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第一章
13.家との決別
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翌日、彼の言う通り『挨拶』をしにアルマース家へと向かった。私からしてみれば自宅に帰ったというだけなのだけど。
「(全く別の家みたい)」
出された紅茶に口を付けながら、私はどこか他人事のようにそんなことを考えていた。
まず家に着いた時点できちんと使用人たちに出迎えられ、そのまま丁寧な態度で中まで通された。隣にアレクがいたので当然ではあるのだけど、今まで透明人間としか扱ってこられなかったので、彼らがここまで完璧な接客ができることをはじめて知ったのだ。腐っても公爵家の使用人なのだと今更ながらに思う。
ただ私が彼らを見るとみんな青褪めて、視線から逃げるように頭を下げるのはちょっとどうかと思うのだけど。おそらく私からの報復を恐れているのだろう。彼らから直接何かされたわけではない―使用人たちは、ただただジルニアからの虐めや両親からの冷遇を見て見ぬふりしていただけだ―ので、こちらから手を出すつもりはないんだけどね。
アレクは現在、お父様と婚約について話をまとめるため、別室にいる。私はアルマースの使用人数名と、万が一として護衛に付けてくれたクリゾベリル家の騎士2名と、客間で待っているところだ。少し前まで部屋で荷物をまとめていたのだけど、私物といえるものはほとんどなかったのですぐに終わってしまったのだ。
「(もしかしたらこの家を訪れるのもこれで最後かもしれないけど…こんなに何も思わないものなんだなぁ)」
前世を思い出した影響で純粋なディアリア・アルマースでなくなったとはいえ、一応この家で生まれ育った記憶はしっかり残っているのだけど。それはもう何も感じない。嫌な思い出が多すぎるせいだろうか。
アレクが帰ってきたら早くお暇しよう、ともう一口紅茶を啜ったところで、乱暴に扉が開かれる音がした。神経質な靴音だけで、そちらを振り向かなくてもそれが誰か分かってしまう。
「…お母様」
「ああ、ディアリア、戻ってくれて良かったわ」
ディアリア――今は私の実の母親でもある彼女は、無遠慮にこちらまで歩み寄ってくる。護衛たちが反応したが、それを手で制する。
「お前の方から、ジルは悪くないと言ってちょうだい。ずっと監視されているうえ、部屋に閉じ込められて…私はあの子の母親だっていうのに、会うこともできないのよ。繊細なあの子がどれだけ寂しい思いをしているか…」
母は目に涙を浮かべながら、私の手を握り締めてそう懇願した。ジルとはジルニアのことを指している。そういえば、母がジルニアのことをそう呼ぶのは何度も聞いたけど、私のことを愛称で呼んでくれたことってあったっけ。
護衛の人たちが、眉を吊り上げるのが見えた。
「お母様、私、お姉さまに殺されかけたんです」
頭では分かっている、無駄だと。でもそう口にしてしまうのは、私の中に残っている『この世界に生まれたディアリア』の心の影響だろうか。
「殺すだなんて…いつもの姉妹でのじゃれあいでしょう? 確かにあの子は優秀すぎるが故に加減ができないところがあるけれど、本気じゃなかったはずよ」
「言葉ではっきり言われましたよ?」
「それが本心だとは限らないでしょう? もう、この子ったら今日はどうしたのかしら。いつもみたいに許してあげれば良いだけじゃない」
ああ、そうだ。この人は、『こういう人』だった。
「お前があの子の役に立てる場面なんて滅多にないのよ? 意地を張らないで、助けてあげてちょうだい」
心の芯が冷えていく感じがする。こうなることなど分かっていたはずなのに、少しでも母が心配してくれることを――母が私に関心を向けてくれることを期待してしまったのは、子どもとしての本能なのだろう。もし私が前世の記憶を思い出していなければ、この場で泣いていたかもしれない。
「(…いや、泣かないか。きっと我慢したはずだ。いつものことだものって)」
そして彼女の言葉に頷いただろう。傷付いた素振りも見せず、感情のない顔で。
―――でももう、私は搾取されるだけだったディアリアじゃないんだ。
無意識に伏せていた顔を上げて、さらに彼女に握られている手を引き抜いた。正面から彼女の顔を見据えて、「ああ、この人ってこんな顔をしていたんだ」と今更なことを考えた。そして。
