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PAIN
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気だるさにつつまれながら、侑士はシーツの中で誠を引き寄せる。すると、誠の首筋に傷跡…いや、噛み痕が見えた。
真っ白い肌に痛々しい深い噛み痕。快感の極みの結果ではなく、故意だとわかる痕。
「なぁ、痛いか?」
自分がつけた跡を見て、侑士がたずねた。
侑士はコトの最中に、誠の首筋に痕を残した。
それはじくじくと痛みを放つ…誠は睨みつけるように侑士を見た。
「あん?てめぇ…痛くないとでも思うのかよ」
「そうやなぁ…痛いわなぁ…」
人事とでも言いたげな、まったく反省の色のない侑士の言葉。しかもそう言いながら、侑士がまだ血の乾かない傷に指を這わせるので微かな痛みが走る。誠はその手を叩き落として、怒りを表す。
「ふざけんなよっ」
「でもさ、俺はこんな傷よりもっと痛いんだわ…」
「あ?」
怒りを残しながら、それでも侑士の言葉がひっかかって、その意図を確かめる。
「俺はもっと酷い傷を…誠に付けられてる」
「はぁ?それはどう…っ」
どういう意味だと続けようとした誠の言葉は、侑士がその傷に舌を這わせたことによってさえぎられた。
「くっ…ゆ、し…」
「誠は知らなくてええ…」
そう言って、傷口を舐める。
「くっ」
いつだって、誠が他のものを目にするたびに、心が抉られるような痛みが走る。
誠が誰かと会話をかわしているとき、黒いものが渦巻いて痛みに苦しくなる。
自分のことを見て欲しくて。
自分だけを見て欲しくて。
醜い独占欲。
そして…自己嫌悪。
侑士の痛みを誠は知らない。
…知らなくていい。
……知られたくない。
いつまでたっても…これは解消されることのない…想いだから…。
体に残る傷は癒える…でも……心に残された傷は……。
唇を噛み締めて侑士の与える痛みに耐える誠…侑士は、そっと笑って唇をふさぎ、そのまま深く誠を味わった。
「あ…ふっ…」
誠の口から再び吐息が零れはじめる。
「誠、誠…」
侑士は思いのたけが伝わることを望みながら、キスの合間にも誠の名前を呼び続ける。
舌を探り当てると、誠もそれに応えて絡めてくる。魂も吸い取ってしまいそうに熱く深いキスをすると、誠の瞳が快感に溶けてくるのがわかる。
侑士は誠の身体を抱き寄せる。素肌同士が触れ合うと、熱くなっているのがストレートにわかってしまう。
するり、と侑士が誠の臀部をなでる。
甘い声が誠の口から上がった。
それに気をよくしたのか、侑士の指が後孔にまで及ぶ。
先ほどの行為で簡単にその中に入ってしまう。
くいっとその中の一箇所を探ると、誠がすぐに反応を示す。
「ゆ…っ…あっ」
「ここ、ええんか?」
「ふっ、…っ」
誠が声を殺すように息を詰める。
侑士がさらに指を増やして誠の秘部をかき混ぜると、先ほどの侑士の放ったものでくちゅくちゅと淫靡な音を立てる。
二本、三本と指を増やすにつれすぐに解れた柔らかなそこへ、侑士は早急に自分を埋めていく。
その際に、誠の胸を愛撫するのを忘れてはいない。甘い感覚と強烈な圧迫感と快感が誠を襲う。
「くっ…」
苦しげで余裕なさげな誠の声に、ぞくりと侑士の中に欲望が湧き上がる。
このまま、欲望のままに誠を追い詰めたくなるのだ。だが、侑士はそれをいつものように押さえ込むと、景吾が落ち着くのを待つ。
「んぅっ…侑士…もう…いいっ」
