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本当の恋人になれる日
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お風呂あがりに和室へ入ると、二枚並べられた布団の上に、大知くんは横になっていた。
私に気づくと、うれしそうに手招きする。身体を起こしてられないぐらいには、酔ってるんだろう。
彼のそばにひざをつくと、私の太ももの上に頭を乗せてくる。子どもみたい。
まだ少ししけった髪をなでると、とろんとまぶたを落とす。
「優ちゃん、かわいいですね。人見知りで、目を合わせると逃げちゃいましたけど」
子どもが好きなんだろうか。楽しそうに話す。
「大知くん、お兄さんがいるって言ってたわね。結婚されてるの?」
「……あー、してないですよ」
変な間をおいて、彼はそう言う。聞いちゃいけなかったのかなって、ちょっと不安になる。
「あっ、別に兄に問題があるわけじゃないですよ。千秋さんに迷惑かける人じゃないです」
「大知くんに、甥っ子くんとか姪っ子ちゃんはいないのかな? って思っただけ」
聞いてもないのにあわてるから、おかしくなってしまう。
「それは、いないです。親戚には小さい子いますけど、そんなに会わないし」
「子ども、ほしかったりするの?」
「ん、まあ。憧れたりはしますよね」
大知くんは、彼の髪をなでる私の手を取り、そっと握りしめてくる。
「千秋さんがいてくれることが一番です。もし、千秋さんが子どもがほしいっていうなら、甘えてみようかな」
「……うん。いいよ」
どうしてか、すんなりとうなずいていた。
大知くんはハッと身体を起こし、私の顔をまじまじと眺める。お化粧してないから、ちょっと恥ずかしい。何度も見られてるけど、彼の瞳は綺麗だから、そこに映り込むのはとても恥ずかしい。
うつむこうとする私を、彼は下からのぞき込む。
「司法試験受かる前に、結婚してもいいんですか?」
「それでもいいよって言ってるの」
「ほんとですか? じゃあ……、週末以外も会ってくれますか?」
「あ、うん」
うなずくと、彼の瞳はますます開く。そして、私をぎゅっと抱きしめてくる。
「めちゃくちゃうれしいです。千秋さんが俺を……? うわぁ、なんか顔がヤバい……」
ゆるゆるとゆるむ口もとやほおを、手のひらで覆い隠した彼は、私と目を合わせると、やや正気を取り戻す。
「キスしたいです」
「うん」
「このまま抱きたいです」
「……それは、だめ」
「じゃあ、明日、帰ったらすぐに抱きたいです」
「酔いがさめても、覚えてたらね」
近づく唇を受け止める。いつもよりずっと優しいキスは、ほんのちょっとお酒の匂いがした。
お風呂あがりに和室へ入ると、二枚並べられた布団の上に、大知くんは横になっていた。
私に気づくと、うれしそうに手招きする。身体を起こしてられないぐらいには、酔ってるんだろう。
彼のそばにひざをつくと、私の太ももの上に頭を乗せてくる。子どもみたい。
まだ少ししけった髪をなでると、とろんとまぶたを落とす。
「優ちゃん、かわいいですね。人見知りで、目を合わせると逃げちゃいましたけど」
子どもが好きなんだろうか。楽しそうに話す。
「大知くん、お兄さんがいるって言ってたわね。結婚されてるの?」
「……あー、してないですよ」
変な間をおいて、彼はそう言う。聞いちゃいけなかったのかなって、ちょっと不安になる。
「あっ、別に兄に問題があるわけじゃないですよ。千秋さんに迷惑かける人じゃないです」
「大知くんに、甥っ子くんとか姪っ子ちゃんはいないのかな? って思っただけ」
聞いてもないのにあわてるから、おかしくなってしまう。
「それは、いないです。親戚には小さい子いますけど、そんなに会わないし」
「子ども、ほしかったりするの?」
「ん、まあ。憧れたりはしますよね」
大知くんは、彼の髪をなでる私の手を取り、そっと握りしめてくる。
「千秋さんがいてくれることが一番です。もし、千秋さんが子どもがほしいっていうなら、甘えてみようかな」
「……うん。いいよ」
どうしてか、すんなりとうなずいていた。
大知くんはハッと身体を起こし、私の顔をまじまじと眺める。お化粧してないから、ちょっと恥ずかしい。何度も見られてるけど、彼の瞳は綺麗だから、そこに映り込むのはとても恥ずかしい。
うつむこうとする私を、彼は下からのぞき込む。
「司法試験受かる前に、結婚してもいいんですか?」
「それでもいいよって言ってるの」
「ほんとですか? じゃあ……、週末以外も会ってくれますか?」
「あ、うん」
うなずくと、彼の瞳はますます開く。そして、私をぎゅっと抱きしめてくる。
「めちゃくちゃうれしいです。千秋さんが俺を……? うわぁ、なんか顔がヤバい……」
ゆるゆるとゆるむ口もとやほおを、手のひらで覆い隠した彼は、私と目を合わせると、やや正気を取り戻す。
「キスしたいです」
「うん」
「このまま抱きたいです」
「……それは、だめ」
「じゃあ、明日、帰ったらすぐに抱きたいです」
「酔いがさめても、覚えてたらね」
近づく唇を受け止める。いつもよりずっと優しいキスは、ほんのちょっとお酒の匂いがした。
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