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強欲な甘い結婚
初めての……(1)
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***
佑磨さんの暮らすホテルへ来たのは、二度目だった。一度目も、こうして紙袋を胸に抱えて、緊張していたんだっけ。
今日は、天ヶ瀬さんにマナーを学びに来た。それは、佑磨さんの願いの一つだからだ。
結婚するなら、海堂の名に恥じない妻になるのは当然のこと。両親も、マナーを学ぶのは賛成してくれている。
いつも穏やかな天ヶ瀬さんだけど、マナーも優しく教えてくれるといいな、なんて思いながら、ドアをノックする。
ほどなくして、ドアが内側から開く。
「ああ、つばさ。ちゃんと来てくれたんだな」
帰ってきたばかりだろうか。ネクタイを締めたままの佑磨さんが、私を見つけるとあんどの笑みを見せる。
「お約束ですから」
「約束じゃなきゃ来なかったみたいな言い方するな。俺はつばさに会いたかったよ」
彼はすねるように言って、素直な気持ちを伝えてくれる。
「わ、私も海堂さんに会いに」
あわてて言い直すと、彼は満足そうにうなずく。言わされちゃったみたい。
「それならいい。その紙袋は?」
私を部屋へ招き入れ、胸に抱える紙袋を眺めてくる。
「あ……、両親からです。早速、相続の手続きを始めてくださったそうですね。お礼の品を持っていくようにって」
紙袋を渡すと、佑磨さんは受け取ってくれる。
「酒?」
「ワインです。海堂さんはワインがお好きだから」
「それは楽しみだ。つばさには、何か別のものを頼もう。ふたりで飲もうか」
「ふたり? 天ヶ瀬さんは……」
辺りを見回す。そういえば、天ヶ瀬さんがいない。
「今日はいない」
「えっ!」
「和希に習うのは、明日からだ」
「そうなんですか? 私、てっきり今日からだと思って……」
気合いを入れてきたのに、勘違いしてたみたい。がっかりしたのも束の間、佑磨さんの長い指が私のほおをなでる。
「今夜ぐらいは、ふたりで過ごしたい。結婚が決まってからの、初めての夜だろう?」
初めての夜だなんて、意味深な言い方をするから、恥ずかしくなる。
ほおが赤らむのを感じていると、佑磨さんが私の手をつかんで、ソファーへといざなう。
「約束は覚えてるか?」
ソファーに並んで腰かけると、彼は尋ねてくる。
「もちろんです。天ヶ瀬さんからマナーを習って、立派な妻に……」
「そうじゃない」
「違うんですか?」
「結婚が決まるまでは、キスしないと約束した」
「えっ」
「忘れたとは言わせない」
「それは、はい……」
苦しまぎれにそんなことを言ったかもしれない。彼はずっと、それを守ってくれてたのだ。
うなずくと、佑磨さんの大きな手が私のほおを包み込む。
「あ……」
「黙ってろ」
そう言って、唇を重ねてくる。
心の準備ができてなくて、ぎゅっと目を閉じる。
生まれて初めてのキスも、ここでだった。あのときは、唐突なキスに驚いたけれど、今はちょっと違う。彼の唇は優しく包み込むような温かさがあって、触れるとなぜだか安心する。
「来週には両親に紹介したい」
彼はそう、ささやくように言う。
「来週って、そんなにはやく?」
「早くはない。週末でもよかったが、親父の都合がつかなくてね。週末には、ネックレスをプレゼントしよう。ああ、あと……」
「まだ何かあるんですか?」
いきなり予定を告げられて困惑する。たまらず尋ねると、佑磨さんはテーブルの上に置かれた封筒を持ち上げ、中身を取り出した。
「それって……」
「婚姻届だ。両親につばさを紹介したあと、ふたりで出しに行こう」
彼の手にある婚姻届をまじまじと見つめてしまう。
「……本当に?」
「冗談で言うものか」
佑磨さんは快活に笑って、万年筆を手に取ると、ちゅうちょなく婚姻届に名前を書き込んだ。
私との結婚にためらいはないと、証明してくれたみたい。
差し出される万年筆を受け取り、婚姻届に視線を落とす。
彼の書いた文字はとても整っていて綺麗だった。だけれど、温厚で素直そうな、ゆったりとした文字。優しい人なのだと思う。
まだ出会ったばかりだけど、こんなに素敵な人にはもう出会えないだろうし、結婚に後悔はないだろう。
緊張しながら、名前を書き込む。佑磨さんと名前を並べてるなんて変な気分。
彼は満足そうに記入済みの婚姻届を眺めると、大切そうに封筒に入れる。
「乾杯するか。何、食べる? ルームサービスを頼もう」
「おすすめはありますか?」
「そうだな。ここは親子丼が意外とうまい」
「親子丼? ワインには合わないみたい」
なんだか、おかしい。ほおをほころばせると、彼も愉快げに目を細めた。
