ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

文字の大きさ
33 / 265

33

しおりを挟む

 
ギルドで受け取った依頼書を手に、俺たちは北にある農村――『山本村』へと向かっていた。

 内容は、畑を荒らすウサギ型の魔物『ラビバグ』の群れを討伐するというもの。一体につき銀貨5枚の報酬が出る、手頃な討伐依頼だ。

「ラビバグって、確かちょっと大きめのウサギみたいなやつだよね? でも、角が生えてて、突進してくるんでしょ?」
 沙耶が眉をひそめながら言った。

「うん、油断は禁物だね。特に群れてくると、普通の小型魔物より厄介かも」
 有紗が頷いて補足する。

「でもまあ、一体銀貨5枚ってのは悪くないわ。数をこなせばそこそこになるし」
 純子は弓の手入れをしながら、軽く口元を緩めた。

「いいじゃねーか、俺たちみたいなFランクパーティにぴったりだろ。小金稼いで、またうまいもん食おうぜ!」
 明が陽気に言って、皆の顔に笑みが浮かぶ。

 舗装の甘い田舎道を歩くことしばし、木々の合間から山本村が姿を現した。のどかな農村のはずだったが――。

「……あれ、なんか様子がおかしくねぇか?」
 俺がつぶやくと、全員の歩みが自然と遅くなる。

 村の周囲には荒れた畑が広がっており、所々に小さな穴が空いている。野菜の苗が無残に引きちぎられ、土が掘り返されたような跡が点々と残っていた。明らかに、普通の野生動物の仕業じゃない。

「こりゃ……ラビバグの仕業で間違いないね」
 有紗が静かに言った。

 村の入り口で待っていた初老の男が、俺たちに気づくと駆け寄ってきた。

「おお、討伐に来てくれた冒険者さんか! ありがてぇ! ここんとこ毎晩のように畑を荒らされててな……もうこのままじゃ、村の作物が全滅だ!」

「ラビバグはいつも夜に現れるんですか?」
 俺が尋ねると、男は深くうなずいた。

「そうだ。日が暮れてからが本番だな。最初は2、3匹だったが、最近は10匹以上の群れで来やがる。怖くて見回りすらできんよ……」

「よし、じゃあ今夜は村に泊まりつつ、見張って奇襲をかけよう」
 俺の提案に、皆が即座に頷いた。


 山本村の集会所で、俺たちは村長の案内を受けながら作戦会議を開いた。

「畑の被害は村の南と西に集中しておりましてな。最近の被害は特に西側がひどい。そこに潜んでいれば、まず奴らに出くわすはずです」

「なるほど、西の畑に罠と待ち伏せを仕込むのがよさそうですね」
 有紗が地図を見ながら丁寧に答える。

「わ、私、畑に引かれた獣道のチェックしてきますっ」
 沙耶が元気よく立ち上がり、すぐさま動き出す。

 俺たちはそれぞれ準備に動き始めた。
 村の若者たちが罠作りを手伝ってくれ、簡易な落とし穴や木の柵が即席で設けられていく。

 純子は村の子どもに弓の構え方を教えていた。

「……こら、もっと肘を上げる。あんた、ちゃんと狙わないとだめでしょ?」
 言いながらも、その目はどこか優しい。

 明はと言えば、子供たちに囲まれて「ラビバグを一撃で倒すかっこいい構え」を披露しており、拍手と笑いが起きていた。

 こういう光景、嫌いじゃない。
 俺は剣の手入れに集中した。

 やがて日が落ち、空が紫から漆黒へと染まり始めた。

「全員、配置につけ!」
 俺の掛け声で、皆が動き出す。畑の陰、木の影、罠のすぐそばに潜み、それぞれが呼吸を整えた。

 そして――草を踏みしだく音。

 畑の奥、揺れる野菜の葉陰から、ぽんぽんと跳ねる影が現れる。
 丸くて、耳が長く、体毛がもふもふで一見かわいらしい。だがその額には鋭い角があり、目は血走っていた。

「来たっ……!」
 沙耶がささやく。

 次の瞬間、3体、4体……それ以上のラビバグが畑に飛び込み、葉をむしり、根を掘り返す。

 俺は小さく手を振って合図を送り――

「今だ!」

 明が真っ先に飛び出し、ラビバグの群れに突撃。叫びながらそのうちの一体に剣を叩き込む。

「ラビィイィィッ!!」
 甲高い鳴き声とともに、周囲のラビバグがいっせいにこちらを向いた。

「させない!」
 純子の矢が放たれ、跳びかかろうとした個体を空中で貫いた。

 有紗と沙耶も連携し、別方向から矢を射る。視界の悪い夜でも、彼女たちの放った矢は正確に獲物を捉えていく。

 俺も剣を抜き、俊敏に走り回りながら、一体ずつ確実に仕留めていく。
 俊敏で跳ね回るラビバグは手強いが俺のスピードは、そのスピードを大きく上回っている、仲間と連携を取りながら狩り続け、ラビバグは徐々に数を減らしていった。

 罠にかかった個体もいた。落とし穴に落ち、柵に引っかかって動けなくなったラビバグに、俺たちはとどめを刺していく。

「全員、生きてるな! あと3体だ、囲め!」
 明の号令に従い、俺たちは最後の群れを包囲した。

 戦いが終わった頃には、畑の周囲にはぐったりと倒れたラビバグの死体が30以上が並び、空には月が昇っていた。

 村人たちが恐る恐る近づいてくると、誰からともなく拍手が起こった。

「助かった……ほんとうに助かったよ!」

 老若男女が俺たちに深々と頭を下げてくる。

 俺たちは、しっかりと討伐数を確認しながら、朝一番でギルドに報告する準備を始めた――。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...