胸の飾りを弄るだけで一向に動き出さない侑士に焦れて、誠が了承する。
誠の言葉ににまりと侑士が笑う。
「ええんやな」
そう宣言して、侑士はぐっと腰を進める。誠の嬌声が艶を帯びて響いた。
「やぁっ……」
「そんなにええ?」
「ぁん…もっと…たりね…ぇ…よっ…」
喘ぎながらも誠が挑戦的に侑士を見て笑う。
ふっと相貌をくずして侑士が受けてたつ。激しく腰を動かして、誠の媚肉を奥深く穿つ。
「ゆ…し…っ」
満足気な幸せそうな微笑みを浮かべて、誠も侑士にあわせて快感を紡ぎ出そうと激しく律動する。
乱れた呼吸が色っぽく、それがさらに侑士を煽る。
「っ…」
どくん、侑士の物が大きく膨れ上がり、誠がその感覚に息を呑んで、堪えられずひくりとのどを鳴らす。
「まだ、まだや、もっと感じぃや」
侑士は笑うと、抉りこむように深くまで突く。
侑士が突き上げるたびに、誠は腰を揺らし、僅かに開かれたその口から切れ切れの喘ぎ声が漏れる。
最後の時を共にしようと必死になって堪えているようだ。だが、それもすぐにその我慢も限界を迎える。
「も…頼む…っ…」
耐え切れないほど追い詰められて、あの誠が懇願する。
侑士はそれに応えるようにさらに激しくすると、自分も最後の極みへと上り詰めるように快感を紡いでいく。
「あ…ぁっ…ゆっ…っ」
「ん…いくで」
勢いよく侑士の蜜を注ぎ込まれ、その強烈な刺激に誠も射精した。
「は…ふ…ぁぁっ…ん…」
大きく息を吐いて呼吸を整えようと勤める。
誠は満ち足りた表情を浮かべ、侑士を見やる。侑士がその唇に、優しくキスを落とした。
「侑士…愛してるぜ」
心地よい疲労感に包まれながら、息を整えた誠がふわっと笑った。
侑士も、愛してると囁いて、その細い身体を抱きしめた。
自分が与えた痛々しい傷痕が誠の白い背中に見えた。
侑士の中で…その存在を主張するように、決して癒えない痛みが…微かに疼いた。
2004/09/16
真っ白い肌に痛々しい深い噛み痕。快感の極みの結果ではなく、故意だとわかる痕。
「なぁ、痛いか?」
自分がつけた跡を見て、侑士がたずねた。
侑士はコトの最中に、誠の首筋に痕を残した。
それはじくじくと痛みを放つ…誠は睨みつけるように侑士を見た。
「あん?てめぇ…痛くないとでも思うのかよ」
「そうやなぁ…痛いわなぁ…」
人事とでも言いたげな、まったく反省の色のない侑士の言葉。しかもそう言いながら、侑士がまだ血の乾かない傷に指を這わせるので微かな痛みが走る。誠はその手を叩き落として、怒りを表す。
「ふざけんなよっ」
「でもさ、俺はこんな傷よりもっと痛いんだわ…」
「あ?」
怒りを残しながら、それでも侑士の言葉がひっかかって、その意図を確かめる。
「俺はもっと酷い傷を…誠に付けられてる」
「はぁ?それはどう…っ」
どういう意味だと続けようとした誠の言葉は、侑士がその傷に舌を這わせたことによってさえぎられた。
「くっ…ゆ、し…」
「誠は知らなくてええ…」
そう言って、傷口を舐める。
「くっ」
いつだって、誠が他のものを目にするたびに、心が抉られるような痛みが走る。
誠が誰かと会話をかわしているとき、黒いものが渦巻いて痛みに苦しくなる。
自分のことを見て欲しくて。
自分だけを見て欲しくて。
醜い独占欲。
そして…自己嫌悪。
侑士の痛みを誠は知らない。
…知らなくていい。
……知られたくない。
いつまでたっても…これは解消されることのない…想いだから…。
体に残る傷は癒える…でも……心に残された傷は……。
唇を噛み締めて侑士の与える痛みに耐える誠…侑士は、そっと笑って唇をふさぎ、そのまま深く誠を味わった。
