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強欲な甘い懐妊
結婚式とその夜(1)
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***
結婚指輪が完成したのは、結婚式を来月にひかえた、ゴールデンウィーク明けのことだった。
さまざまな協力を得て仕上がった結婚指輪を、佑磨さんとふたり、リビングのソファーに腰かけて、改めて感慨深く眺める。
「どうなるか心配で、ドキドキしちゃいましたけど、思ってた通りの仕上がりですね」
「ああ、つばさのデザインに間違いはないよ」
佑磨さんは優しくそう言ってくれる。
いつも見守ってくれる彼がいたから、ここまでやってこれた。彼と結婚したときは、こんなにも充実した日々が送れるなんて想像もしてなかった。
「私のデザインで出来上がった初めての指輪が、結婚指輪だなんて夢みたいです」
「はめる? それとも、結婚式まで待つ?」
「佑磨さんは?」
「俺はすぐにでもはめたいね」
「はい、私も」
同意してうなずくと、佑磨さんはリングケースから指輪を取り出し、私の方へそっと手を差し出す。
「緊張しちゃいます」
汗ばんでないか、手を確認する私をおかしそうに見つめる彼の手のひらへ、そっと指先を置く。
「結婚式みたい」
「そうだな」
佑磨さんはそっと笑って、薬指に指輪を通してくれる。
狭めの幅のストレートリングはプラチナ。周囲に、品の良い小粒のダイヤモンドをあしらったデザイン。
「華奢な指によく似合う」
そう言う彼の指輪は、幅広の平打ち。縁はつやありで、中央のラインはつや消し。重厚感のある堂々とした彼にぴったりのデザイン。
佑磨さんの指にぴたりとはまる指輪と、私の指輪にはおそろいのラインが入ってる。それは、この結婚が永遠に続きますようにと願いを込めた、途切れることのないライン。
「長く使っても、飽きないと思います」
「結婚生活と同じだな」
私たちは見つめ合い、どちらからともなく顔を寄せ、唇を合わせた。
それからひと月後、私たちはリージェスホテル東京の最上階にあるチャペルで結婚式を挙げ、盛大な披露宴を催した。
純白のウェディングドレスに身を包む私に、誓いのキスをする佑磨さんは、誰よりも愛おしい存在だった。
佑磨さんのご両親からかけられた優しい言葉に感動し、あまりに大きな式場に驚いて緊張ばかりしている父からの心のこもる言葉、優しく見守る母に涙した。
国内外から列席してくださった方々からのお祝いの数々は、私たちの結婚が認められた証に思えた。
そのすべてに私たちは感謝し、結婚式を無事に終えることができた。
「つばさと結婚できて、俺は幸せだ」
喜びを噛みしめるようにつぶやいた佑磨さんの横顔が忘れられない。結婚できて幸せなのは、私の方だった。
佑磨さんとの結婚生活は一生続く。そう信じられる信頼を、彼は私に与えてくれた。
「疲れたな、つばさ。疲れたついでに、いいか?」
結婚式の二次会を終え、マンションに戻るなり、ソファーにどかりと座った佑磨さんは、荷物の片付けをしようとする私を手招きする。
「いいかって?」
「とぼけるな。ブライダルエステだなんだと、お預けを食らってたんだ。忘れたか」
「えっと……」
忘れてたわけじゃない。
佑磨さんが誇らしくいられるよう、きれいな花嫁になりたくて、この一週間、エステ通いをしていた。
それだけでなく、結婚式をひかえた緊張感から、そういう気持ちになれなかったのもある。
今はすべて滞りなく終え、解放感があるのも事実だけれど。
「佑磨さん、ずいぶんお疲れでしょう?」
今日一日だけで、どれほどの賓客にあいさつしたことか。
「その疲れを癒したいって言ってるんだ」
「……花束だけ、飾ってからでいいですか?」
親友からもらったバラの花束は私好みで、すぐにでも飾りたい。明日の朝、起きたときには結婚式の余韻を感じられるだろう。
「かまわない。先に風呂に入って待ってる」
佑磨さんはすぐに立ち上がると、上機嫌にバスルームへと入っていった。