「絶対に嫌です」
思いっきり笑いかけてやる。おそらく見せたこともないような笑顔だ。
目の前の女性の瞳が思いきり見開かれる。
「………ああ、あの坊やに何か吹き込まれたのね? 素直なお前が、そんな意地悪なことを言うわけがないもの」
護衛たちが不愉快そうに顔を歪めた。当然だ、主のことを悪く言われているのだから。
そういえばアレクのことを『坊や』ってジルニアも呼んでいたっけ。彼女の影響だったのか。
「いいえ、全て私の意思です」
「嘘をおっしゃい! 正直に言いなさい、お母様はお前の味方だから!」
ヒステリックに叫ぶ彼女に、少しだけ面食らってしまった。
普段はもう少し言動に気を付ける人のはずなのだけど、ここまでなりふり構わない様子なのは珍しい。ジルニアの件でよほど追い詰められているようだ。
「お母様こそ嘘をおっしゃらないでください。あなたはいつだって、私ではなくジルニアの味方じゃないですか」
「…今日は本当にどうしたのよ。いつものお前は…」
「あなたの願いを聞いたでしょうね」
「だったら…!」
「でも今の私は、あなたの願いを受け入れるつもりはありません。今回、ジルニアは庇う余地のないくらいの悪さをしていますから」
このまま相手をし続けるのも鬱陶しい。そう思って、瞳も口も開けたままになっている女性の顔を睨んでから私は立ち上がった。
「私はもう、あなたたちの言いなりにはなりません。私がしたいようにします」
呆然と座り込んでいる彼女を置いて、私は扉に向かった。護衛たちだけ後ろを付いてくる。本当ならアルマースの使用人も来るべきだろうが、彼らも思考が追い付いていないのか立ち尽くしていた。
アルマース家の人間にとって、ディアリアの反抗はそれだけ衝撃的だったのだろう。
「ディア」
さっと前に出てくれた護衛が扉を開くと、目の前にはちょうど部屋に入ろうとしていたのだろうアレクがいた。驚いたように少しだけ目を丸くしている表情が年相応に見えて、思わず笑みが漏れた。
「アレク、お話は終わった?」
「ええ」
「じゃあ帰りましょ」
背後で母親だった人に名前を呼ばれたが、私は振り返らない。護衛が無言で扉を閉めてくれた。できる人だ。
「大丈夫でしたか?」
窓の外を流れる景色に視線を固定していたところ、向かい側から声がかけられた。そちらに目をやれば、アレクが心配そうな表情をしている。
今はクリゾベリルの邸に帰るため、アレクと馬車に乗っていた。アルマースの家を出てから無言だったので、不安にさせてしまったようだ。
「俺が外している間にアルマース公爵夫人が押しかけてきたと聞きました。ディアにとっては生まれ育った家ですし、きちんとお別れしたいかと思い気を遣ったつもりでしたが、余計だったかもしれませんね…すみません」
「そんなことないよ。この訪問は私にとっても必要なことだったと思っているから、むしろありがとう」
「そう、ですか?」
アレクは腑に落ちないという顔だ。
「………たとえ私が変わったとしても、両親とジルニアの態度が変わらないっていうのを実感して、少し疲れただけ」
母親は客間でのやり取り。そして父親は邸を後にする際、アレクの耳に入らないよう「クリゾベリルの弱みを握ってこい」と命令してきた。父が家を出る私に対してかけた言葉は、この一言のみだ。
そして。
「馬車に乗る時、私を睨みつけるジルニアと目が合ったの。殺気だっている、という表現がぴったりな目つきだった」
2階の一番端の窓。何故か、馬車に乗る直前の私はそこに吸い寄せられるように視線を向けた。ガラスの向こうにある、ギラギラと血走った姉の瞳が真っ先に目に入った。彼女の瞳が青いから、血走った様が余計に目立っていた。
「絶対に許さない」、そう声が聞こえてきそうな顔が脳裏に焼き付いて離れない。
「ディア」
いつの間にか隣に移動していたアレクが、私の肩を引いた。完全に油断していたため、そのまま彼の肩に寄りかかるような姿勢になってしまう。
「…急にどうしたの」
「疲れたなら眠ると良いですよ」
「今、別に眠くないよ」
すぐに体を起こそうとしたのだが、頭や肩に伝わる彼の体温が心地良いと思ってしまった。中途半端に浮かせた頭を、再び彼の肩に沈める。
ああ、人肌恋しいとはこういう感覚なのだろうか。全くもってらしくないのは自覚しつつ、与えられる優しさに甘えたくなってしまう。
「………眠くないはないんだけど、もう少し肩貸してくれると、嬉しい」
くす、と耳元で笑い声が聞こえた。
「良いですよ。あなたが望むなら、いつまででも」
「…ありがとう」
照れくささを隠すように、私は静かに目を閉じた。
「(全く別の家みたい)」
出された紅茶に口を付けながら、私はどこか他人事のようにそんなことを考えていた。
まず家に着いた時点できちんと使用人たちに出迎えられ、そのまま丁寧な態度で中まで通された。隣にアレクがいたので当然ではあるのだけど、今まで透明人間としか扱ってこられなかったので、彼らがここまで完璧な接客ができることをはじめて知ったのだ。腐っても公爵家の使用人なのだと今更ながらに思う。
ただ私が彼らを見るとみんな青褪めて、視線から逃げるように頭を下げるのはちょっとどうかと思うのだけど。おそらく私からの報復を恐れているのだろう。彼らから直接何かされたわけではない―使用人たちは、ただただジルニアからの虐めや両親からの冷遇を見て見ぬふりしていただけだ―ので、こちらから手を出すつもりはないんだけどね。
アレクは現在、お父様と婚約について話をまとめるため、別室にいる。私はアルマースの使用人数名と、万が一として護衛に付けてくれたクリゾベリル家の騎士2名と、客間で待っているところだ。少し前まで部屋で荷物をまとめていたのだけど、私物といえるものはほとんどなかったのですぐに終わってしまったのだ。
「(もしかしたらこの家を訪れるのもこれで最後かもしれないけど…こんなに何も思わないものなんだなぁ)」
前世を思い出した影響で純粋なディアリア・アルマースでなくなったとはいえ、一応この家で生まれ育った記憶はしっかり残っているのだけど。それはもう何も感じない。嫌な思い出が多すぎるせいだろうか。
アレクが帰ってきたら早くお暇しよう、ともう一口紅茶を啜ったところで、乱暴に扉が開かれる音がした。神経質な靴音だけで、そちらを振り向かなくてもそれが誰か分かってしまう。
「…お母様」
「ああ、ディアリア、戻ってくれて良かったわ」
ディアリア――今は私の実の母親でもある彼女は、無遠慮にこちらまで歩み寄ってくる。護衛たちが反応したが、それを手で制する。
「お前の方から、ジルは悪くないと言ってちょうだい。ずっと監視されているうえ、部屋に閉じ込められて…私はあの子の母親だっていうのに、会うこともできないのよ。繊細なあの子がどれだけ寂しい思いをしているか…」
母は目に涙を浮かべながら、私の手を握り締めてそう懇願した。ジルとはジルニアのことを指している。そういえば、母がジルニアのことをそう呼ぶのは何度も聞いたけど、私のことを愛称で呼んでくれたことってあったっけ。
護衛の人たちが、眉を吊り上げるのが見えた。
「お母様、私、お姉さまに殺されかけたんです」
頭では分かっている、無駄だと。でもそう口にしてしまうのは、私の中に残っている『この世界に生まれたディアリア』の心の影響だろうか。
「殺すだなんて…いつもの姉妹でのじゃれあいでしょう? 確かにあの子は優秀すぎるが故に加減ができないところがあるけれど、本気じゃなかったはずよ」
「言葉ではっきり言われましたよ?」
「それが本心だとは限らないでしょう? もう、この子ったら今日はどうしたのかしら。いつもみたいに許してあげれば良いだけじゃない」
ああ、そうだ。この人は、『こういう人』だった。
「お前があの子の役に立てる場面なんて滅多にないのよ? 意地を張らないで、助けてあげてちょうだい」
心の芯が冷えていく感じがする。こうなることなど分かっていたはずなのに、少しでも母が心配してくれることを――母が私に関心を向けてくれることを期待してしまったのは、子どもとしての本能なのだろう。もし私が前世の記憶を思い出していなければ、この場で泣いていたかもしれない。
「(…いや、泣かないか。きっと我慢したはずだ。いつものことだものって)」
そして彼女の言葉に頷いただろう。傷付いた素振りも見せず、感情のない顔で。
―――でももう、私は搾取されるだけだったディアリアじゃないんだ。
無意識に伏せていた顔を上げて、さらに彼女に握られている手を引き抜いた。正面から彼女の顔を見据えて、「ああ、この人ってこんな顔をしていたんだ」と今更なことを考えた。そして。
「絶対に嫌です」
思いっきり笑いかけてやる。おそらく見せたこともないような笑顔だ。
目の前の女性の瞳が思いきり見開かれる。
