若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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疑問点

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「エミリア!いきなりあんな事してダメでしょう?」
「え~でも食べたかったし……ほら!食べよう?」
お店から離れてからそんな会話を始める。
けれどエミリアは、そんな事を
気にしていないのか 私達二人に一つずつ手渡してきた。
そう言われてしまうと断れないので、仕方なく受け取る。
そして、一口食べると、甘酸っぱい味が口に広がった。
「美味し~!」
「美味しい……あんな風に言っていたけれど、普通のリンゴね」
「うん、確かに美味しい。でも、なんで他の国には売らないだなんて決まっているんだろうか」
「やっぱり?ルークもそう思う?」
「ルークもと言うのならエミリアもか?」
「うん、だからこのリンゴを買ってみたの、それと、お店の人とお話もしたの」
「何か分かりましたか?」
「うん、この果物たちは王様に献上するために作られてるんだって、それで王様はこの国の物を他の国には売るなって言ってるらしいの」
「王様……と言う事は魔女がそう言ってるのね、どうしてかしら……」
魔女は一体何を考えて……そう思って悩んでいると、ルークが突然声を上げた。
それに、驚きつつ、どうかしたの?と聞いてみると、気になる事があると言って、話をしてくれた。
「魔女は魔法でこの国を操っているんじゃないかと思うんだ」
そう言って、ルークは説明を始めた。
魔女は、この国の物は他国に売るなと言った。
それは、この国の外に国民が出ていくのを恐れたからではないか。と。
もし、国民が外に出たら魔法が解け、この国が滅びるかもしれない。
だから、魔女は国民の流出を防ぐために、自国の商品を国外に出さなくしているのではないか。
「確かに……それなら納得がいきますが、何のためにそんな事を」
「それは俺も分からないが……」
「う~ん……色々分かったり分からなくなったり……頭がパンクしそうだよ~」
そう言いながらエミリアは、頭を抱えて悩んでいた。
何故、魔女はここまでして自分の国から出させたくないのか。
私は疑問に思いつつも、この場所を離れることにした。
「他に気になる所はある?」
「うーん……私は無いかなぁ……」
「俺も、大丈夫かな。少し考えたいこともあるし」
私達は特に気になるところは無かったので、エミリアに聞くと、もう大丈夫との事だったので、私達は宿へと戻る事にした。
そして、私達は部屋に戻ると早速、今日得た情報を元に話し合いをした。
まず、あの教会の事。
ぱっと見た感じは普通の大きな教会、といった感じだったけれど、あの人が多いのには何か理由があるんじゃないか、と私は思っている。
「教会……もしかして、魔女の魔法が解けない様にあそこで祈っているとか……?」
「ありえますね……」
「あの人だかりが出来ていたのはその為に……?」
私達は、それぞれ思った事を口に出すが、結局憶測の域を出ることは無かった。
けれど、一応頭の片隅に入れておくことにした。
「今日はこんなものだろうか?」
「そうですね……明日はお城の近くまで行ってみましょうか」
「だねー」
そうして、私達は明日の予定を決めると、お風呂に入って寝る事にした。
次の日、私達は朝食を済ませるとお城の近くの森まで向かう事にした。
お城の周りは相変わらず、木々に囲まれていて、周りは、しん……っとしていて静まり返っていた。
町の活気とは真逆の雰囲気に、少しの恐怖を感じながらも、先に進むことにした。
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