「それもそうだ。じゃあ、デザートも頼むか」
「デザートって何があるんですか?」
メニューをのぞくと、一番最初に、季節のフルーツタルトが目に飛び込んでくる。
「今月はキウイのタルトなんですね。きれい」
タルト生地の上で円を描くように並べられた輪切りのキウイがすごく贅沢で、美味しそう。
「それにするか?」
「はい。カクテルは……この、チチっていうのが美味しそうです」
サンプルの写真の中から、かわいらしいカクテルを見つけて、指をさす。
「いいんじゃないか?」
佑磨さんはそう言うと、フロントに電話をかけて注文してくれた。
「いつも、ルームサービスですか?」
「いや、ほとんど外食だ。たまに、和希が用意してくれるが、まあ、外食のようなものだ」
「そうなんですね。結婚したら、ここでは暮らさないですよね?」
「不便はないが、マンションを買おうか。気に入るマンションが見つかるまでは、ここで暮らせばいい」
さらりと彼は言う。
「マンションが決まってから、一緒に暮らす感じでも……」
「だめだ。今夜だって帰したくないのに」
「え、帰し……」
「だめか?」
佑磨さんは目線を合わせてくると、頼りなげな目を見せる。ずるい人だ。強気で出れば、私が拒むとわかってるみたいに、懇願するのだ。
「だめっていうか……」
「今から抱いてもいいか?」
「えっ! でも、ルームサービスが……」
「あとで食べればいい」
そう言っているうちに、ルームサービスが届く。
テーブルワゴンで運ばれてきた、熱々の親子丼とキウイのタルト、チチをテーブルにセッティングしたスタッフが立ち去ると、佑磨さんはすぐさま尋ねてくる。
「食べるか?」
「……はい、食べたいです」
「じゃあ、待つ」
佑磨さんは食べないみたい。待つ、なんて言われると落ち着かない。
親子丼をひと口食べる。
「あ、美味しい。海堂さんも、食べて」
食べた気になれないかと思ってたけど、ふわふわトロトロのたまごがあまりにも美味しくて、佑磨さんにも勧めてしまう。
「つばさが言うなら」
まるで、譲歩したと言いたげに、彼も親子丼を食べた。そのまま、タルトも食べて、乾杯する。
両親の差し入れたワインが美味しいと、彼も上機嫌になって、会話も弾んだ。
佑磨さんはすぐに私に触れたがるけど、こうして、なんでもない会話を交わす時間が愛おしい。
彼をもっと知りたいと思う。普段はどんなお仕事をして、どんな生活を送っているのか。結婚したら、今よりももっとたくさんの時間を共有できるだろうか。
「つばさ、抱きたい」
佑磨さんの暮らすホテルへ来たのは、二度目だった。一度目も、こうして紙袋を胸に抱えて、緊張していたんだっけ。
今日は、天ヶ瀬さんにマナーを学びに来た。それは、佑磨さんの願いの一つだからだ。
結婚するなら、海堂の名に恥じない妻になるのは当然のこと。両親も、マナーを学ぶのは賛成してくれている。
いつも穏やかな天ヶ瀬さんだけど、マナーも優しく教えてくれるといいな、なんて思いながら、ドアをノックする。
ほどなくして、ドアが内側から開く。
「ああ、つばさ。ちゃんと来てくれたんだな」
帰ってきたばかりだろうか。ネクタイを締めたままの佑磨さんが、私を見つけるとあんどの笑みを見せる。
「お約束ですから」
「約束じゃなきゃ来なかったみたいな言い方するな。俺はつばさに会いたかったよ」
彼はすねるように言って、素直な気持ちを伝えてくれる。
「わ、私も海堂さんに会いに」
あわてて言い直すと、彼は満足そうにうなずく。言わされちゃったみたい。
「それならいい。その紙袋は?」
私を部屋へ招き入れ、胸に抱える紙袋を眺めてくる。
「あ……、両親からです。早速、相続の手続きを始めてくださったそうですね。お礼の品を持っていくようにって」
紙袋を渡すと、佑磨さんは受け取ってくれる。
「酒?」
「ワインです。海堂さんはワインがお好きだから」
「それは楽しみだ。つばさには、何か別のものを頼もう。ふたりで飲もうか」
「ふたり? 天ヶ瀬さんは……」
辺りを見回す。そういえば、天ヶ瀬さんがいない。
「今日はいない」
「えっ!」
「和希に習うのは、明日からだ」
「そうなんですか? 私、てっきり今日からだと思って……」
気合いを入れてきたのに、勘違いしてたみたい。がっかりしたのも束の間、佑磨さんの長い指が私のほおをなでる。
「今夜ぐらいは、ふたりで過ごしたい。結婚が決まってからの、初めての夜だろう?」
初めての夜だなんて、意味深な言い方をするから、恥ずかしくなる。
ほおが赤らむのを感じていると、佑磨さんが私の手をつかんで、ソファーへといざなう。
「約束は覚えてるか?」
ソファーに並んで腰かけると、彼は尋ねてくる。
