4 / 42
第1章 眠れるあいつの隠し事(基本壱輝目線)
3.High spec?
しおりを挟む
「~であるから、ここの公式は…」
黒板にするすると数字が書かれていく中、
俺は隣から聞こえてくる、規則正しい微かな寝息に意識をとられていた。
こいつ…ほとんど授業中寝てやがる…。
よく転入初日から寝れるものだ。
試しにシャーペンでつついてみたりしたが効果はない。
しかも、チャイムがなると起きるんだからやれやれだ。
「こいつテスト大丈夫なのかね…」
「意外と大丈夫だよ」
「!?」
さっきまで閉じていたはずの瞼が開いていて、
ばっちり視線が合う。
彩兎は欠伸をしながら起き上がった。
「…どうかした?」
「授業ぐらい真面目に聞けよ…」
「えー?やだよ。つまんないし」
「…」
なんでも卒なくこなせるハイスペックですかっ、くそ羨ましいわっ。
内心で悪態をつきつつ窓の外を見ると、
すっかり葉の落ちた枝が季節の終わりを告げていた。
「もうすぐ冬だね~。最近肌寒くなってきたし」
彩兎が、隣で寒さに震えるように両腕をさすった。
「最近ってお前まだきたばっかだし。
それにまだそこまで寒くないだろ…」
「えー?俺温暖な気候じゃないと生きていけないから。
10度下回るともう無理…」
「雪降ったらアウトじゃん…」
ここ、北海道の冬はマイナスなんて当たり前だ。
「カイロが必需品だね」
彩兎が呟いたのが合図だったかのように、授業終了のチャイムがなった。
黒板にするすると数字が書かれていく中、
俺は隣から聞こえてくる、規則正しい微かな寝息に意識をとられていた。
こいつ…ほとんど授業中寝てやがる…。
よく転入初日から寝れるものだ。
試しにシャーペンでつついてみたりしたが効果はない。
しかも、チャイムがなると起きるんだからやれやれだ。
「こいつテスト大丈夫なのかね…」
「意外と大丈夫だよ」
「!?」
さっきまで閉じていたはずの瞼が開いていて、
ばっちり視線が合う。
彩兎は欠伸をしながら起き上がった。
「…どうかした?」
「授業ぐらい真面目に聞けよ…」
「えー?やだよ。つまんないし」
「…」
なんでも卒なくこなせるハイスペックですかっ、くそ羨ましいわっ。
内心で悪態をつきつつ窓の外を見ると、
すっかり葉の落ちた枝が季節の終わりを告げていた。
「もうすぐ冬だね~。最近肌寒くなってきたし」
彩兎が、隣で寒さに震えるように両腕をさすった。
「最近ってお前まだきたばっかだし。
それにまだそこまで寒くないだろ…」
「えー?俺温暖な気候じゃないと生きていけないから。
10度下回るともう無理…」
「雪降ったらアウトじゃん…」
ここ、北海道の冬はマイナスなんて当たり前だ。
「カイロが必需品だね」
彩兎が呟いたのが合図だったかのように、授業終了のチャイムがなった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる