フリー朗読台本

私なりの自由を求めて。

人の心には声がある。
その声を、素直に口から吐き出す事は、とても難しい。
だから人は、言葉を使って自分を偽る。
本当の心は泣いていても、本当の心は怒っていても。
無理に笑顔を作ってまで、言いたくもない言葉をずらりと並べて。
そうやって、私と言う人間ができあがる。
嘘をつくことだけが得意な人間が。

私はもう、心の声が聞こえない。
心の言葉もわからない。
まるで、本当に1人になったようだ。
もとから1人であったのに、さらに孤独を感じている。
けど、それでも私に不安はなくて。
1人で良いとさえ思っていて。
私はきっと、誰かがいるとダメなんだ。
そこに誰かがいたのなら、その誰かを傷つけることしかできないから。
その誰かのせいで、私が弱く成り得るから。
私は、そんな私を見たくはない。
だって、自分を見失ってしまうのが、1番怖いのだから。

私はこれから、孤独の中の自由を生きる。
そこに誰かがいなくても。
そこに私の心がいなくても。
私は1人だから。
1人にしか得られない自由を求めて、この空にある自由を見ながら歩き出す。

他の誰でもない、私のために。