「あ…ふっ…」
誠の口から再び吐息が零れはじめる。
「誠、誠…」
侑士は思いのたけが伝わることを望みながら、キスの合間にも誠の名前を呼び続ける。
舌を探り当てると、誠もそれに応えて絡めてくる。魂も吸い取ってしまいそうに熱く深いキスをすると、誠の瞳が快感に溶けてくるのがわかる。
侑士は誠の身体を抱き寄せる。素肌同士が触れ合うと、熱くなっているのがストレートにわかってしまう。
するり、と侑士が誠の臀部をなでる。
甘い声が誠の口から上がった。
それに気をよくしたのか、侑士の指が後孔にまで及ぶ。
先ほどの行為で簡単にその中に入ってしまう。
くいっとその中の一箇所を探ると、誠がすぐに反応を示す。
「ゆ…っ…あっ」
「ここ、ええんか?」
「ふっ、…っ」
誠が声を殺すように息を詰める。
侑士がさらに指を増やして誠の秘部をかき混ぜると、先ほどの侑士の放ったものでくちゅくちゅと淫靡な音を立てる。
二本、三本と指を増やすにつれすぐに解れた柔らかなそこへ、侑士は早急に自分を埋めていく。
その際に、誠の胸を愛撫するのを忘れてはいない。甘い感覚と強烈な圧迫感と快感が誠を襲う。
「くっ…」
苦しげで余裕なさげな誠の声に、ぞくりと侑士の中に欲望が湧き上がる。
このまま、欲望のままに誠を追い詰めたくなるのだ。だが、侑士はそれをいつものように押さえ込むと、景吾が落ち着くのを待つ。
「んぅっ…侑士…もう…いいっ」
胸の飾りを弄るだけで一向に動き出さない侑士に焦れて、誠が了承する。
誠の言葉ににまりと侑士が笑う。
「ええんやな」
そう宣言して、侑士はぐっと腰を進める。誠の嬌声が艶を帯びて響いた。
「やぁっ……」
「そんなにええ?」
「ぁん…もっと…たりね…ぇ…よっ…」
喘ぎながらも誠が挑戦的に侑士を見て笑う。
ふっと相貌をくずして侑士が受けてたつ。激しく腰を動かして、誠の媚肉を奥深く穿つ。
「ゆ…し…っ」
満足気な幸せそうな微笑みを浮かべて、誠も侑士にあわせて快感を紡ぎ出そうと激しく律動する。
乱れた呼吸が色っぽく、それがさらに侑士を煽る。
「っ…」
どくん、侑士の物が大きく膨れ上がり、誠がその感覚に息を呑んで、堪えられずひくりとのどを鳴らす。
「まだ、まだや、もっと感じぃや」
侑士は笑うと、抉りこむように深くまで突く。
侑士が突き上げるたびに、誠は腰を揺らし、僅かに開かれたその口から切れ切れの喘ぎ声が漏れる。
最後の時を共にしようと必死になって堪えているようだ。だが、それもすぐにその我慢も限界を迎える。
「も…頼む…っ…」
耐え切れないほど追い詰められて、あの誠が懇願する。
侑士はそれに応えるようにさらに激しくすると、自分も最後の極みへと上り詰めるように快感を紡いでいく。
「あ…ぁっ…ゆっ…っ」
「ん…いくで」
勢いよく侑士の蜜を注ぎ込まれ、その強烈な刺激に誠も射精した。
「は…ふ…ぁぁっ…ん…」
大きく息を吐いて呼吸を整えようと勤める。
誠は満ち足りた表情を浮かべ、侑士を見やる。侑士がその唇に、優しくキスを落とした。
「侑士…愛してるぜ」
心地よい疲労感に包まれながら、息を整えた誠がふわっと笑った。
侑士も、愛してると囁いて、その細い身体を抱きしめた。
自分が与えた痛々しい傷痕が誠の白い背中に見えた。
侑士の中で…その存在を主張するように、決して癒えない痛みが…微かに疼いた。
2004/09/16
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