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寄り添う心に新たな出会い
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しおりを挟む離れに戻ると、千隼さんは身支度を整えて、縁側に腰かけていた。
惣一郎さんと背格好の似た彼の姿に、一瞬どきりとしてしまう。横顔も、どことなく似たところがある。異母とはいえ、兄弟なのだから、似ていてもふしぎはない。
ああ、そうか。惣一郎さんと結婚しても大丈夫と思えたのは、彼が千隼さんに似ていたからだ。面影と生きていけるなら、幸せになれると思っていた。
お腹に目を落とす。千隼さんとの間に子が恵まれたら、彼に似た男の子が誕生するといい。そうなれば、私はふたたび、彼の面影と生きていける。
「千隼さん、おはようございます。縁側は寒いでしょう? 朝食を運んでまいりました。一緒にいただきませんか?」
「ああ、つゆりさん、気を遣わせてしまって」
すぐに立ち上がった千隼さんは、軽やかな足取りで座敷へ入ってくる。
「つゆり、と呼び捨てでかまいません」
温かな緑茶をいれながら、さらりと願い出る。
ふたりきりの時はせめて、恋人同士のようでいられたらと望んでしまう。
「つゆり」
「はい」
にこりと微笑むのに、千隼さんはどこか苦しげだった。
「……後悔はないですか?」
「はい。子が宿ってるといいのですが」
彼は後悔してるんだろう。それでもいい。生まれてくる子に、情を持たない方がきっといい。
お腹をそっとなでると、私の前にひざを折る彼が、困り顔で笑む。
「たった一度で子を宿すこともあるでしょうが、二度三度と重ねなければ」
「はい。……許す限り、お受けします。よろしくお願いします」
ほんのり赤らんでしまう。彼との交わりを楽しみにしてると言ってしまったみたい。
「許す限り……ですか。でしたら、毎日来てしまいますよ」
意外にもまっすぐな目を向けられるから、恥ずかしくて目が泳いでしまう。
「あの……、千隼さんにお任せします。私はだいたいの時を、離れか、綾城堂で過ごしています。ここにいない時は、お待ちくだされば、すぐに戻ります」
「しばらくは、夜中しか来られません。……これでは、夜這いですね」
苦笑するから、とんでもないことだと首を振る。
「そんな風におっしゃらないで。あっ、それはそうと、今日はどう過ごされますか?」
「一度、帰りますよ」
「お車で来られてますか?」
そう尋ねると、何やら思い出したように彼はハッとする。
「ああ、いけない。西園寺さんに無断で駐車場を借りてしまったな。朝食をいただいたら、すぐに車を出します」
「お車で帰られるのでしたら、綾城の前ではなく、西の道から大通りに出られてください」
「どうしてですか?」
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