ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

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 森の小道、密集した木々の間をすり抜け日差しが差し込む。
 周囲は静かだが、時折、鳥のさえずりが聞こえる。

「小物は適当に狩りながら、早く山の方で狩りをしようぜ!」

 明がノリノリで笑顔を向ける。

「アンタ、今日だって、最後の分はちゃんと運ぶんだからね! ギルドランク、上げたいでしょ?」

「分かってるって! でも今日も山羊型の群れがいれば良いよなって、思うだろう。昨日の群れ、後5匹残ってるしなあ」

 俺は明が5匹山羊型魔物を狙ってるのかと気がついて、ちょっと驚く。昨日の群れがまだこの辺りに居るかもって考えるのは虫がいいような、それでいて、ありそうなことにも思えた。

 森の中を進みながらウサギ型を見つけては弓矢で攻撃、すぐに近づき止めを俺がショートソードでさす。山際に近づくまでにウサギ型5匹、リス型2匹を狩ることに成功する。

 その都度「買い取り」を実行した。

 瞬く間に魔物の死体が消え売却収益がメッセージボードに瞬時に反映される。

 初めて魔物が消えるのを見た、俺を含めた5人が驚いて互いの顔を見つめ合い、暫くフリーズしたのは言うまでもない。

「だけど便利だよなあ! 卓郎のスキル」

「本当にね! 私達、卓郎くんと組めてラッキーだわ」

 有紗がニコニコと笑顔を向ける。沙耶もだ。

「卓郎! あんた、なかなか使えるわね。見直したわ」

 純子も俺を評価してくれた様子。

 テヘヘへへ、皆んなに褒められ照れる俺。


「そろそろ山ぎわだぜ!」

「山羊型いるといいね?」

「ちょっと待って、ここに足跡が」
 純子が何かの足跡を見つけた。

「どれどれえ」

 有紗と沙耶が覗き込む。

「なんか足跡、あっちに向かってるね」

「ああー、向こうに山羊型の群れが見えるよ」

 沙耶の指差す方向をみんなが確認するように視線を向けた。

「なんか10匹位いない?」と有紗。

「お! やったぜ。ぜってー逃がさねー!」

「あんた、もう狩ったつもりでいるの? 相手が10匹もいたら反撃されたら大変じゃない?」

 確かに10匹もいれば、向かって来る奴もその分増えそうだ。

「純子は心配症なんだよ! 俺が突っ込んでバッタバッタと切り倒してやるぜ!」

 明がニヤリと笑ってロングソードを抜いた。

「ちょっと、剣の光で気付かれたら逃げられちゃうじゃない、あんたバカなの! もっと近づいてから抜きなさいよ!」

「悪かったな!」

 そう叫ぶと明は獲物に向かって走りだしていた。

 明はあっという間に山羊型魔物に近接していた。すかさず有紗と沙耶が魔物に矢を射かける。純子もそれに続いた。

「オリャー!」

 明の怒声が響き渡る。

「卓郎! あれじゃあ明が危ないわ! 助けに行って!」

「お、おお!」

 純子の指示に、飛び出す俺。右手にショートソード、左手には治癒ポーションを握っている。無謀に突っ込んだ明を見てすぐにポーションを取り出したのは、明が怪我をすると思ったからだ。

 有紗と沙耶も急いで矢を連射する。大方の魔物は逃げたが三頭の山羊型が明に反撃を試みていた。有紗達の矢で倒された一頭の仇を明ではらそうとしている。

 明はロングソードを振り回しながら、三頭の山羊型の角を払い除けるのに精一杯の様子だ。そこに俺が助けに入る。

「オーリャー!」

 ショートソードを振り回しながら山羊型魔物を追い払う。

「サンキュー! 卓郎!」

 余裕のできた明のロングソードが魔物の頭部にヒットした。

 ガザシュッ!!

 頭を砕かれた1匹が崩れ落ちる。

 さらに少し離れていたもう1匹に3本の矢が突き刺さる。

「キャギャーー」

「ソオリャー!」

 大きく振り上げられた明のロングソードがもう1匹に振り下ろされた。

 ガシーン!

 だがその剣撃を避けて横に飛び退いた山羊型は卓郎の方へ。

 明の剣は空を切り、深々と地面に突き刺さっっていた。

 俺はショートソードを明の一撃を避けて近づいてきた魔獣に向けて突き刺した。

「隙あり!」

 ズブーッ!

 首から血潮が飛び散る。

「キャギャー!」

 口から泡を飛ばし暴れる山羊型は、しばし暴れた後で崩れ落ちる。

 そして矢で傷ついた魔獣も最後の足掻きで大暴れしたが、それも悲しい抵抗だった。明のロングソードがその息の根を止める。

「ハハハ! やってやったぜ! どうだ俺ってつえーだろう」

 自慢げに剣を掲げる明の額と右肩からは傷から血が滴り落ちている。戦いの興奮の中で、受けた傷の痛みもわからないのだ。

「明、血が出てるぞ。これ飲んでおけよ」

 俺は左手のポーションを明に渡す。

「お、おう。サンキュー。結構やられてたのか、いつやられたか分かんなかったぜ」

 笑いながらポーションを受け取り一気に飲み干す明の傷は、ポーションの効果でどんどん治っていった。

「卓郎くーん、矢の補充を頼んで良い?」

 有紗と沙耶が寄ってきて言った。

「昨日今日で、けっこう矢が壊れちゃったのよね。新しい矢に交換したいんだ」

「どのくらい欲しいの?」

「10本ずつちょうだい」

「分かった」

 俺はお取り寄せで矢を選んでポチッと購入すると、俺の目の前に矢が現れる。

「はい。十本ずつ」

「へー、ほんとにお取り寄せできるんだね!」「便利ー」

 有紗と沙耶が感心しながら矢を確かめる。

 一息ついて辺りを見渡せば、地面には4匹の山羊型魔物の死体が転がっている。

「大猟だな。卓郎、こんなにでかいやつでも本当にこの場で買い取りできるんだよな?」

 明が自慢げな笑顔で魔物の死体を指差した。

「任せてくれ」

 俺はポチッと買い取りボタンを押して1匹ずつ買い取りしていく。買い取りする度に魔物の死体は消え金額カウンターの額が増えていく。

 山羊型4匹で36万ゴルドで買い取られていた。

「4匹で36万ゴルドだ。1匹平均9万ゴルドだな。買取額は普通だよね」

「うん。普通だよ。でも、すごい……こんなにすぐに換金できるのね」

 有紗と沙耶が嬉しそうに微笑み見つめ合いくすっと笑った。

「これなら、余計な手間なく次の狩りに行けるな!」

 明が満足そうにロングソードを肩に担ぐ。

「そうみたいね。卓郎、私も次の狩りに備えて矢の補給をお願い」

 純子もやる気満々で矢を補充するようである。

「はい。矢十本ね」

 俺が矢を渡すと純子も満足そうに受け取った。

「矢も、体力も完全回復ってとこか?」

 明が4人を見渡してハンズアップすると女子3人が頷いた。









 
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