底なしの体力の持ち主だ。私なんて、ベッドに入ったらすぐに眠ってしまいそうなぐらい、疲れているのに。
結婚指輪が完成したのは、結婚式を来月にひかえた、ゴールデンウィーク明けのことだった。
さまざまな協力を得て仕上がった結婚指輪を、佑磨さんとふたり、リビングのソファーに腰かけて、改めて感慨深く眺める。
「どうなるか心配で、ドキドキしちゃいましたけど、思ってた通りの仕上がりですね」
「ああ、つばさのデザインに間違いはないよ」
佑磨さんは優しくそう言ってくれる。
いつも見守ってくれる彼がいたから、ここまでやってこれた。彼と結婚したときは、こんなにも充実した日々が送れるなんて想像もしてなかった。
「私のデザインで出来上がった初めての指輪が、結婚指輪だなんて夢みたいです」
「はめる? それとも、結婚式まで待つ?」
「佑磨さんは?」
「俺はすぐにでもはめたいね」
「はい、私も」
同意してうなずくと、佑磨さんはリングケースから指輪を取り出し、私の方へそっと手を差し出す。
「緊張しちゃいます」
汗ばんでないか、手を確認する私をおかしそうに見つめる彼の手のひらへ、そっと指先を置く。
「結婚式みたい」
「そうだな」
佑磨さんはそっと笑って、薬指に指輪を通してくれる。
狭めの幅のストレートリングはプラチナ。周囲に、品の良い小粒のダイヤモンドをあしらったデザイン。
「華奢な指によく似合う」
そう言う彼の指輪は、幅広の平打ち。縁はつやありで、中央のラインはつや消し。重厚感のある堂々とした彼にぴったりのデザイン。
佑磨さんの指にぴたりとはまる指輪と、私の指輪にはおそろいのラインが入ってる。それは、この結婚が永遠に続きますようにと願いを込めた、途切れることのないライン。
「長く使っても、飽きないと思います」
「結婚生活と同じだな」
私たちは見つめ合い、どちらからともなく顔を寄せ、唇を合わせた。
それからひと月後、私たちはリージェスホテル東京の最上階にあるチャペルで結婚式を挙げ、盛大な披露宴を催した。
純白のウェディングドレスに身を包む私に、誓いのキスをする佑磨さんは、誰よりも愛おしい存在だった。
佑磨さんのご両親からかけられた優しい言葉に感動し、あまりに大きな式場に驚いて緊張ばかりしている父からの心のこもる言葉、優しく見守る母に涙した。
国内外から列席してくださった方々からのお祝いの数々は、私たちの結婚が認められた証に思えた。
そのすべてに私たちは感謝し、結婚式を無事に終えることができた。
「つばさと結婚できて、俺は幸せだ」
喜びを噛みしめるようにつぶやいた佑磨さんの横顔が忘れられない。結婚できて幸せなのは、私の方だった。
佑磨さんとの結婚生活は一生続く。そう信じられる信頼を、彼は私に与えてくれた。
「疲れたな、つばさ。疲れたついでに、いいか?」
結婚式の二次会を終え、マンションに戻るなり、ソファーにどかりと座った佑磨さんは、荷物の片付けをしようとする私を手招きする。
「いいかって?」
「とぼけるな。ブライダルエステだなんだと、お預けを食らってたんだ。忘れたか」
「えっと……」
忘れてたわけじゃない。
佑磨さんが誇らしくいられるよう、きれいな花嫁になりたくて、この一週間、エステ通いをしていた。
それだけでなく、結婚式をひかえた緊張感から、そういう気持ちになれなかったのもある。
今はすべて滞りなく終え、解放感があるのも事実だけれど。
「佑磨さん、ずいぶんお疲れでしょう?」
今日一日だけで、どれほどの賓客にあいさつしたことか。
「その疲れを癒したいって言ってるんだ」
「……花束だけ、飾ってからでいいですか?」
親友からもらったバラの花束は私好みで、すぐにでも飾りたい。明日の朝、起きたときには結婚式の余韻を感じられるだろう。
「かまわない。先に風呂に入って待ってる」
佑磨さんはすぐに立ち上がると、上機嫌にバスルームへと入っていった。
底なしの体力の持ち主だ。私なんて、ベッドに入ったらすぐに眠ってしまいそうなぐらい、疲れているのに。
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