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禁じられた恋
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「言えない。心配しないでって」
「それって……」
言えないような何かがあったという告白じゃないだろうか。新田も、光莉の内心に呼応するようにうなずく。
「足を滑らせたっていうのは嘘で、何かあるんじゃないかって、今でも思ってます」
「それも、基哉さんのいる前では話せないようなことが?」
ふたりはなんでも話し合える仲の良い兄妹に見えた。隠さなければいけないことがあるなら、何があるだろう。光莉が考え込むと、拓海が言う。
「千華さんが嘘をついてるかもしれないって、基哉さんはわかってるのかな」
「どうでしょうか。ただ、千華が基哉さんに知られたくないと思ってるなら、彼の恋人が関係してるかもしれないです」
光莉はとっさに拓海を見上げる。彼は素直に驚いていた。
「基哉さん、恋人がいるんだ?」
「今はいないと思います」
「前はいた?」
「千華から、別れたって聞いてます。もう、基哉さんは誰とも付き合う気はないみたいって、さみしそうでした」
「さみしそう……か。千華さんは基哉さんに恋人がいた方がいいって思ってるのかな」
光莉はそうつぶやく。千華は基哉に守られて生きてきた、と前山から聞いた。苦労続きの兄の幸せを願うのは自然なことだ。
「ご両親を亡くされてから、兄妹ふたりで頑張ってきたって聞きました。血がつながらないからこそ、お兄さんには家族を作ってほしいって思ってるのかも」
「それも、ご存知なんですね?」
そう言う新田も、それを知っているようだ。
「俺たちはたまたま知りました。ご苦労の多い兄妹だって。だから、普通の兄妹より結束も強そうですよね」
拓海がそう答える。
「基哉さんは千華を本当に大切に想ってると思います。千華は基哉さんが好きで、恋心を伝えたこともあります。それでも、兄妹だからって基哉さんはちゃんと一線を引いてくれてる、素晴らしいお兄さんだと、私は勝手に思ってて」
「千華さん……、そうなんですね」
千華の恋心は初耳だった。しかし、同時にお似合いだと思う。きっとそれは、彼らを知る誰もが思うほどに。
「私なんかは、血のつながりがないんだし、お付き合いしてもかまわないって思うんですけど。基哉さんは違うのかな。大切だからこそ付き合えないって思ってるのか、あまり途切れずに常に恋人がいる感じに見えました」
「基哉さんが恋人と別れたのは、いつ頃か知ってますか?」
「たぶん……、千華がケガをしたあとぐらいかと」
「じゃあ、千華さんがケガをしてから恋人はもういらないって思うようになった?」
畳み掛けるように問う拓海に、新田は誰にも相談できずにいた思いを吐露するように答える。
「はい。だから、もしかしたら、基哉さんの恋人が千華に何かしたんじゃないかって心配したんです。基哉さんが千華を女性としてどう思っているのかはわかりません。でも、妹に対する以上の想いで、千華を大切にしてるようには見えました。お付き合いしてる女性からしたら、千華は特別に見えただろうし、嫉妬しても不思議じゃないです」
「それって……」
言えないような何かがあったという告白じゃないだろうか。新田も、光莉の内心に呼応するようにうなずく。
「足を滑らせたっていうのは嘘で、何かあるんじゃないかって、今でも思ってます」
「それも、基哉さんのいる前では話せないようなことが?」
ふたりはなんでも話し合える仲の良い兄妹に見えた。隠さなければいけないことがあるなら、何があるだろう。光莉が考え込むと、拓海が言う。
「千華さんが嘘をついてるかもしれないって、基哉さんはわかってるのかな」
「どうでしょうか。ただ、千華が基哉さんに知られたくないと思ってるなら、彼の恋人が関係してるかもしれないです」
光莉はとっさに拓海を見上げる。彼は素直に驚いていた。
「基哉さん、恋人がいるんだ?」
「今はいないと思います」
「前はいた?」
「千華から、別れたって聞いてます。もう、基哉さんは誰とも付き合う気はないみたいって、さみしそうでした」
「さみしそう……か。千華さんは基哉さんに恋人がいた方がいいって思ってるのかな」
光莉はそうつぶやく。千華は基哉に守られて生きてきた、と前山から聞いた。苦労続きの兄の幸せを願うのは自然なことだ。
「ご両親を亡くされてから、兄妹ふたりで頑張ってきたって聞きました。血がつながらないからこそ、お兄さんには家族を作ってほしいって思ってるのかも」
「それも、ご存知なんですね?」
そう言う新田も、それを知っているようだ。
「俺たちはたまたま知りました。ご苦労の多い兄妹だって。だから、普通の兄妹より結束も強そうですよね」
拓海がそう答える。
「基哉さんは千華を本当に大切に想ってると思います。千華は基哉さんが好きで、恋心を伝えたこともあります。それでも、兄妹だからって基哉さんはちゃんと一線を引いてくれてる、素晴らしいお兄さんだと、私は勝手に思ってて」
「千華さん……、そうなんですね」
千華の恋心は初耳だった。しかし、同時にお似合いだと思う。きっとそれは、彼らを知る誰もが思うほどに。
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「じゃあ、千華さんがケガをしてから恋人はもういらないって思うようになった?」
畳み掛けるように問う拓海に、新田は誰にも相談できずにいた思いを吐露するように答える。
「はい。だから、もしかしたら、基哉さんの恋人が千華に何かしたんじゃないかって心配したんです。基哉さんが千華を女性としてどう思っているのかはわかりません。でも、妹に対する以上の想いで、千華を大切にしてるようには見えました。お付き合いしてる女性からしたら、千華は特別に見えただろうし、嫉妬しても不思議じゃないです」
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