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1、0日目
しおりを挟む『エリート一家 皇家の面汚し』
生まれてから約18年、身内だけでなく見知らぬ人間からもそう罵られ続けてきた彼がひねくれ者に成長するのも無理はなかった。
「颯太。聞いているのか」
「……………」
「…まったく、これだから出来損ないは」
呆れたようにため息をつき、高校を卒業したばかりの実の弟…皇 颯太を小馬鹿にしたように見下ろすのは現在の皇家当主。
大企業の若き社長、天才投資家、社交界のプリンス…
様々な呼び名を持つ彼の名は皇 斗真。
今年で27歳になる斗真は歴代当主に勝る才能を待ち、先代である父親を含めた親戚一同に勧められ早々に跡を継いだ…いわゆる生まれながらの勝者だった。
そして颯太はそんな天才の兄と比較され続けた凡才の弟。
斗真とは逆に周囲から蔑まれ続け、社交界にも出ることなく世間から隠されるように全寮制の学校に通わされていた。
「はいはい、聞いてますよオニイサマ。…早々に縁切りしたいけど、世間体が悪いから俺が成人するまで待つって話だろ?」
「…お前はそれでいいのか?」
「は?嫌に決まってんだろ。成人なんて待たずにこんなクソみたいな家、今すぐにでも出て行きたい」
颯太は至極嫌そうな顔で斗真を睨みつける。
そんな颯太の態度に部屋にいた使用人達は眉をひそめたが、本人がそれを気にすることは無かった。
「この家を出てからどうするつもりだ?アテはあるのか?」
「そんなの、皇の当主様には関係ないだろ?縁さえ切っちまえばあとはそこら辺の野良犬と同じだからな。仮に問題を起こしても『アイツは赤の他人だから』で解決だ」
「……………」
不貞腐れたような颯太の態度に、今度は斗真も眉をひそめる。
しかしそれでも颯太はどこ吹く風。
グラスに注がれたミネラルウォーターを飲み、暇そうにスマホを操作する。
「…話はもう終わりか?じゃ、俺部屋に戻るから。色々やることあるし」
「颯太、待て」
「待たない。本当はアンタとこうやって話すのも嫌なんだからな」
『ま、それはお互い様か』と笑い、颯太は席を立つ。
しかし…
「…なるべく手荒な真似はしたくなかったのだが」
斗真が小さく呟いた瞬間、颯太の首筋に激しい衝撃が走る。
「っ、ぁ…!?」
それがスタンガンだと気付く間もなく、颯太は意識を失う。
実行犯である使用人はその体を支えると、斗真の方に向き直った。
「…これでよろしかったのですか?」
「あぁ。…例の部屋に連れて行け」
「かしこまりました」
使用人は颯太の体を抱き上げ、そのまま斗真の部屋を後にする。
実の弟を罠に嵌めた斗真は、ただ冷静な表情で使用人の背中を見つめていた。
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