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学園編
屋上と先輩と
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放課後、九条院先輩と話をしようと生徒会室に顔を出したけれど
先輩の姿は見えなくて、世良先輩に聞くと、この時間なら屋上じゃないかな?
と言われたので、私は屋上に向かう事にした。屋上の扉を開けると、そこには夕陽を眺めている九条院先輩がいた。
その姿はとても幻想的でまるで一枚の絵のように美しかった。
「あの……九条院先輩……」
「あっ、小鳥遊さんか。どうしたの?」
「昨日の話の事なんですが、あかりにも話を聞いて欲しくて……」
「瀬名さんに……?」
「ダメでしょうか?」
「ううん、大丈夫だよ」
「ありがとうございます!」
私は深く頭を下げてお礼を言う。
そんな姿を見て九条院先輩はふっと笑った。
やっぱり綺麗な人だな……と思いながら、私は先輩と話を続けた。
先輩と過ごすようになって、色々分かったことが増えた。
先輩は、綺麗で、近寄りがたい。みたいに思われているけれど、話してみると
表情がコロコロと変わったり、冗談を言ってきたりと、皆が想像するような
人とは違った。こんな人がヒロインに酷い事をするなんて想像が付かないな。
「そろそろ、生徒会室に戻った方がいいんじゃない?」
「あっ!そうですね」
「うん、またね」
「はい、失礼します」
私はもう一度、先輩に深く頭を下げる。そして、私は屋上から出て
生徒会室に向かった。
生徒会室に入ると、あかりが私に向かって走ってきて
抱き着いてきた。
「大丈夫!?変な事されなかった!?」
「へ?いきなりどうしたの?」
「世良先輩に百は?って聞いたら九条院先輩の所に行ったって言ってたから……」
ああ、そういうことか。
あかりは、先輩がどういう人か分かっているから私の事を心配してくれている
んだろう。心配してくれてるのは嬉しいけど、流石に過保護すぎないかなって思う時もあるんだよね……
「先輩はそんな人じゃないから大丈夫だよ、それと朝の話だけどあかりも大丈夫だって」
「ほんと……!」
あかりは、ぱーっと明るい笑顔になって私の顔を見る。
あかりは、素直で可愛い子だ。あかりを見ていると自然と頬が緩む。
「ほら、二人ともイチャイチャしてないで
こっち来て手伝ってくれ」
そう言いながら、世良先輩は書類整理をしている手を止めてこちらを見ていた。
その横には、同じように仕事をしている玲央様の姿もあった。
玲央様に目を向けると、目が合ってドキッとする。
すると、彼は口角を上げて微笑んだ。
あぁ、やっぱりカッコいいな……
見惚れていたせいか、あかりに腕を引っ張られて我に返る。
気を取り直し、私達は黙々と作業を始めた。
それから数時間後、ようやく全ての作業が終わった。
時計を見ると、もう午後7時半を過ぎていた。
今日は金曜日だから、いつもより遅くまで残ってしまった。
「ちょっと遅くなっちゃったね……送っていくよ」
「いいんですか?」
「うん、女の子がこの時間に出歩くのは危ないからね」
玲央様はにっこりと笑って言った。
こういうさりげなく優しいところが玲央様の素敵なところで、私の
大好きなところ。
私は、その言葉に甘えて一緒に帰ることにした。
帰り道、私たちは他愛のない会話をしながら歩いて帰った。楽しい時間はあっという間に過ぎていって、気付けば家の前までたどり着いていた。
「じゃあ僕はこれで、気を付けて帰ってね」
「はい、ありがとうございました!」
「ううん、気にしないで」
そう言うと、玲央様は踵を返し来た道を戻って行った。
私は、玲央様の姿が見えなくなるまでずっとその後ろ姿を見送った。
先輩の姿は見えなくて、世良先輩に聞くと、この時間なら屋上じゃないかな?
と言われたので、私は屋上に向かう事にした。屋上の扉を開けると、そこには夕陽を眺めている九条院先輩がいた。
その姿はとても幻想的でまるで一枚の絵のように美しかった。
「あの……九条院先輩……」
「あっ、小鳥遊さんか。どうしたの?」
「昨日の話の事なんですが、あかりにも話を聞いて欲しくて……」
「瀬名さんに……?」
「ダメでしょうか?」
「ううん、大丈夫だよ」
「ありがとうございます!」
私は深く頭を下げてお礼を言う。
そんな姿を見て九条院先輩はふっと笑った。
やっぱり綺麗な人だな……と思いながら、私は先輩と話を続けた。
先輩と過ごすようになって、色々分かったことが増えた。
先輩は、綺麗で、近寄りがたい。みたいに思われているけれど、話してみると
表情がコロコロと変わったり、冗談を言ってきたりと、皆が想像するような
人とは違った。こんな人がヒロインに酷い事をするなんて想像が付かないな。
「そろそろ、生徒会室に戻った方がいいんじゃない?」
「あっ!そうですね」
「うん、またね」
「はい、失礼します」
私はもう一度、先輩に深く頭を下げる。そして、私は屋上から出て
生徒会室に向かった。
生徒会室に入ると、あかりが私に向かって走ってきて
抱き着いてきた。
「大丈夫!?変な事されなかった!?」
「へ?いきなりどうしたの?」
「世良先輩に百は?って聞いたら九条院先輩の所に行ったって言ってたから……」
ああ、そういうことか。
あかりは、先輩がどういう人か分かっているから私の事を心配してくれている
んだろう。心配してくれてるのは嬉しいけど、流石に過保護すぎないかなって思う時もあるんだよね……
「先輩はそんな人じゃないから大丈夫だよ、それと朝の話だけどあかりも大丈夫だって」
「ほんと……!」
あかりは、ぱーっと明るい笑顔になって私の顔を見る。
あかりは、素直で可愛い子だ。あかりを見ていると自然と頬が緩む。
「ほら、二人ともイチャイチャしてないで
こっち来て手伝ってくれ」
そう言いながら、世良先輩は書類整理をしている手を止めてこちらを見ていた。
その横には、同じように仕事をしている玲央様の姿もあった。
玲央様に目を向けると、目が合ってドキッとする。
すると、彼は口角を上げて微笑んだ。
あぁ、やっぱりカッコいいな……
見惚れていたせいか、あかりに腕を引っ張られて我に返る。
気を取り直し、私達は黙々と作業を始めた。
それから数時間後、ようやく全ての作業が終わった。
時計を見ると、もう午後7時半を過ぎていた。
今日は金曜日だから、いつもより遅くまで残ってしまった。
「ちょっと遅くなっちゃったね……送っていくよ」
「いいんですか?」
「うん、女の子がこの時間に出歩くのは危ないからね」
玲央様はにっこりと笑って言った。
こういうさりげなく優しいところが玲央様の素敵なところで、私の
大好きなところ。
私は、その言葉に甘えて一緒に帰ることにした。
帰り道、私たちは他愛のない会話をしながら歩いて帰った。楽しい時間はあっという間に過ぎていって、気付けば家の前までたどり着いていた。
「じゃあ僕はこれで、気を付けて帰ってね」
「はい、ありがとうございました!」
「ううん、気にしないで」
そう言うと、玲央様は踵を返し来た道を戻って行った。
私は、玲央様の姿が見えなくなるまでずっとその後ろ姿を見送った。
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