「もちろんです。天ヶ瀬さんからマナーを習って、立派な妻に……」
「そうじゃない」
「違うんですか?」
「結婚が決まるまでは、キスしないと約束した」
「えっ」
「忘れたとは言わせない」
「それは、はい……」
苦しまぎれにそんなことを言ったかもしれない。彼はずっと、それを守ってくれてたのだ。
うなずくと、佑磨さんの大きな手が私のほおを包み込む。
「あ……」
「黙ってろ」
そう言って、唇を重ねてくる。
心の準備ができてなくて、ぎゅっと目を閉じる。
生まれて初めてのキスも、ここでだった。あのときは、唐突なキスに驚いたけれど、今はちょっと違う。彼の唇は優しく包み込むような温かさがあって、触れるとなぜだか安心する。
「来週には両親に紹介したい」
彼はそう、ささやくように言う。
「来週って、そんなにはやく?」
「早くはない。週末でもよかったが、親父の都合がつかなくてね。週末には、ネックレスをプレゼントしよう。ああ、あと……」
「まだ何かあるんですか?」
いきなり予定を告げられて困惑する。たまらず尋ねると、佑磨さんはテーブルの上に置かれた封筒を持ち上げ、中身を取り出した。
「それって……」
「婚姻届だ。両親につばさを紹介したあと、ふたりで出しに行こう」
彼の手にある婚姻届をまじまじと見つめてしまう。
「……本当に?」
「冗談で言うものか」
佑磨さんは快活に笑って、万年筆を手に取ると、ちゅうちょなく婚姻届に名前を書き込んだ。
私との結婚にためらいはないと、証明してくれたみたい。
差し出される万年筆を受け取り、婚姻届に視線を落とす。
彼の書いた文字はとても整っていて綺麗だった。だけれど、温厚で素直そうな、ゆったりとした文字。優しい人なのだと思う。
まだ出会ったばかりだけど、こんなに素敵な人にはもう出会えないだろうし、結婚に後悔はないだろう。
緊張しながら、名前を書き込む。佑磨さんと名前を並べてるなんて変な気分。
彼は満足そうに記入済みの婚姻届を眺めると、大切そうに封筒に入れる。
「乾杯するか。何、食べる? ルームサービスを頼もう」
「おすすめはありますか?」
「そうだな。ここは親子丼が意外とうまい」
「親子丼? ワインには合わないみたい」
なんだか、おかしい。ほおをほころばせると、彼も愉快げに目を細めた。
「それもそうだ。じゃあ、デザートも頼むか」
「デザートって何があるんですか?」
メニューをのぞくと、一番最初に、季節のフルーツタルトが目に飛び込んでくる。
「今月はキウイのタルトなんですね。きれい」
タルト生地の上で円を描くように並べられた輪切りのキウイがすごく贅沢で、美味しそう。
「それにするか?」
「はい。カクテルは……この、チチっていうのが美味しそうです」
サンプルの写真の中から、かわいらしいカクテルを見つけて、指をさす。
「いいんじゃないか?」
佑磨さんはそう言うと、フロントに電話をかけて注文してくれた。
「いつも、ルームサービスですか?」
「いや、ほとんど外食だ。たまに、和希が用意してくれるが、まあ、外食のようなものだ」
「そうなんですね。結婚したら、ここでは暮らさないですよね?」
「不便はないが、マンションを買おうか。気に入るマンションが見つかるまでは、ここで暮らせばいい」
さらりと彼は言う。
「マンションが決まってから、一緒に暮らす感じでも……」
「だめだ。今夜だって帰したくないのに」
「え、帰し……」
「だめか?」
佑磨さんは目線を合わせてくると、頼りなげな目を見せる。ずるい人だ。強気で出れば、私が拒むとわかってるみたいに、懇願するのだ。
「だめっていうか……」
「今から抱いてもいいか?」
「えっ! でも、ルームサービスが……」
「あとで食べればいい」
そう言っているうちに、ルームサービスが届く。
テーブルワゴンで運ばれてきた、熱々の親子丼とキウイのタルト、チチをテーブルにセッティングしたスタッフが立ち去ると、佑磨さんはすぐさま尋ねてくる。
「食べるか?」
「……はい、食べたいです」
「じゃあ、待つ」
佑磨さんは食べないみたい。待つ、なんて言われると落ち着かない。
親子丼をひと口食べる。
「あ、美味しい。海堂さんも、食べて」
食べた気になれないかと思ってたけど、ふわふわトロトロのたまごがあまりにも美味しくて、佑磨さんにも勧めてしまう。
「つばさが言うなら」
まるで、譲歩したと言いたげに、彼も親子丼を食べた。そのまま、タルトも食べて、乾杯する。
両親の差し入れたワインが美味しいと、彼も上機嫌になって、会話も弾んだ。
佑磨さんはすぐに私に触れたがるけど、こうして、なんでもない会話を交わす時間が愛おしい。
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