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第26話 今回は仕方ないよな?
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「それじゃあ、二人とも準備はいい? 右回りなら、ハイだから海に決定。左回りならプールね」
夏休みの予定を決めるべく、ダウジングの準備を終えた真宮さんはペンデュラムを片手に言った。
俺は二人からされたハグの余韻でぼんやりとした頭のまま頷くと、仲里さんも同じようにコクンとしてみせた。
このあいだ彼女が見せた反応からして、なにか事情がありそうだし、プールにした方が良さそうなんだよな……。
楽しみにしている真宮さんには悪いけれど、今回は仲里さんの味方になってあげたい。
「ダウジングをはじめるね! 夏休みは海の方がいい?」
真宮さんが問いかけ、ペンデュラムが左右に揺れ始める。
彼女は集中してペンデュラムの先をじっと見つめたまま動かない。
俺と仲里さんも呼吸を止めるようにして、ペンデュラムの結果を見守った。
体感で二分ってところだろうか……動きに変化が現れた。
水晶が小さく左回りに動きだす。
やった! このまま回転が安定してくれればプールに決まる――と、思った瞬間。
ペンデュラムは再び左右に揺れると今度は右に小さな回転を始める。
「なっ!」
やばい! このパターン……前にもあった気がするぞ。
仲里さんを横目でチラッと確認すると、真剣な表情をしていて、瞬き一つしない。
余程、海には行きたくないんだろうな。
でも、このままだと海になってしまいそうだ……。
小さな回転は続く――。
「あ……」
このまま右で決まり?
諦め掛けていると、再び振り子のように左右に揺れ始めた。
振り幅は次第に大きくなり――ペンデュラムが異常な速さで縦に揺れ始める。
「うぉ!」
揺れで部屋の明かりが水晶に反射して俺の目を直撃する。
な、なんて攻撃的なペンデュラムなんだ……持ち主に似たのかも知れない。
「春時! なんか言った?」
「え? いや、なにも言ってないけど……なんで?」
「別に……なにか言われた気がしただけよ。集中してるんだから黙っててよね」
黙っていましたけど……女の感? 恐ろしい……。
「早見くん、左」
突然、仲里さんが呟いた。
真宮さんの方へ目を離している間に、左へ回り始めている。
「やった!」
思わず声が漏れてしまう。
真宮さんは嫌そうだ。
「早見くん、見てください。回転が大きくなっていきますよ」
「うん」
これで完全に決まりだな……ここまで大きく回転に勢いがついたら神様でも現れないかぎり、右へ回転することはないだろう。
真宮さんは不満なようだけど、今回に関してはプールになって良かったと思う。
仲里さんも胸に手をあて、安堵しているようだ。
「真宮さん。どうやらプールで決まりのようだね」
「……そうね。あたしが言い出したことだし、今回はプールで我慢するわよ」
なんだか少し寂しそうにしている彼女を見ていると可愛そうに思えてきた……池袋に水着を買いにいく前から海だと言ってはりきっていたもんな……。
うーん……よし! 決めた!
「あのさ、真宮さん」
「なに?」
真宮さんは頬をふくらませフグのような表情をしている。
「あのさ、夏休みはまだ始まったばかりだし、時間はいっぱいある。海も今度、行こう。俺、付き合うからさ」
「え? 本当に?」
「あ、ああ……」
「やった! ありがとう春時。約束ね!」
「お、おう」
さっきまで、どんよりした雰囲気だった真宮さんはニッコリと微笑み、すっかり機嫌が直ったみたい。
仲里さんが気になりチラッと横目で見る――。
「う……」
なんか睨まれているような……。
「ハハ……」
ま、まぁ……今回は仕方ない、よな?
夏休みの予定を決めるべく、ダウジングの準備を終えた真宮さんはペンデュラムを片手に言った。
俺は二人からされたハグの余韻でぼんやりとした頭のまま頷くと、仲里さんも同じようにコクンとしてみせた。
このあいだ彼女が見せた反応からして、なにか事情がありそうだし、プールにした方が良さそうなんだよな……。
楽しみにしている真宮さんには悪いけれど、今回は仲里さんの味方になってあげたい。
「ダウジングをはじめるね! 夏休みは海の方がいい?」
真宮さんが問いかけ、ペンデュラムが左右に揺れ始める。
彼女は集中してペンデュラムの先をじっと見つめたまま動かない。
俺と仲里さんも呼吸を止めるようにして、ペンデュラムの結果を見守った。
体感で二分ってところだろうか……動きに変化が現れた。
水晶が小さく左回りに動きだす。
やった! このまま回転が安定してくれればプールに決まる――と、思った瞬間。
ペンデュラムは再び左右に揺れると今度は右に小さな回転を始める。
「なっ!」
やばい! このパターン……前にもあった気がするぞ。
仲里さんを横目でチラッと確認すると、真剣な表情をしていて、瞬き一つしない。
余程、海には行きたくないんだろうな。
でも、このままだと海になってしまいそうだ……。
小さな回転は続く――。
「あ……」
このまま右で決まり?
諦め掛けていると、再び振り子のように左右に揺れ始めた。
振り幅は次第に大きくなり――ペンデュラムが異常な速さで縦に揺れ始める。
「うぉ!」
揺れで部屋の明かりが水晶に反射して俺の目を直撃する。
な、なんて攻撃的なペンデュラムなんだ……持ち主に似たのかも知れない。
「春時! なんか言った?」
「え? いや、なにも言ってないけど……なんで?」
「別に……なにか言われた気がしただけよ。集中してるんだから黙っててよね」
黙っていましたけど……女の感? 恐ろしい……。
「早見くん、左」
突然、仲里さんが呟いた。
真宮さんの方へ目を離している間に、左へ回り始めている。
「やった!」
思わず声が漏れてしまう。
真宮さんは嫌そうだ。
「早見くん、見てください。回転が大きくなっていきますよ」
「うん」
これで完全に決まりだな……ここまで大きく回転に勢いがついたら神様でも現れないかぎり、右へ回転することはないだろう。
真宮さんは不満なようだけど、今回に関してはプールになって良かったと思う。
仲里さんも胸に手をあて、安堵しているようだ。
「真宮さん。どうやらプールで決まりのようだね」
「……そうね。あたしが言い出したことだし、今回はプールで我慢するわよ」
なんだか少し寂しそうにしている彼女を見ていると可愛そうに思えてきた……池袋に水着を買いにいく前から海だと言ってはりきっていたもんな……。
うーん……よし! 決めた!
「あのさ、真宮さん」
「なに?」
真宮さんは頬をふくらませフグのような表情をしている。
「あのさ、夏休みはまだ始まったばかりだし、時間はいっぱいある。海も今度、行こう。俺、付き合うからさ」
「え? 本当に?」
「あ、ああ……」
「やった! ありがとう春時。約束ね!」
「お、おう」
さっきまで、どんよりした雰囲気だった真宮さんはニッコリと微笑み、すっかり機嫌が直ったみたい。
仲里さんが気になりチラッと横目で見る――。
「う……」
なんか睨まれているような……。
「ハハ……」
ま、まぁ……今回は仕方ない、よな?
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