ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

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「それじゃあ、狩を続けましょうか。ちょっと奥に入ってみる?」

「そうしようぜ」

 明と純子に引っ張られてパーティは森の中へと入っていく。

 森の中は薄暗く、木々の間から光が差し込む。5人は周囲を見回しながら、どんどん奥へと進んでいく。

「この辺り、何か出そうじゃね?」

 明が言うと、純子は頷きながら指差した。
「そうだね、特にあの大きな木の周りは怪しいよ」

 その言葉に促されるように、パーティは大きな木の近くに集まった。木の根元には、苔むした岩がいくつか転がっており、その隙間からは小さな花が顔を出している。

 その時、突然、森の奥からかすかな音が聞こえてきた。何かが動いているようだ。

「聞こえたか?」

 明が耳を澄ませる。

「うん、何かいるかも」

 純子も有紗達も緊張した面持ちで身構える。

「あっちだ! 行ってみようぜ」

 パーティは音のする方へと慎重に足を進めた。
 俺の心臓が、言い知れないプレッシャーにドクドクと高鳴る。
 5人はその音の正体を探るために、さらに奥へと進んでいく。

 森の中は静まり返り、5人の足音だけが響く。やがて、視界が開けた場所に出ると、そこには小さなクリスタルのような水たまりが広がっていた。その水面には、青い光が反射して美しく輝いている。

「水飲み場には、生き物が多く集まるわ! ここで待ち伏せればたくさん魔獣を狩れるかも」

 純子が目を輝かせる。

「良いねえ。ここで待ち伏せしようぜ」

 明が言い、周囲を警戒しながら隠れる場所を探し始める。

「「私たちは、この木の上から狙うね」」

 3人は水たまりを狙える大きな木の上に登っていく。

 俺と明はその木の根元に身を隠した。

 静かに、気配を消して、木になりすまして獲物が現れるのをひたすら待つ。

 それほど待つまでもなく、最初の獲物が現れる。大きな熊型魔獣だった。

 身の丈は、立ち上がれば2メートル以上はあるのは間違いない。ゆっくりと水たまりの水を舐めている。太い腕と鋭い爪、あれでやられたら、ただではすみそうにない。

 どうする? 

 俺は明と見つめ合い、その後純子のほうを見上げる。純子もまだ弓矢を構えていなかった。熊型を狩るかどうかまだ決めかねているのだろうか。

「行くぜ!」

 耳元で明のつぶやきが聞こえる。

 気が付くと明が立ち上がり、熊型めがけて駆け出していた。

 おいおい、猪突猛進だな!
 なんとなく予想通りの行動だった。俺は急いで追いかける。

 熊型が明に気付いて、振り返るように立ち上がる。でかい! 2メートルなんてものじゃない。2メートル30、いや50はありそうだ。

 両腕を大きく掲げ、必殺の一撃を繰り出すぞと身構えている。その目には予期せぬ襲撃者に対する怒りと敵意がこもっている。

 明は熊型の手前で立ち止まり剣を構えてにらみ合った。俺も明に並んで剣を構える。流石に不用意に突っ込めば、あの爪で切り倒される。熊型魔獣の攻撃は、一撃で地面を砕いたり、かすっただけで木をなぎ倒す威力があるのだ。

 にらみ合いが静寂を生む。

 だがしかし、その静寂はすぐに打ち消される。

「ぐわー!!」

 熊型の胸に三本の矢が突き刺さった。

 熊型が純子たちのいる木の上を睨んだその刹那、明と俺は熊型の両脇をすり抜けざまに剣をないだ。

「グワーッ!!」

 叫び声とともに血飛沫が飛び散り熊型魔獣が膝をつく。だがまだ倒れない。

 かなりの手ごたえがあった。傷はかなり深いはずだ。

「マジかよ!」

 振り返った明が間合い取りながら驚く。俺も再び身構える。

 ビシュ!!

 熊型魔獣にまた矢が突き刺さる。両脇腹から多量の血が流れだしている。だが魔獣は俺たちのほうを向きなおり両腕を振り上げた。

「力の一撃!」
 俺は心を落ち着け、己の右手に力を込める。
 熊型魔獣の目がこちらを捉え、怒りで赤く染まっていた。

 貯めの3秒。その時間は明が稼いでくれるはずだ。

 1秒……鋭い爪が振るわれたが、明が踏み込み、爪を受け止める。ロングソードがそれを防いでいた。

 2秒……火花が散り、明が押し返される。

 3秒……今だ! グッジョブだぜ、明。俺はそう思いながら剣を振り下ろした。

 ズバ!!

 熊型魔獣が一刀のもとに切り伏せられた。

 倒れ込み、その目から光が失われる。

「ナイス!」
 純子の声が木の上から飛ぶ。その顔にはいつになく真剣な光が宿っていた。

「たいしたことなかったな!」

 明がロングソードを右肩に担ぎながら言った。

 明の度胸には驚かされる。俺なんて、こいつは見逃して、次に来るやつを狙おうか……なんて考えていたのに。

「早くかたずけてー」

 木の上から純子の指示が飛ぶ。次の獲物に備えてかたずけろということらしい。俺はさっさと『買い取り』を使ってかたずけた。

 血があたりを汚しているがそれまではなくせない。血の匂いでここを避ける魔獣も多かろう。だが逆に、血の匂いに誘われて寄ってくる魔物もいるかもしれない。

 俺と明はまた木の陰に隠れて次の魔獣が現れるのを待った。


「そろそろお昼にしましょうか?」

 しばらく待っていたが、次の獲物はなかなか現れなかった。

 三人が木の上から降りてくる。

「『お取り寄せ』お願いね」
「私、今日はコロッケ弁当と青野菜のサラダが良いわ」

 俺がメッセージボードで『お取り寄せ』画面を表示するとみんながそれぞれ好きなものを買い出した。

「ほんとに便利ね。お取り寄せって」
「俺なんか、卓郎なしの飯は考えられねーぜ!」

「役に立てて嬉しいよ」

 皆の絶賛に少し後ろめたさを感じないこともない。皆の弁当代で百点ポイントが加算されるのだから。

 昼食もほぼ食べ終わりそうな頃、沙耶があたりを警戒して指さす。

「向こうから犬型の群れがやってくるかも」

 純子が皆に目配せする。

 三人は木に登り、俺と明は根元に身をひそめた。









 
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