若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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招待状

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「はぁ…………」
もう何度目か分からないため息を付いて、机の上に並ぶ書類の山を見た。
ルカにはカッコつけてあんな事を言ったけれど、正直俺だけの力で何とか
なるような物ではないと言う事を強く実感していた。
「はぁ、この山を明日までにだなんて……上も人使いが荒いと言うか……」
そんな事を言っても、目の前の書類は減る訳も無く……
でも、やるしかない……そう思い気合を入れ直して仕事に取り掛かった。
*******
「何とか終わったか……」
あれから数時間……何とか明日までの書類たちを
片付けることが出来た。
こういう仕事も大切なのは分かっているが……本当は一秒でも早くアイツらの事を終わらせたいと思っているのが本心だ。
普段なら、こんな数の仕事が俺に回ってくる事はほとんど無い。
なら何故、今回こんな量の仕事が回ってきたのか……それは、大体予想が出来ている。
反聖女派の貴族共が俺達を困らせる為に 回してきたのだろう。
アイツらは、ルカの事……いや、聖女全体の事を良く思っていない。
それだけならまだ目を瞑っていられたが、あの出来事があったあの日から
アイツらは犯罪行為とも呼べるような事を次々と起こしている。
全く……本当に邪魔で面倒な奴らだ。
あの三人を連れてきたあの日も……聖女なんだからそれぐらい我慢しろだの、聖女なんかの為に無駄な金を使うんじゃないだの散々文句を言われた。
挙句の果てには、お前らが聖女を崇めるせいであんな事になるんだ!責任を取って聖女を追放しろだの……好き勝手言いやがって。
「……こんなこと考えてるってルカに知られたら嫌われるかもしれないな」
俺はそう言って苦笑いをした。
例え嫌われようが……ルカの邪魔をするような奴らは俺が絶対に許さない。
そんな事考えていたら、部屋の扉がノックされた。
一体誰だろう?と思い扉を開けると、そこには俺の秘書のメルが立っていた。
何かあったのか?と思いながら部屋に入るように言うと、いいえ、ここで大丈夫です。と言い俺に手紙を渡してきた。
「手紙……?一体誰から……」
「それでは私はここで……」
「あぁ、ありがとう」
一体誰からの手紙だろう?と宛名を確認すると、なんと手紙の差出人は
ルカからだった。
ルカからの手紙だなんて珍しい……そう思いながら手紙を開けると、中には綺麗に折られた紙が入っていた。
その紙を開いて読んでみると、そこには可愛らしい字で招待状と書かれていて。
どうやら、ルカ達がパーティを開くから俺にも来て欲しいと言う事らしい。
「パーティか……楽しそうだな」
ルカからお誘いの手紙を貰った俺は、すぐに返事を書いた。
俺の返事を受け取ったルカがどんな反応をするのか楽しみだなと思いながら。
「さて、パーティに行く為に俺も頑張らないとな」
ルカが俺に招待状をくれたのだから、精一杯楽しまないといけない。
その為には、今溜まっている事をすべて終わらせて、不安な事全部無くし、万全な状態でパーティに参加出来るようにしないといけない。
そう思った俺は、先程よりも気合を入れて書類に目を通し始めたのだった。
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