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佐鳥姫の憂鬱 〜朝日を羨む夜の月〜
二番目の恋 7
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***
母の凡子は一番に愛した男とは結婚しなかったと言った。それでも母は今、幸せなのだと笑った。
好きな人を得るための努力は惜しまず、追い求めることが普通だと思っていた私の中に初めて生まれた戸惑いは、迷いだった。
「あれ? 華南」
市立図書館の二階にある多目的ホールのドアを開けると、入り口近くの席に座る青年が顔を上げ、きょとんとした。
「柚樹くんが来てるって深春に聞いたの。一緒にいいかしら?」
「えっ! も、もちろんっ」
柚樹くんは隣の席の椅子に乗せていたトートバッグをあわててどけて、私に席を譲る。多目的ホールにはまばらにしか人がいない。
「奥の方も席空いてるわ」
「本を借りに行きながら勉強するには、ここの方が便利なんだよ」
「毎日調べものしながら勉強してるの?」
そう尋ねると、なぜだか柚樹くんは前髪をくしゃりとつかんで苦笑いする。
「夜間瀬先生みたいになんでも知ってるわけじゃないからさ」
「先生の知識の幅は極端よ」
「でも、華南は尊敬してる」
「そんな風に見えるのね」
「わかるよ。見る人が見ればわかる。夜間瀬先生は性格に難ありだけどさ、やっぱり凄い人だとは思う」
「そうね。少しだらしのない人だとは思うわ」
「少し?」
柚樹くんは驚いたように目を見開いた後、心底おかしそうに歯を見せて笑いをかみ殺す。ここが図書館でなければ、声をあげて笑っていただろう。
「おかしなこと言ったかしら」
「来るもの拒まずって、俺は嫌だけどな」
「どういう意味?」
「先生がモテるのは認めるけどさ、学生に手を出すのはどうかと思うよ」
夜間瀬先生のそんな話を聞くと落ち込む。
「誰でもいいわけじゃないと思うわ。……それに、断れないだけよ」
「華南は断られた?」
柚樹くんは首を傾けて私の顔を覗き込む。明るめの茶髪が揺れて、前髪のかかる瞳には嘲笑めいた笑みが浮かぶ。
「華南の気持ちは丸わかりだよ。それでも先生が何もしないなら、華南はある意味特別なんだ」
「特別……?」
「どうしてもダメな相手ってこと」
柚樹くんの言葉は的を射ている気がした。
「……どうしてダメなのか、わからないわ」
「俺も理解できないね」
吐き捨てるように言った柚樹くんは、ノートに視線を落としてシャープペンシルの芯をカチカチと出しては引っ込めた。
「私、何か間違えているのかしら……」
ぽつりとつぶやいてみるが、柚樹くんは何も言わない。
「私ね、昨日まで自宅にいたの」
そう言うと、彼は急に何を言い出すのだろうと不思議そうに私を見る。
「母からいろんな話を聞いてきたの。私、先生を好きでいるのは間違ってるのかもしれないって思って」
「好きな気持ちに間違いなんてあるの?」
「母は好きじゃない人と結婚したの」
「好きじゃない人に望まれて仕方なくってこと?」
柚樹くんは私の言葉の先にある意図がつかめなさそうに眉を寄せる。
「一番好きな人とでなくても、幸せにはなれるみたい……」
「一番好きな人はダメだったから、二番目に好きな人と結婚したってことかな」
「二番目……?」
「そういうことはあるんじゃないかな? 俺は別に二番目でもかまわないし。好きな女の子が少しでも俺に気持ちを向けてくれるなら」
「柚樹くんは母の気持ちがわかるの?」
意外だったからそう尋ねると、彼はわずかに笑って首を横にふる。
「違う。どっちか言うと、華南のお父さんの気持ちがわかるよ。もし、華南が二番目の男でも幸せになれるって気づいたら、その時にお母さんの気持ちがわかるんじゃないかな」
「好きでもない人と付き合うってこと?」
「最初はそうでも、付き合ううちに、一緒にいて居心地のいい相手になることもあるんじゃないかな」
「それが二番目の恋?」
でもそれは、と思う。私が信じて疑わなかった恋の仕方とは違う。だから迷う。
「結婚とか、そういうのは好きだから出来るってものでもないかもしれないね」
「母もそう言ってたわ」
柚樹くんは優しく微笑んでうなずく。
「じゃあ、それが答えなんだよ。華南が先生を好きなのは間違いじゃないけど、二番目の男に気づいてないだけなんだ」
「好きな人がいながら別の人を好きになるなんて……」
「俺はそれでもかまわないよ」
「柚樹くん?」
どういう意味だろう。彼は望んで二番目の恋をしたいのだろうか。
「ごめん。本借りてくるよ。華南も来る?」
突然そう言って椅子から立ち上がる彼は、何度も髪をかきあげる。なぜだかほんのりとほおが赤らんでいく。
「あ、そうね。私も借りたい本があるの」
手で顔を仰ぐ柚樹くんと一緒に多目的ホールを出る。
専門書のコーナーは多目的ホール隣の第二図書室にある。確かに何度も行き来するなら、柚樹くんの選んだ席は便利な場所だ。
第二図書室はもともと利用者が少なく、誰もいないようだった。薬学のコーナーへ進む柚樹くんについていく。彼はすぐにお目当ての本を見つけて立ち読みを始める。
私も借りたい本を書いたメモ用紙をポシェットから取り出して、本棚を見上げる。
「華南、一番上のこれ?」
つま先立ちして本を取ろうとした時、それに気づいた柚樹くんが軽々と本に手を伸ばす。
「ええ、そう。ありがとう」
差し出された本に両手を添えると、彼は一歩前へ歩んで距離を詰めてくる。
「華南は誰かと付き合ったことある?」
え?と顔をあげると、柚樹くんの顔は目の前だった。ほんの少し驚いて下がろうとすると、彼の腕が背中に回ってきてそれは阻まれた。
「……あの、ないわ」
さらに近づく彼を押そうとするが、そのまま抱き寄せられて、耳が彼の胸に押し当たる。とくんとくんと規則正しい心音は、次第に間隔が狭まり騒がしくなっていく。
「夜間瀬先生のことは気にしてない。先生より秀でたところなんて俺には一つもないし……」
自虐的に笑う彼の息が私の髪を揺らす。
「華南は……、俺とこうしてるの、嫌?」
すぐには返答ができない。夜間瀬先生に抱きしめてもらう時の気持ちは、柚樹くんに触れているのとはまた違う感覚だ。
「……わからないわ」
柚樹くんは深春の友人で、私にとっては同じ大学の同期でしかない。そう思っていたけれど、お互いに切磋琢磨する中で生まれていた感情は、一概に彼を拒んではいない。
「それは期待できるって思っていいのかな。先生がダメだから俺でもいいよ。本気で好きだと、なりふりかまわずって気持ちにもなるから」
「柚樹くんは……、私が好きなの?」
「今頃気づいた?」
そう言って柚樹くんは笑うと私を解放した。不意になくなるぬくもりを愛しいとは思えなかったけれど、拒絶したいぐらい嫌なものでもなかった。
母はこんな気持ちで父と結婚したのだろうか。そして、父に抱かれた。
「付き合って欲しいって思ってる」
うなずいたら、私も柚樹くんに抱かれるのだろうか。そうして得るのは、愛と幸せなのだろうか。
「……好きじゃない人と付き合うなんて、考えたことがないの。好きな人は努力したら振り向いてくれるって思ってたから」
「華南ならそれも叶えられそうだけど、そうじゃない人なんてたくさんいるよ。先生にだって好きな女性がいるかもしれない。全部が全部叶う恋だなんてことはないよ」
そんな仮定の話、考えたこともなかった。
「先生に好きな人……」
「遊び人だから、そんな人いないって高くくってた? 好きな人がいるからこそ、好意を寄せてくる女の子に本気になれないってこともあるかもしれない」
柚樹くんの話を聞いて、そうかもしれないと思う私がいた。先生は私を好きになれないんじゃなくて、本気で好きな人がいるから受け入れられないのかもしれない。
母の凡子は一番に愛した男とは結婚しなかったと言った。それでも母は今、幸せなのだと笑った。
好きな人を得るための努力は惜しまず、追い求めることが普通だと思っていた私の中に初めて生まれた戸惑いは、迷いだった。
「あれ? 華南」
市立図書館の二階にある多目的ホールのドアを開けると、入り口近くの席に座る青年が顔を上げ、きょとんとした。
「柚樹くんが来てるって深春に聞いたの。一緒にいいかしら?」
「えっ! も、もちろんっ」
柚樹くんは隣の席の椅子に乗せていたトートバッグをあわててどけて、私に席を譲る。多目的ホールにはまばらにしか人がいない。
「奥の方も席空いてるわ」
「本を借りに行きながら勉強するには、ここの方が便利なんだよ」
「毎日調べものしながら勉強してるの?」
そう尋ねると、なぜだか柚樹くんは前髪をくしゃりとつかんで苦笑いする。
「夜間瀬先生みたいになんでも知ってるわけじゃないからさ」
「先生の知識の幅は極端よ」
「でも、華南は尊敬してる」
「そんな風に見えるのね」
「わかるよ。見る人が見ればわかる。夜間瀬先生は性格に難ありだけどさ、やっぱり凄い人だとは思う」
「そうね。少しだらしのない人だとは思うわ」
「少し?」
柚樹くんは驚いたように目を見開いた後、心底おかしそうに歯を見せて笑いをかみ殺す。ここが図書館でなければ、声をあげて笑っていただろう。
「おかしなこと言ったかしら」
「来るもの拒まずって、俺は嫌だけどな」
「どういう意味?」
「先生がモテるのは認めるけどさ、学生に手を出すのはどうかと思うよ」
夜間瀬先生のそんな話を聞くと落ち込む。
「誰でもいいわけじゃないと思うわ。……それに、断れないだけよ」
「華南は断られた?」
柚樹くんは首を傾けて私の顔を覗き込む。明るめの茶髪が揺れて、前髪のかかる瞳には嘲笑めいた笑みが浮かぶ。
「華南の気持ちは丸わかりだよ。それでも先生が何もしないなら、華南はある意味特別なんだ」
「特別……?」
「どうしてもダメな相手ってこと」
柚樹くんの言葉は的を射ている気がした。
「……どうしてダメなのか、わからないわ」
「俺も理解できないね」
吐き捨てるように言った柚樹くんは、ノートに視線を落としてシャープペンシルの芯をカチカチと出しては引っ込めた。
「私、何か間違えているのかしら……」
ぽつりとつぶやいてみるが、柚樹くんは何も言わない。
「私ね、昨日まで自宅にいたの」
そう言うと、彼は急に何を言い出すのだろうと不思議そうに私を見る。
「母からいろんな話を聞いてきたの。私、先生を好きでいるのは間違ってるのかもしれないって思って」
「好きな気持ちに間違いなんてあるの?」
「母は好きじゃない人と結婚したの」
「好きじゃない人に望まれて仕方なくってこと?」
柚樹くんは私の言葉の先にある意図がつかめなさそうに眉を寄せる。
「一番好きな人とでなくても、幸せにはなれるみたい……」
「一番好きな人はダメだったから、二番目に好きな人と結婚したってことかな」
「二番目……?」
「そういうことはあるんじゃないかな? 俺は別に二番目でもかまわないし。好きな女の子が少しでも俺に気持ちを向けてくれるなら」
「柚樹くんは母の気持ちがわかるの?」
意外だったからそう尋ねると、彼はわずかに笑って首を横にふる。
「違う。どっちか言うと、華南のお父さんの気持ちがわかるよ。もし、華南が二番目の男でも幸せになれるって気づいたら、その時にお母さんの気持ちがわかるんじゃないかな」
「好きでもない人と付き合うってこと?」
「最初はそうでも、付き合ううちに、一緒にいて居心地のいい相手になることもあるんじゃないかな」
「それが二番目の恋?」
でもそれは、と思う。私が信じて疑わなかった恋の仕方とは違う。だから迷う。
「結婚とか、そういうのは好きだから出来るってものでもないかもしれないね」
「母もそう言ってたわ」
柚樹くんは優しく微笑んでうなずく。
「じゃあ、それが答えなんだよ。華南が先生を好きなのは間違いじゃないけど、二番目の男に気づいてないだけなんだ」
「好きな人がいながら別の人を好きになるなんて……」
「俺はそれでもかまわないよ」
「柚樹くん?」
どういう意味だろう。彼は望んで二番目の恋をしたいのだろうか。
「ごめん。本借りてくるよ。華南も来る?」
突然そう言って椅子から立ち上がる彼は、何度も髪をかきあげる。なぜだかほんのりとほおが赤らんでいく。
「あ、そうね。私も借りたい本があるの」
手で顔を仰ぐ柚樹くんと一緒に多目的ホールを出る。
専門書のコーナーは多目的ホール隣の第二図書室にある。確かに何度も行き来するなら、柚樹くんの選んだ席は便利な場所だ。
第二図書室はもともと利用者が少なく、誰もいないようだった。薬学のコーナーへ進む柚樹くんについていく。彼はすぐにお目当ての本を見つけて立ち読みを始める。
私も借りたい本を書いたメモ用紙をポシェットから取り出して、本棚を見上げる。
「華南、一番上のこれ?」
つま先立ちして本を取ろうとした時、それに気づいた柚樹くんが軽々と本に手を伸ばす。
「ええ、そう。ありがとう」
差し出された本に両手を添えると、彼は一歩前へ歩んで距離を詰めてくる。
「華南は誰かと付き合ったことある?」
え?と顔をあげると、柚樹くんの顔は目の前だった。ほんの少し驚いて下がろうとすると、彼の腕が背中に回ってきてそれは阻まれた。
「……あの、ないわ」
さらに近づく彼を押そうとするが、そのまま抱き寄せられて、耳が彼の胸に押し当たる。とくんとくんと規則正しい心音は、次第に間隔が狭まり騒がしくなっていく。
「夜間瀬先生のことは気にしてない。先生より秀でたところなんて俺には一つもないし……」
自虐的に笑う彼の息が私の髪を揺らす。
「華南は……、俺とこうしてるの、嫌?」
すぐには返答ができない。夜間瀬先生に抱きしめてもらう時の気持ちは、柚樹くんに触れているのとはまた違う感覚だ。
「……わからないわ」
柚樹くんは深春の友人で、私にとっては同じ大学の同期でしかない。そう思っていたけれど、お互いに切磋琢磨する中で生まれていた感情は、一概に彼を拒んではいない。
「それは期待できるって思っていいのかな。先生がダメだから俺でもいいよ。本気で好きだと、なりふりかまわずって気持ちにもなるから」
「柚樹くんは……、私が好きなの?」
「今頃気づいた?」
そう言って柚樹くんは笑うと私を解放した。不意になくなるぬくもりを愛しいとは思えなかったけれど、拒絶したいぐらい嫌なものでもなかった。
母はこんな気持ちで父と結婚したのだろうか。そして、父に抱かれた。
「付き合って欲しいって思ってる」
うなずいたら、私も柚樹くんに抱かれるのだろうか。そうして得るのは、愛と幸せなのだろうか。
「……好きじゃない人と付き合うなんて、考えたことがないの。好きな人は努力したら振り向いてくれるって思ってたから」
「華南ならそれも叶えられそうだけど、そうじゃない人なんてたくさんいるよ。先生にだって好きな女性がいるかもしれない。全部が全部叶う恋だなんてことはないよ」
そんな仮定の話、考えたこともなかった。
「先生に好きな人……」
「遊び人だから、そんな人いないって高くくってた? 好きな人がいるからこそ、好意を寄せてくる女の子に本気になれないってこともあるかもしれない」
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