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第1章 眠れるあいつの隠し事(基本壱輝目線)
16.Lucky mug
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結局午後の授業を受ける気にもなれず、俺は保健室でサボることにした。
「…失礼します」
「お、壱輝か」
顔を上げると、保健医の木村さんと寮長の熊野さんがいた。
「熊野さん?どうしてここに?」
「木村先生が今から出張なんですよ。だから、僕が今日だけ代理で入ることになったんです」
熊野さんは、木村さんから借りた白衣を羽織いながら言った。
「それじゃあ、おれは行くね。熊野さんよろしく」
「はい。お気を付けて」
木村先生を見送ったあと、熊野さんは俺の方に向き直って言った。
「なにか…あった?」
熊野さんには、嘘をつけない。
抜けている様に見えて、勘が鋭い人だ。
熊野さんに見つめられると、心の奥底を覗かれている気分になる。
俺が何も言えずに黙って居ると、目の前のテーブルにマグカップが置かれた。
「コーヒー飲めたよね?よかったらどうぞ」
そう言って、熊野さんは俺の正面の椅子に座った。
「ありがとうございます」
湯気の立つマグカップを手に取る。
1口飲んで、マグカップを見つめていると、朝の占いを思い出した。
(今日のラッキーアイテム、マグカップだったな)
熊野さんは俺に問い詰めることもなく、ただ、そばにいてくれている。そんな気がした。
熊野さんの優しさと、保健室の独特な雰囲気が、そうさせたんだなと思った。
気づけば俺は、話し出していた。
「…失礼します」
「お、壱輝か」
顔を上げると、保健医の木村さんと寮長の熊野さんがいた。
「熊野さん?どうしてここに?」
「木村先生が今から出張なんですよ。だから、僕が今日だけ代理で入ることになったんです」
熊野さんは、木村さんから借りた白衣を羽織いながら言った。
「それじゃあ、おれは行くね。熊野さんよろしく」
「はい。お気を付けて」
木村先生を見送ったあと、熊野さんは俺の方に向き直って言った。
「なにか…あった?」
熊野さんには、嘘をつけない。
抜けている様に見えて、勘が鋭い人だ。
熊野さんに見つめられると、心の奥底を覗かれている気分になる。
俺が何も言えずに黙って居ると、目の前のテーブルにマグカップが置かれた。
「コーヒー飲めたよね?よかったらどうぞ」
そう言って、熊野さんは俺の正面の椅子に座った。
「ありがとうございます」
湯気の立つマグカップを手に取る。
1口飲んで、マグカップを見つめていると、朝の占いを思い出した。
(今日のラッキーアイテム、マグカップだったな)
熊野さんは俺に問い詰めることもなく、ただ、そばにいてくれている。そんな気がした。
熊野さんの優しさと、保健室の独特な雰囲気が、そうさせたんだなと思った。
気づけば俺は、話し出していた。
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