十魔王

nionea

文字の大きさ
35 / 55
荒野の王

6.

しおりを挟む
「ひぁ、はぁ、はぁ、んぅっ…あ、あぁ」
 どうしてこうなった、と自分に訴える冷静な自分が心の片隅に居る。だが、大凡の自分はまるでエロ動画のように喘ぎ声を上げて、冷静さなど微塵も無い興奮に身を任せていた。
 今、うつ伏せた状態の孝太のアヌスには青年が出入りしている。
「んぁ、っは、はぁっ、あんっ」
 薬の作用を終わりにしたいと青年に泣きついた結果。
 青年こそが、この城の主であり、荒野の王と呼ばれる存在だと知った。そして、その力を以てすればすぐにでも今自分の体から毒を排出しこの状態を終わらせられると聞いて、彼は望んだのだ。自分から、そうして欲しいと。
 ただし、その方法が体内に王の精子を取り込む事だと知ったのは、
「何でも、いいからどうにかしてくれ!」
と、叫んだ後だった。
 昨日浅いの湯船の時のように、仰臥位でまず確かめるように指で触れられる。
「っ!」
 恥ずかしさで枕に顔を埋めながらも、この状況が終わるならと孝太は耐えた。
「そう、力むな。ゆっくりと呼吸を続けろ」
 言葉にも従って、呼吸をしながら体から力を抜こうと頑張る。幸いと言っていいのか、薬の作用で体内から漏れ出る粘液の助けを借りていて、王の指が痛みを与える事はなかった。そのため、呼吸に意識を向ければ、何とか力を抜く事には成功する。
「上手だ」
 こんな事を褒められても、と思うが、今はされる事に身を任せる方が重要だと、呼吸を続ける。力を抜く事に意識を持って行かれつつも、丁寧に触る指が増え、次第に広げるようにされる内、本当にこれが早道なのだろうかと疑い始めた。だが、その疑問を口にするよりも先に王の声が聞こえる。
「大丈夫そうだな」
 じゃあ、もう終わりだろうか、そう思った次の瞬間。自分の中を押し広げるものに、孝太は意識の全てを持って行かれた。
「え…」
 力が抜けていて、更にはドロドロに濡れていたそこに押し入って来た指とは明らかに違うものを、身を捩って確認してしまう。
「…なんで」
「心配するな。そう時間はかからん」
「はい…?」
 痛みはない。だが、圧迫感と違和感ばかりはどうにもならない。孝太は膝を動かしてベッドの上へと逃れるように移動しようとした。
「こら。逃げるな。抜けてしまうだろうが」
 抜きたいんだよ、と叫ぶ事はできなかった。
「っ!」
 腰を押さえつけるようにされた挙句、ぐっと押し入れられ、息が詰まったためだ。
「なんっ…なに」
「心配するな。俺の精を注げば毒などすぐに浄化される」
「………………へ?」
 この時になってようやく孝太は己の愚行に気付いたが、もはやどうにもならない。
 男なのに処女消失ってなんでだ、と嘆く気持ちは王の腰が動き始めた途端に霧散した。
「まっ…ひっ、うぁ…」
 昨日の時点で自分がアヌスで快楽を得られる事は十分に解ってしまっている。だが、普通こんなに簡単にはいかない事を知識では知っている孝太はやや恐怖感が湧いた。毒とやらに体が反応していた昨日とは違い、今日はただ薬で物理的にどろどろになっているだけだ。今も、驚きと怖気で、勃っていたものがやや萎えている。
(待ってくれよ…)
 怯えて逃げようとうつ伏せになった孝太に、王は覆いかぶさるように体勢を変え、頭を撫で宥めるように声をかける。
「ほら、力を抜いて身を任せておけ。すぐに終わる」
「って…そんなん言われてもぉ………ふぁ…っん」
 言っている事は解るし、もう入ってしまったのならどうせ後戻りできないし、当初の目的通り全て終わりにしたい、でも怖い。混乱する頭で必死に状況を考えていたが、孝太は王の手が体の前に潜り込んで萎えかけたペニスに触れると、割とすぐにどうでもよくなってしまった。
 まだ解毒途中の催淫効果も手伝っていたのかもしれない。
「ひぅ…」
 前が反応を始めると、後も動き出す。
「うわっ、ちょいまって…どっちもされたら」
 癖になる。
 言葉にしかけて、ありえないと飲み込んで、それでもまだ鮮烈な記憶である昨日の事が思い起こされ、孝太は昨日のように自然と腰が揺れ始めた。
「ひっ…あぁ、やぁ…あ、あ、あっ」
 気付けば前に回されていた手がなくなっていたが、もうその頃には後からの刺激だけで喘いでいた。
(俺、これ、間違ってないか? 垂れ流してた方が、マシだったんじゃ…もう後戻りできなくなったらどうしよう?!)
 昨日よりも更に後からの刺激が気持ち良い様な気がして、孝太は怯える。もっとも、先ほどの怯えとは違い、体には何の影響も出ていないが。
「ひぁ、はぁ、はぁ、んぅっ…あ、あぁ」
 ドライオーガズムを覚えたらもう普通のセックスでは満足できなくなる。そんなネット上の煽り文句が頭を過っていった。
「ムリッ、だめだってぇ、はっあっ…まって…あっあっあぁ!」
 ベッドに押し付けたものから精を吐き出した事を理解するが、快楽は終わっていない。
「出るぞ」
「うぁ…?」
 半分溶けたような頭に、王の言葉が届き、腹の中から温かなものが広がっていく。
「…きもちぃ、かも」
 温泉に浸かって全身が温まっていく状態が、体の内側から起こっているようだった。全身を心地の良い温かさが包み、性的な気持ち良さとは異なる快さに、体から、くったりと力が抜ける。
「だめ…」
 その気持ちの良さは、王が出て行く事に思わず不満の声を上げるほど、孝太を骨抜きにした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

処理中です...