ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

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 剣を抜き、慎重に身構える。もう猪型にも気づかれていた。

 よし! 1番でかいやつが俺に向かって突進をかけそうだ。カウンターで『力の一撃』を食らわせれば、即座に1匹倒せるはず。俺は『力の一撃』心の中で唱えショートソードを振りかぶった。

 大きい方の猪型が俺に向かって「ブヒー」と雄叫びをあげ、前足で土を掻いてから突進を始める。

 かかった!

 思惑通りに仕留めてやる。

 俺は動けないが、力は溜まり続けている。

 よし! 来い!

 目の前に迫る猪型の突進にタイミングを合わせて大上段からショートソードを振り下ろす。

 ズシャーン!

 頭蓋の潰れる音が響き渡り、腕には強い衝撃が走った。猪型は地面にめり込むように突っ伏している。

「さすが卓郎!」

 明の声が聞こえた。そして向かっていくその姿が見える。

 大きな猪型と幼獣5匹はまだ初めの位置からそれほど動いていなかった。おそらく、雄魔獣が苦も無く俺達を撃退すると思っていたのだろう。その顔に驚きの表情が浮かんでいるように感じる。

 木の上から純子達3人の毒矢が射かけられる。それらはフリーズした魔獣達に突き刺さる。

 気がついたように動き始めた魔獣達に2度3度と矢を射かけ続けるうちに明のロングソードが成獣めがけて振り下ろされた。

 俺も、ダッシュして明の援護に駆け出している。

 明のロングソードが魔獣を捉えた次の瞬間、俺はすでに明の隣で剣を振り下ろしていた。

 驚くほど早く動けていた。ステータスを上げた結果が如実に現れている。その一撃で大きな魔獣が崩れて落ちる。

 続け様に5匹の幼獣の掃討に移る。俺は剣を振り回す。

 毒矢でダメージを受けていた5匹の動きは、まるで止まっているかのように俺の目には映っている。

 2匹! 3匹! 

「オリャー!」

 4匹目!

 明も1匹倒したようだ。

「ハア! ハア! ハア! ……」

 辺りを見回し、魔獣の生死を確認する。剣を持つ手が震えていた。緊張が徐々に解けていく。……やった。勝てたな?

「凄いよ! 二人とも!」

 木から降りた純子達が駆け寄って来た。

「本当に勝っちゃったね」
「信じられないね」

 有紗と沙耶が顔を見合わせ微笑みあう。

「これを諭吉さんに見せたほうが良いんだよな。討伐した証としてさ」

 辺りには血まみれの猪型の死体がたくさん転がっている。

「証明部位(牙)を持っていって見せるか、諭吉さんにこの場を確認してもらうかよね」

「私達が諭吉さんを呼んでこようか?」

「牙を取るのも大変だぜ。このまま買い取りに出せば楽ちんだからな」

 明が有紗と沙耶に呼びにいってくれるように視線で促した。

「ごめん。お願いできる?」

「「大丈夫だよ。3人はここでこれを見ていてね」」

 見ていてねというのは肉食の魔獣、狼型などから守っていろということでもある。

「任せろ。しっかり守っているからよ」

 明が自分の胸をポンとたたく。

「じゃあ、呼んでくるね」

 有紗と沙耶は畑の方に戻っていった。

「俺達ってこんなに強かったんだな」

 倒した猪型を見渡しながら改めて驚く明。

「卓郎、お前、すげーつえージャン!」

「はは、まぐれまぐれ、火事場のくそ力ってやつ?」

 手を振って誤魔化す俺をステータスを見しっている純子が微妙な表情で見つめる。

 ステータスのこと、言わないほうが良かったのかしら? 明にだけまだ教えてなかったわよね。

 純子の視線に気がついて、俺もその視線の意味に気がつく。確かに明にだけ教えていない。でもなんだか自慢するようで、自分からは言い出しにくかった。純子に向かって頷いて見せる。純子から言ってくれと。

「卓郎のステータスって、凄く高いんだよ。今朝見せてもらったんだ」

「へー、俺にも見せてもらって良い? 参考までにさ」

「ああ、いいよ」

 俺はメッセージボードの冒険者ギルドを表示する。

「肩、さわれば見えるよ」


 百点ポイント50、銅級、冒険者レベルF、力の一撃

 ステータス、HP:130/130 攻撃力:139 防御力:130

 速度:173 知力:116 器用:130、

 肩に手を置き体がつながって見えるようになったステータスに驚きの声をあげる明。

「ななな! なんだよこれ、大人より全然上じゃん!」

 俺の体を舐めるように見回す。

「ウッソ! 信じられねー、お前、こんなにつえーのかよ。今まで隠してたのか!」

「いや、そうじゃなくて、最近グンと伸びたんだよ」

「伸びたって言ったって……なあ?」

 明は純子に視線を向ける。

「まあ、良いじゃない。それが今の卓郎のステータスなんだから。ギルドに戻ったら明のステータスも公表する?」

「いや、そんなの恥ずかしくって、できねーぜ」

「私もよ。でも標準だと思うけどね。明もきっと標準以上なんでしょう。ただ卓郎は規格外ね」

「ああ、こんなやつ、他にはいねーと思うぜ。俺、こんなやつと決闘したのかよ。そりゃ、剣も飛ばされるわけだわなあ?」

 明がニシシ……と笑って肩を組んだ。

「これからも、よろしく頼むぜ! 相棒!」

「あはは……こっちこそよろしくね」

「でも、スゲーよな、大物をたった一撃だもんなあ」

 しばらくの間、明のハイテンションの話が続き、有紗達が諭吉を連れて現れる。

「こっりゃ、すごいのお! あんたら凄腕冒険者だったんじゃのう! 冒険者ギルドもいい人達を送ってくれたもんじゃわい」

 諭吉が依頼完了のサインをして明に渡す。

「魔獣の死骸は俺たちのもので良いんですよね?」

「ええぞい。じゃが、運ぶのが大変そうじゃなあ」

「あ、それはご心配なく。卓郎! やっちゃって」

 俺は黙って頷いて『買い取り』を行う。

「ありゃ! 上級冒険者ってのは凄いもんじゃなあ」

 諭吉が目を見張って消えた魔獣の死骸を探すが見つけられるわけがない。

「まだ時間があるし、しばらくここで狩りを続けましょうか?」

「是非是非、お頼み申しますぞい」

 純子の提案に諭吉が大賛成で純子の両手を握って大きく振った。

「俺は良いぜ、せっかくここまで来てるんだしな」

「「私達もOKよ」」

「OK」

「じゃあ、諭吉さん。私達、適当に狩が終わったら帰りますので依頼はこれまでで良いですね」

「勿論じゃとも、ワシも畑をせにゃならんだで、それじゃあ、気をつけなされや」

 諭吉は一人で帰って行った。

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