に入り、昨日と同じ様に瑞稀に背中を流して貰う、前も洗うとの申し出は軽く流して断り、今日は礼子の怒りを買わない様に早めに出た。
明日はバイトの最終日で、恐らくまた宴会になるとの事で晩酌も程々に皆部屋に戻り、男子部屋でトランプで遊んだ。
唯に一緒に寝ようなどと言う不埒者に、女子大生の尾形が蹴りを入れるなどのアクシデントはあったが楽しい時間を過ごした。
ちなみに瑞稀は始終緊張して唯の服な袖を時々引いていたがスルーした。
そして翌日、他の皆に弁当を配達し終わり、礼子と一緒に昼食を取り、神社前の公園で食後のお茶を飲んでいる。
「ねぇハムちゃん、ご褒美に何して欲しいか決まった?」
礼子の頭の中には変態がして欲しいであろう事のリストが浮かんでいた。
参考資料は次兄の耕二が隠していたポルノビデオの一つ、だけでは無く、猿渡の実家である文房具屋兼レンタルビデオショップで新たに取得した知識もある。
十八禁だろうと、経営者側に知り合いがいるなら無意味な決まりである、それに唯のアレが尿では無い事は既に礼子も理解はしている。
最も、猿渡の説明も的を射ていたとは言い難い…
「それは俺に聞いて正解だ!礼子チャンが見たモノは、変態を極めた女だけが出せる神秘の液体…潮吹とか言うらしい…」
間もなく十九歳になろうとする童貞男の知識など、たかが知れている。
色々と間違ったフィルターがかかったふざけた答えではあったが、変態の猿渡が言うので有れば間違い無いと礼子は信じた。
礼子は目上の身内や仲間に対して疑うとか警戒するといった事はしない。
更に猿渡からこっそり借りたビデオはМ女モノ…
(外国人が使ってたあんな馬車みたいな機械無いし、ムチの代わりにベルトで良いよね?…でもお仕置きじゃないし、ロープは納屋にあるけど、ローソクはお仏壇にあるので良いよね?大きい注射器なんて無いし、そこら辺でうんちさせる訳にも…イチジク浣腸あったかしら?…おもちゃの変わりに父ちゃんがお酒を飲み終えた一升瓶はどうかしら?流石にサイズが、やっぱりお風呂で…座ったら喜ぶ?…それともペットだから…)
礼子の暴走気味の脳内で猿渡の説明と、海外の作品を含むビデオで得た変態女の知識=唯に変換される。
なにやら…唯がとんでもない変態といった間違った認識になりつつある。
「え?…と…え?…え…?!」
唯はまた顔を赤くして俯てしまっていた。
当然唯は礼子が唯に対してしようと思ってる拷問(ご褒美)の事など知る由もない。
こんな可愛らしい唯の姿を見ようものなら、瑞稀は悔し涙を流すだろう。
唯がこんなになるのは礼子の前だけなのだから…
「ハムちゃん、考えたんだけど…貴女が変態なのは知ってるけど、やっぱりそのへんで浣腸とか…うんちとかは無しにしてくれる?見てる方もキツイし、おしっこくらいならともかく…処理に困るのよ……」
礼子は察しが悪く、すぐに考えが暴走気味になる。
が…唯は割と察しが良い方では有る。
サッサと決めないと不味い事くらいは理解出来た。
「はい?!あ、あ、あ、あの礼子様、あの私!礼子様とお風呂に!入りたいです」
「お風呂で良いのね、でもそんなので良いの?ロウソクとか…」
また変な事を言い始める。
当然頭の中が桃色になっている唯は色々と想像したし考えた。
変態だと言われても仕方が無い様な、恥ずかしい事も考え無かったと言えば嘘になる。
今までだって、同級生の男子と性行為をした時にも散々要求した事だってある。
欲望の赴くままに
陰核を舐めあげて欲しい。
そして…刺激を求めて。
お風呂でしたい。
外でしたい。
教室で。
図書室で。
自分が心地よいと感じる事も…
首筋を舐めて…
耳を噛んで…
もっとゆっくり深く突いてほしい………
しかし…好きな相手にそんな事を要求出来ようか?
歪んだ欲望を持っていたとしても、相手がそうするならともかく自分から要求など出来ない。
が…礼子を放って置くと、また変な方向に進みそうではある。
だから唯は考えた、唯は礼子のペット……
「あの…メス犬が発情したら…あの…かいぬ…手で静めてくれる飼い主がいるそうです…だから…あの…れ、礼子様に…一度も触って貰った事…無いです…あの…お風呂なら汚れませんし…あ、あ、あそこ…を…」
「そう言う事なのね、いいわ、女の子に…メス犬にそんな事した事ないけどやってあげる♡お仕置きじゃなくてご褒美だしね♪気持ち良いとか痛いとか言っても良いからね」
どうやら礼子も納得してくれた様ではある。
流石の唯もムチだのロウソクだのは勘弁して欲しい、気持ちが良い事も恥ずかしい事も好きではあるが、痛い事は御御免被りたい。
スパンキングくらいはシュチュエーション的に有りだとは思っていたが…
出来れは上履きでは無く礼子の手の平を肌で感じたい。
などと思った事もあるが、本人に言えよう筈もない。
例え変態だと認知されていても、口が裂けても言えないのが乙女心であるのだろう。
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