ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

文字の大きさ
21 / 265

21

しおりを挟む
 
「その依頼で良いぜ。別に気にしてるわけじゃねえからさ」

 切り替えるように視線を逸らし、遠くを見ながら明が吐き捨てる。

 めんどくさいなあ……と思いながら俺は話に加わった。

「じゃあ、北野村の依頼を受けちゃおう。明もいいって言ってるんだしさ」

 有紗と沙耶が顔を見合わせる。純子は少し硬い表情で言った。

「ーーそうね。嫌な思い出も上書きしちゃえば良いんだしね」

 有紗と沙耶も頷いた。

 明は掲示板から依頼を書いた紙を剥がしとり、受付窓口に歩き出す。受付窓口には綺麗な黒髪の礼子がテキパキと手を動かしている。

「この依頼、お願いします」

「あら、明君。1人でこの依頼を受けるの?」

「いえ、5人で」

 純子が窓口から俺達5人をチェックして告げる。

「5人でパーティ登録してくれる。そうしないとランクも上がりにくいしね」

 5人は顔を見合わせて頷く。

「パーティ名を決めてねー」

 礼子の言葉に皆ハッとした顔を見合わせてから純子が切り出した。

「何かいい名前はない?」

「そんなん、適当でいいだろ。何か案はねーのか?」

「そうは言ってもすぐにはね……」

 礼子がテキパキと仕事を進めるために提案した。
「とりあえず、明のパーティで仮登録しとくから今度までに決めてきて。メンバーはその5人ね。依頼は、はい、これに完了サインをもらって来てね」

 明が紙を受け取り窓口を後にする。

「行こうぜ」
 俺たちは北野村に移動した。

 ***

 北野村、諭吉の畑は森を切り開いて作ったものなのか、畑のすぐ横まで木々が迫っていた。広い農地の片隅に、納屋のような小さな木造の建物がポツンと立っている。

 諭吉さんが広い畑の真ん中で鍬を振り上げ畑を耕していた。

「こんにちは。冒険者ギルドの依頼を受けてやってきました。依頼書はこれです」

 明が依頼書を見せて確認すると、諭吉が畑を指さし早速説明を始める。

「見ておくれ。森から猪型魔獣が出て来て、この畑を食い散らかすんじゃよ」

「どのくらいの大きさか分かりますか?」

 純子が情報収集に取り掛かる。こういうところ、純子は賢いなあ……と思った。

「夜中に食いに来ておるから、見ちゃーいないさなあ。ただ足跡は残っとるから推測しておくれや」

「わかりました」

 荒らされたキャベツ畑のチェックをするとさんざんに食い荒らされたキャベツに猪型の歯型、地面には足跡が見つかった。

「大きいのと小さいのと……これ親子で食べに来てるわね」

「大きいのも2種類あるかもな」

「猪一家かしら、ヤダ可愛い」

「沙耶! それこれから狩るんだからね。大丈夫?」

 俺も足跡の大きさから成獣2匹と幼獣多数と推測する。

「どうする? 夜を待ってここで狩るか、このまま森に入って探すか?」

「ここで待つのも面倒だぜ、森に入ろう」

 明は、やはりイケイケだな。

「私も森に入ろうと思う。木があった方が猪の突進を避けやすいでしょう」

 純子はやっぱりよく考えているんだなと、改めて感心した。

「いいと思うよ。その方が早く帰れそうだし」

「私、頑張ってみつけるよ」

「じゃあ、決まりね。卓郎、足跡を追って」

「うん」

 俺は地面に顔をつけるようにかがみ腰で猪型の足跡を探しながら森に帰っていく足跡を選別し後を追った。

 森に分け入ると足跡を探すのはより難しくなる。

「あっちだ」

 俺は大体の方向を指し示しながら先頭を進んだ。こういう時に役立つスキルが有れば良いのだが、そんなものは持っていない。沙耶の『遠見』も足跡の発見には役立たない。だが、遠くの魔獣の発見にはきっと役立ってくれるはずだ。

 途中足跡を見失い俺は首を振って立ち上がった。

「ここで足跡が分からなくなっちゃったよ。途切れた続きを探さなきゃ」

「困ったわね。手分けして探しましょう」

「任せろ!」

 明が威勢よく言うが、純子がそれを制す。

「明は足跡踏み荒らしそうだから、ここで周りを警戒して!」

「え! あ、ああ。分かった」

 消えた足跡が続いていそうな、続きがみつかりそうな場所に4人が散らばる。

「あ、あったわ!」

 有紗の声に全員が喜びの笑顔を見せる。

 その後は、有紗が先頭になって皆を案内した。

 突然沙耶が小さく叫ぶ。

「いたわ!」

 指さす先、木と木の間の茂みの中に猪型魔獣の一家が見える。

「ありゃーやばいな。あの大きさ二匹はちょっと無理だぜ」

 いつも強気の明が弱気を見せる。猪型2匹と分かったときになんとなく予想はできていたが、目の当たりにするとその予想が間違いでなかったことが実感できた。

「近づく前に、何かいい方法を考えましょう」

 皆が黙り込んで顔を見合わせる。猪型魔物成獣2匹幼獣5匹の群れと戦う方法などなかなか思いつくものではない。

「弓は木の上に登って狙ってもらえば、盾役はいなくてもいいかな? そうすれば俺と明が一匹づつ受け持てるけど」

「幼獣が5匹もいるじゃねーか。どうすんだよ」

 幼獣と言えども膝よりでかい大きさである。突進攻撃をまともに受ければ死ぬまでありそうだ。

「1っ匹づづ減らしていくしかないわね」

「どうやって?」

「少しくらい矢が刺さっても死にそうにないわよ」

「毒しかないわ。毒矢で幼獣だけでも倒すのよ。卓郎お取り寄せできる?」

 俺はお取り寄せで毒矢をさがした。

「あ、これ凄い。ドラゴンもイチコロ強力トリカブトンだって」

「ちょっと、信用できねーな」

「ドラゴンは無理でも猪型ならけないかな?」

 純子が肩越しにメッセージボードを覗き込み、「これが良いわ」と指差した。

「トリカブトン……ただのトリカブトン? おんなじ名前だが過剰な広告がなくて値段が安い。効き目は同じか?」

「そこは分からないけど、ただのトリカブトンは一般的に出回ってると思ったわ」

「なんか怪しそうなんより、よく見かけるやつで良くねーか?」

「「そうね」」

 俺はトリカブトンをポチッとする。ビンに入ったトリカブトンがゴロリと転がった。

 矢の先をビンの中に入れ、トリカブトンを矢先につける。結構ドロっとした黒っぽい液体でいかにも毒という感じだ。

 10本づつの毒矢を用意し3人が木に登って身構えた。

 俺と明が頷き合い、猪型を挑発して誘き寄せるために近づいていった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...