ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

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 神殿の奥へと進むたび、空気は重く、肌にまとわりつくような異様な圧力を増していく。

 壁に刻まれた魔導文字はより複雑に、天井の配線は蜘蛛の巣のように絡まりながら光を放ち、まるで「目覚め」を祝う儀式のような赤い明滅を始めていた。

「……だんだんやばい雰囲気になってきたね」
 沙耶が肩をすくめながら、それでも弓を握る手を緩めない。

「この密度の瘴気……ただの自律兵器の暴走じゃない。何か、もっと根源的な力が眠っている」
 ロメオが眉をひそめ、神経質に眼鏡を押し上げた。

「そんなこと言われてもなあ……俺たちは戦うしかないんだよ」
 明が火花を散らすような視線で前を睨む。

「無理に進んだら全滅もあるわ。慎重に行くよ」
 純子の声に、有紗もすぐに続いた。

「私が先に矢で罠を探ります。」

 そのとき――

「警戒モード起動。外部侵入者、制圧対象」

 無機質な声が響いた。同時に、通路の床がガクンと沈み、四方の壁が開く。そこから――

 無数の飛行型兵器が現れた。光の羽を持つような外見で、羽ばたくたびに魔力弾を生成する小型の攻撃ドローン。その数、ざっと20体以上。

「出たな……空戦型か! くそ、こっちの間合いに入らせないつもりか!」

 明が舌打ちしながら剣を構え、俺も瞬時に「完全見切り」を発動。目の前に魔力弾が迫る。

「避けろ! 一斉射来る!」

 矢継ぎ早に発射される魔力弾を、有紗と沙耶が側面から撃ち落とし、純子が中央を貫く。

「ロメオ、後ろ下がって!」

「了解、戦闘は任せる!」

 俺は最前列に躍り出て、防御魔法を展開。

「セイントシールド! セイントシールド! セイントシールド! セイントシールド! セイントシールド! セイントシールド!」 
 魔力弾の一斉射からメンバーを護りきる。

「フレイムジャベリン! フレイムジャベリン! フレイムジャベリン! フレイムジャベリン! フレイムジャベリン! フレイムジャベリン!」

 火炎の槍が飛行型を迎撃、一掃する。

「ナイスたっくん! でもまだ来る!」

「まだまだ余裕さ――俺に任せろ!」

「私たちも、セイントシールドで守られてるんだから反撃に加わるわよ!」

 純子の掛け声で、沙耶が躍動するように飛び出し、次々と矢を放つ。純子と有紗が続き、3人の連携で次々と敵を落としていく。

 最終的に、飛行型ドローンたちは一体残らず破壊された。

 静けさが戻る神殿の通路。全員が肩で息をする。

「……すごい。まさか、これだけの数の敵を……」
 ロメオが興奮気味に目を輝かせる。

 有紗がほっとしたように微笑む。
「でも……あの程度はまだ前座ってことよね。嫌になる」

 純子が矢を新しくつがえる。
「卓郎、矢の補充お願い」

 俺はお取り寄せでみんなの矢を補充した。

 そしてその時、神殿の奥から、再び轟音が響いた。まるで巨大な心臓が脈打つように、ドン……ドン……と空気が震える。

「……来るぞ。おそらく、〈中枢守護機〉」
 ロメオの言葉と同時に、前方の大扉がゆっくりと開かれていく。

 その先に――青白い魔力の奔流と、身の丈五メートルを超える巨大な存在が立ちはだかっていた。

「中枢守護機……コードネーム〈セラフィム・アーク〉」
 ロメオの声が震える。

 金属と魔力で構成された巨大な機兵。その背に展開した光の羽は、まさしく天使のような威容。だがその視線は冷たく、ただ命令のままに侵入者を排除しようとする、冷徹な殺戮兵器。

「……こいつが最終兵器か?」
 明が唇を吊り上げる。

「こいつには俺の全力をぶつけよう」
 ドラゴン戦の記憶がよみがえる。手を抜いて後悔なんかはしたくない。一気に畳み込んで、こいつに攻撃をする暇なんて与えないぞ。俺は絶対皆を護ると誓う。

 〈セラフィム・アーク〉――天使を模した魔導機兵が、六枚の光の翼を展開した。巨大な剣を構え、無数の魔力弾を空中に生成し始める。

「魔力障壁展開……攻撃モード、最大出力」

 無数の魔力弾が空を覆い、神殿の空間が白く染まり始めた。

 俺は一歩も退かずに前に出た。

「行くぞ」

 声と同時に俺は持てる剣技を出し始める。

「影走り! (一瞬で敵の背後に回り込んで斬撃を与える。回避と攻撃を兼ねたスピード技)」

 瞬間、空間が揺らぎ、俺の姿がかき消える。

 次の瞬間、〈セラフィム・アーク〉の背後に、突如として卓郎が現れ――

「斬ッ!」

 背面装甲に鋭い一撃を叩き込む。鋼鉄の外殻がひび割れ、機兵がよろめく。

「敵位置補足、反撃プログラム――」

「遅い!」

「斬光断ッ!」

 閃光と共に、横一線の斬撃が走った。剣から放たれた光刃が一直線に突き抜け、前方の腕部を切断する。

 ギャリッ――!

 破砕音が響き、セラフィムの右腕が飛ぶ。

「高速連続戦闘モード移行、撃破対象変更――」

 〈セラフィム・アーク〉が剣を振りかぶるが、その一歩前に、俺は剣を回転させた。

「断空輪!」

 ぐるりと旋回した剣から、弧を描く斬撃波が放たれる。衝撃波は空中で展開していた魔力弾を一掃し、胸部の装甲にも直撃。

 爆発。火花。警告音。

「……分析不能。挙動予測不能。警戒度、最大へ――」

 セラフィムが巨大な盾を展開し、全防御を構える。

 しかし――

「鋼壁斬(敵の防御・ガードを貫通する重斬。盾ごと両断する威力がある)……行くぞッ!!」

 ミスリルソードに雷光のようなエネルギーが集い、一閃。

 ガキィィィン!!

 巨大な盾が、斜めに――両断された。

「盾、破損。防御力、著しく低下。致命損傷、進行中……」

 神殿中枢が揺れるほどの衝撃と共に、セラフィムが膝をつく。

 俺は静かに息を吸った。

 仲間たちが息を呑む中、剣を高く構える。

「これで終わりだ。……全魔力、解放」

「――終天の一閃(一度きりの大技。全魔力を注いだ斬撃で、広範囲に絶大なダメージを与える必殺技級の技)」

 剣が光に包まれる。重さも、時間も、世界そのものが止まったかのような一瞬。

 振り下ろされた刃は、閃光となって空間を裂き、〈セラフィム・アーク〉を中心に、広範囲へと白い光の斬撃を広げた。

 爆音――轟音――閃光――

 光が収まったとき、神殿の床には巨大な裂け目が走り、セラフィムの巨体は完全に崩壊していた。

 跪く仲間たち。呆然としたロメオ。戦闘態勢を解けないまま、誰もが卓郎を見ていた。

「……終わった、な」

 俺は剣を下ろし振り向いた。


 
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