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佐鳥姫の憂鬱 〜貞華の愛した幻の桜〜
幻惑の桜 4
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「佐鳥くん、先に部屋で待っていなさい」
マンションの前で車から私を降ろした先生は、そう言って駐車場へと向かった。
日曜日の昼過ぎでも、家族住まいの部屋もあるだろうが、マンションは静かだ。
階段で二階へあがり、いつものように一番奥の部屋へ向かう。
合鍵をバッグから取り出して、鍵穴に差し込む。カチャリと音を立てて開くドアの奥は、御簾路へ行く前と何ら変わりがない。
一つ変わったとすれば、窓際にあるテーブルに、虞美人草の鉢がないことぐらいか。それでも以前もそれはなかったのだから、私と夜間瀬先生が出会った頃のまま。
留守にしている間によどんだ空気を入れ替えようと、リビングの窓を開けて、右手にあるドアへ目を向ける。そのドアの先にはベッドルームがある。
誰もいないとわかっているのに、ドアをノックしてからそっと開く。
ベッドと本棚があるだけの殺風景な部屋だ。ベランダに続く窓を開けようとすると、後ろから伸びてきた手にそれは阻まれる。
夜間瀬先生の大きな手とすぐにわかり、安堵しながら振り返ると、優しいキスが降ってくる。
「珍しいね、君がベッドルームにいるなんて」
「窓を開けたくて」
「必要はないよ。君の可愛らしい声を外へ漏らすなんてもったいないことはしない」
「先生……?」
先生の腕が私を抱きしめる。その居心地の良さにまぶたを落とすと、彼は耳元でそっと囁いた。
「君さえ良ければ、今すぐにでも」
「正気ですか……?」
私の口をついて出た言葉はそれだった。
「いくら吉継の意思でも、望まないことはしたりしないよ」
「まだ先生の中に吉継様が?」
「いや。昨日も今も、君に触れたいと思ったのは俺の意思だと言ったつもりだったんだが」
「先生が望むなら私は……」
「抱かれてもいい?」
小さくうなずくと同時に唇が重なった。しっとりと何度も角度を変えて合わさる唇の隙間から漏れる吐息が気恥ずかしい。
セーターの中へと、先生の手がもぐり込んでくる。
「せ……、先生、待って……」
先生の腕をつかむ。
「待つ必要があるか?」
「だって……」
「君は長い前戯がお好みか? 残念だが、今は我慢ならなくてね」
「私も先生が欲しいです。でも……」
「君の不安は繋がるまでのものだ。力を抜いて……」
優しく私を抱きしめ、首すじに顔をうずめたい先生は甘い息をつく。
私のぬくもりに癒されているような仕草に胸は高鳴る。
これから起きようとすることに対する戸惑いは大きいのに、求められることはやはり喜びだ。それでも先生の心の声が聞こえないから不安にもなる。
なぜ私を抱く気になったの……?
脳裏に浮かぶ言葉は声にならない。
「佐鳥くん、後悔はさせない」
華南って、呼んで欲しい。
そう思って、先生の背中を抱きしめた時、彼の胸につけた耳に届く声に驚く。
『華南……、君に触れたい』
「先生……?」
「身体をつながなければ、この関係は潔白だろうか」
先生は薄く笑って、私のこめかみにキスをする。
『なんて君は可愛いんだ。卒業まで待つなんて出来そうにない』
「先生、先生、声が……」
「声?」
不思議そうに先生が私の顔を覗き込んだ途端、ひと筋の涙がこぼれ落ちる。
「佐鳥くん……、どうした。怖がらせたか?」
離れようとする先生の手を握りしめる。
「違うんです。違うんです、先生。私、嬉しくて。先生の声が聞こえるから嬉しくて……」
「声が……?」
彼は絶句するが、すぐに柔らかく微笑んで優しいキスをする。
「俺は、なんて?」
両手で顔を覆うが、そっとはがされれば彼と目が合う。
「私のこと、華南って……」
「それだけ? 華南と呼んだだけで、君は泣くのか」
「だってほんとに嬉しくて……」
たくさんの喜びが私に押し寄せる。先生の心が聞こえるのは、彼の心が癒された証拠。次から次へと嵐のように降ってくる先生の心の声が鳴り止まない。
「まだ聞こえてるか?」
「ずっと……」
「なんて?」
「そんなの、口にできません……」
両手で顔を覆えば、彼は小さく笑う。
「そう。言えないようなことを俺は考えてるのか。まあ、そうだな。さっきから君のことしか考えられなくてね。なんて言ったらいいのか……」
「言わなくてもわかります……」
恥ずかしさでほおが紅潮する。
「君はずるいね。俺は何も聞こえないのに。君の心の中が少しでも覗けたらいいのに」
「私の心を知りたいですか……?」
「もちろん、君が好きでたまらないから知りたいね。少しぐらい聞かせて欲しいよ」
ほんの少し拗ねるような先生が可愛らしい。両腕を伸ばして先生を抱きしめる。
「好きです……」
「俺もだ。君には丸聞こえなのかもしれないが、好きで仕方ないよ」
「せんせ……」
「ずっと秘密にしておきたい。華南の可愛さが誰かに知られるなんて考えたくもない」
「先生、華南って……」
「佐鳥くんの方がしっくりくる?」
「華南がいいです……」
私が先生の胸に顔をうずめて、か細い声でそう願うと、彼の心はそっと笑った。
それは黒い心でもなんでもない、穏やかで形のない、淡く光る透き通る心だった。
「先生の心はとても、綺麗です」
そう言うと、彼は「ああそうだ」とつぶやく。
「少し気になることがあるんだった」
「気になるって?」
「華南、お風呂に入ろう。面白いものがある」
好奇心に満ちた目をして、先生は私の手を引く。
「えっ、お風呂?」
彼は何も答えないが、ひどく嬉しそうに弾む心の声だけが聞こえてくる。
バスルームのドアを開いた彼は、バスタブのふちに置かれた瓶を持ち上げた。
「先生、それは……」
「そう、桜だよ。瓶の中には御簾路の空気が入ってるから消えずに残っているのかもしれない」
佐鳥家で咲いた桜の花びらは御簾路を出た途端に消えたのに、先生の握る手の中にはまだその姿をとどめている。
「でも、開いたら消えてしまうかも」
「それはそれで趣がある」
夜間瀬先生は面白そうにほおを緩めて、瓶の蓋を開く。そして瓶を傾けると、桜の花びらはひらひらと舞ってバスタブの中に浮かんでは消えていく。
「さあ、入ってみるかい? 明日はもっと君の肌が艶めいているだろう」
「……効果がなくても知りません」
「そうだったとしても君は綺麗だからかまわないよ」
そう言って、先生は急に口をつぐむ。
「先生?」
「聞こえなかったかい?」
『キスだけでは満足できない』
不意に聞こえる声に戸惑う。
私だって、先生に抱かれたくないわけじゃない。でも、一線を越えたら、生徒と先生という立場の私たちがどうなるのかは想像がつく。
「……いつも聞こえてるわけじゃありません」
そっぽを向けば、夜間瀬先生はひどく楽しげに肩を揺らして笑い、私を後ろから抱き寄せる。
「じゃあ大切なことは言葉にしないといけないね」
先生はそう言って、私の瞳を覗き込む。
「君が卒業したらすぐに結婚しよう。それまでは君の憂鬱に付き合うとしようか」
【佐鳥姫の憂鬱 ~貞華の愛した幻の桜~ 完】
「佐鳥くん、先に部屋で待っていなさい」
マンションの前で車から私を降ろした先生は、そう言って駐車場へと向かった。
日曜日の昼過ぎでも、家族住まいの部屋もあるだろうが、マンションは静かだ。
階段で二階へあがり、いつものように一番奥の部屋へ向かう。
合鍵をバッグから取り出して、鍵穴に差し込む。カチャリと音を立てて開くドアの奥は、御簾路へ行く前と何ら変わりがない。
一つ変わったとすれば、窓際にあるテーブルに、虞美人草の鉢がないことぐらいか。それでも以前もそれはなかったのだから、私と夜間瀬先生が出会った頃のまま。
留守にしている間によどんだ空気を入れ替えようと、リビングの窓を開けて、右手にあるドアへ目を向ける。そのドアの先にはベッドルームがある。
誰もいないとわかっているのに、ドアをノックしてからそっと開く。
ベッドと本棚があるだけの殺風景な部屋だ。ベランダに続く窓を開けようとすると、後ろから伸びてきた手にそれは阻まれる。
夜間瀬先生の大きな手とすぐにわかり、安堵しながら振り返ると、優しいキスが降ってくる。
「珍しいね、君がベッドルームにいるなんて」
「窓を開けたくて」
「必要はないよ。君の可愛らしい声を外へ漏らすなんてもったいないことはしない」
「先生……?」
先生の腕が私を抱きしめる。その居心地の良さにまぶたを落とすと、彼は耳元でそっと囁いた。
「君さえ良ければ、今すぐにでも」
「正気ですか……?」
私の口をついて出た言葉はそれだった。
「いくら吉継の意思でも、望まないことはしたりしないよ」
「まだ先生の中に吉継様が?」
「いや。昨日も今も、君に触れたいと思ったのは俺の意思だと言ったつもりだったんだが」
「先生が望むなら私は……」
「抱かれてもいい?」
小さくうなずくと同時に唇が重なった。しっとりと何度も角度を変えて合わさる唇の隙間から漏れる吐息が気恥ずかしい。
セーターの中へと、先生の手がもぐり込んでくる。
「せ……、先生、待って……」
先生の腕をつかむ。
「待つ必要があるか?」
「だって……」
「君は長い前戯がお好みか? 残念だが、今は我慢ならなくてね」
「私も先生が欲しいです。でも……」
「君の不安は繋がるまでのものだ。力を抜いて……」
優しく私を抱きしめ、首すじに顔をうずめたい先生は甘い息をつく。
私のぬくもりに癒されているような仕草に胸は高鳴る。
これから起きようとすることに対する戸惑いは大きいのに、求められることはやはり喜びだ。それでも先生の心の声が聞こえないから不安にもなる。
なぜ私を抱く気になったの……?
脳裏に浮かぶ言葉は声にならない。
「佐鳥くん、後悔はさせない」
華南って、呼んで欲しい。
そう思って、先生の背中を抱きしめた時、彼の胸につけた耳に届く声に驚く。
『華南……、君に触れたい』
「先生……?」
「身体をつながなければ、この関係は潔白だろうか」
先生は薄く笑って、私のこめかみにキスをする。
『なんて君は可愛いんだ。卒業まで待つなんて出来そうにない』
「先生、先生、声が……」
「声?」
不思議そうに先生が私の顔を覗き込んだ途端、ひと筋の涙がこぼれ落ちる。
「佐鳥くん……、どうした。怖がらせたか?」
離れようとする先生の手を握りしめる。
「違うんです。違うんです、先生。私、嬉しくて。先生の声が聞こえるから嬉しくて……」
「声が……?」
彼は絶句するが、すぐに柔らかく微笑んで優しいキスをする。
「俺は、なんて?」
両手で顔を覆うが、そっとはがされれば彼と目が合う。
「私のこと、華南って……」
「それだけ? 華南と呼んだだけで、君は泣くのか」
「だってほんとに嬉しくて……」
たくさんの喜びが私に押し寄せる。先生の心が聞こえるのは、彼の心が癒された証拠。次から次へと嵐のように降ってくる先生の心の声が鳴り止まない。
「まだ聞こえてるか?」
「ずっと……」
「なんて?」
「そんなの、口にできません……」
両手で顔を覆えば、彼は小さく笑う。
「そう。言えないようなことを俺は考えてるのか。まあ、そうだな。さっきから君のことしか考えられなくてね。なんて言ったらいいのか……」
「言わなくてもわかります……」
恥ずかしさでほおが紅潮する。
「君はずるいね。俺は何も聞こえないのに。君の心の中が少しでも覗けたらいいのに」
「私の心を知りたいですか……?」
「もちろん、君が好きでたまらないから知りたいね。少しぐらい聞かせて欲しいよ」
ほんの少し拗ねるような先生が可愛らしい。両腕を伸ばして先生を抱きしめる。
「好きです……」
「俺もだ。君には丸聞こえなのかもしれないが、好きで仕方ないよ」
「せんせ……」
「ずっと秘密にしておきたい。華南の可愛さが誰かに知られるなんて考えたくもない」
「先生、華南って……」
「佐鳥くんの方がしっくりくる?」
「華南がいいです……」
私が先生の胸に顔をうずめて、か細い声でそう願うと、彼の心はそっと笑った。
それは黒い心でもなんでもない、穏やかで形のない、淡く光る透き通る心だった。
「先生の心はとても、綺麗です」
そう言うと、彼は「ああそうだ」とつぶやく。
「少し気になることがあるんだった」
「気になるって?」
「華南、お風呂に入ろう。面白いものがある」
好奇心に満ちた目をして、先生は私の手を引く。
「えっ、お風呂?」
彼は何も答えないが、ひどく嬉しそうに弾む心の声だけが聞こえてくる。
バスルームのドアを開いた彼は、バスタブのふちに置かれた瓶を持ち上げた。
「先生、それは……」
「そう、桜だよ。瓶の中には御簾路の空気が入ってるから消えずに残っているのかもしれない」
佐鳥家で咲いた桜の花びらは御簾路を出た途端に消えたのに、先生の握る手の中にはまだその姿をとどめている。
「でも、開いたら消えてしまうかも」
「それはそれで趣がある」
夜間瀬先生は面白そうにほおを緩めて、瓶の蓋を開く。そして瓶を傾けると、桜の花びらはひらひらと舞ってバスタブの中に浮かんでは消えていく。
「さあ、入ってみるかい? 明日はもっと君の肌が艶めいているだろう」
「……効果がなくても知りません」
「そうだったとしても君は綺麗だからかまわないよ」
そう言って、先生は急に口をつぐむ。
「先生?」
「聞こえなかったかい?」
『キスだけでは満足できない』
不意に聞こえる声に戸惑う。
私だって、先生に抱かれたくないわけじゃない。でも、一線を越えたら、生徒と先生という立場の私たちがどうなるのかは想像がつく。
「……いつも聞こえてるわけじゃありません」
そっぽを向けば、夜間瀬先生はひどく楽しげに肩を揺らして笑い、私を後ろから抱き寄せる。
「じゃあ大切なことは言葉にしないといけないね」
先生はそう言って、私の瞳を覗き込む。
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