「………ああ、あの坊やに何か吹き込まれたのね? 素直なお前が、そんな意地悪なことを言うわけがないもの」
護衛たちが不愉快そうに顔を歪めた。当然だ、主のことを悪く言われているのだから。
そういえばアレクのことを『坊や』ってジルニアも呼んでいたっけ。彼女の影響だったのか。
「いいえ、全て私の意思です」
「嘘をおっしゃい! 正直に言いなさい、お母様はお前の味方だから!」
ヒステリックに叫ぶ彼女に、少しだけ面食らってしまった。
普段はもう少し言動に気を付ける人のはずなのだけど、ここまでなりふり構わない様子なのは珍しい。ジルニアの件でよほど追い詰められているようだ。
「お母様こそ嘘をおっしゃらないでください。あなたはいつだって、私ではなくジルニアの味方じゃないですか」
「…今日は本当にどうしたのよ。いつものお前は…」
「あなたの願いを聞いたでしょうね」
「だったら…!」
「でも今の私は、あなたの願いを受け入れるつもりはありません。今回、ジルニアは庇う余地のないくらいの悪さをしていますから」
このまま相手をし続けるのも鬱陶しい。そう思って、瞳も口も開けたままになっている女性の顔を睨んでから私は立ち上がった。
「私はもう、あなたたちの言いなりにはなりません。私がしたいようにします」
呆然と座り込んでいる彼女を置いて、私は扉に向かった。護衛たちだけ後ろを付いてくる。本当ならアルマースの使用人も来るべきだろうが、彼らも思考が追い付いていないのか立ち尽くしていた。
アルマース家の人間にとって、ディアリアの反抗はそれだけ衝撃的だったのだろう。
「ディア」
さっと前に出てくれた護衛が扉を開くと、目の前にはちょうど部屋に入ろうとしていたのだろうアレクがいた。驚いたように少しだけ目を丸くしている表情が年相応に見えて、思わず笑みが漏れた。
「アレク、お話は終わった?」
「ええ」
「じゃあ帰りましょ」
背後で母親だった人に名前を呼ばれたが、私は振り返らない。護衛が無言で扉を閉めてくれた。できる人だ。
「大丈夫でしたか?」
窓の外を流れる景色に視線を固定していたところ、向かい側から声がかけられた。そちらに目をやれば、アレクが心配そうな表情をしている。
今はクリゾベリルの邸に帰るため、アレクと馬車に乗っていた。アルマースの家を出てから無言だったので、不安にさせてしまったようだ。
「俺が外している間にアルマース公爵夫人が押しかけてきたと聞きました。ディアにとっては生まれ育った家ですし、きちんとお別れしたいかと思い気を遣ったつもりでしたが、余計だったかもしれませんね…すみません」
「そんなことないよ。この訪問は私にとっても必要なことだったと思っているから、むしろありがとう」
「そう、ですか?」
アレクは腑に落ちないという顔だ。
「………たとえ私が変わったとしても、両親とジルニアの態度が変わらないっていうのを実感して、少し疲れただけ」
母親は客間でのやり取り。そして父親は邸を後にする際、アレクの耳に入らないよう「クリゾベリルの弱みを握ってこい」と命令してきた。父が家を出る私に対してかけた言葉は、この一言のみだ。
そして。
「馬車に乗る時、私を睨みつけるジルニアと目が合ったの。殺気だっている、という表現がぴったりな目つきだった」
2階の一番端の窓。何故か、馬車に乗る直前の私はそこに吸い寄せられるように視線を向けた。ガラスの向こうにある、ギラギラと血走った姉の瞳が真っ先に目に入った。彼女の瞳が青いから、血走った様が余計に目立っていた。
「絶対に許さない」、そう声が聞こえてきそうな顔が脳裏に焼き付いて離れない。
「ディア」
いつの間にか隣に移動していたアレクが、私の肩を引いた。完全に油断していたため、そのまま彼の肩に寄りかかるような姿勢になってしまう。
「…急にどうしたの」
「疲れたなら眠ると良いですよ」
「今、別に眠くないよ」
すぐに体を起こそうとしたのだが、頭や肩に伝わる彼の体温が心地良いと思ってしまった。中途半端に浮かせた頭を、再び彼の肩に沈める。
ああ、人肌恋しいとはこういう感覚なのだろうか。全くもってらしくないのは自覚しつつ、与えられる優しさに甘えたくなってしまう。
「………眠くないはないんだけど、もう少し肩貸してくれると、嬉しい」
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