17 / 72
パリシナ国への出張(1/2)
しおりを挟む
翌朝、いつも通り6時過ぎに起きてヨガと体幹トレーニングをしてからシャワーを浴びて食堂に行く。ちょうどレオンハルト殿下は朝ごはんを給仕されたところだったみたい。
「お粥ですか?」
「そう、シノ大陸のコンギー。色々種類があって最近ハマっているんだ。」
今朝のお粥は黎の朝食の定番で、鶏肉とネギとユーティオという揚げパンを乗せたものらしい。ヘルシーで美味しそうだけど血糖値が上がるかもなぁ。
私は頼んでいたヨーグルトと温野菜のサラダをいただく。
「朝から意識高い人と一緒なのはいいよね。うちの家族は自堕落だからさ。両親は朝から好きなもの食べるし、運動しないからお腹ぷよぷよなんだよ。」
殿下は朝からトレーニングしているそうだ。軍で手に入れた筋肉を維持するためだとか。でも、両陛下のお腹ぷよぷよ問題はコメントできない。話題を変えよう。
「こんな広い食堂でいつも一人で食事されていたのですか?」
「いや、リリーシアが来るからここに変えたんだ。今までは部屋かシリウス宮で家族と一緒だったよ。気に入らなかった?」
気に入らないなんてそんな恐れ多いことを思うはずがない。
「いえ、二人だけなのに広すぎるなぁと思って。」
「確かにね。でもリリーシアも親元を離れて一人で部屋で食事するのも寂しいかなーって。」
「もともとパリシナ国に留学する予定だったからひとり暮らしの覚悟はできていたんですが・・・。私のことは気にしなくて大丈夫ですよ。」
「そういうわけにはいかないよ。そういえば、アディに聞いたんだけど5階の温室が気に入ったみたいだね。ここが落ち着かないなら温室に4-5人が着席できるダイニングテーブルを置いて朝食をとれるようにしようか。」
ガラス張りだし植物に囲まれて素敵な朝ごはんの時間になりそう。
「いいんですか?」
「もちろん。じゃあ、せっかくだから週末は家具を見に行こう。ずっとここに閉じこもっているの嫌だろう?」
「え!いいんですか?」
家に巣ごもりするのも嫌じゃないけど、自由に出かけられないとなると外に出たくなってしまう。めちゃくちゃ嬉しい。
「いいよ。家具屋の帰りに美味しいパスタのお店があるから行こう。プッタネスカがおすすめなんだよ。」
プッタネスカ!私が一番好きなパスタじゃないですか!
「ところで、再来週はパリシナ国立法科大学院の入学式じゃない?君にはそれに参加してもらいつつ俺のパリシナ出張に付き合ってもらいたい。」
「入庁したばかりの職員が出張ですか・・・。」
「入学式のついでという名目もあるけど、国王主催の夜会に同席してほしいんだ。」
「え?妃候補の方じゃなくて私が?」
「4人の候補で誰を帯同させるかという話になるとややこしいんだ。皇太子直属の側近の中で独身の貴族女性が君しかいないんだよね。」
4人の候補以外を帯同させるのもそれはそれで問題なような気もしますが。
「・・・わかりました。でも私、あんまりダンスは・・・」
昔は密談や駆け引きで社交ダンスを使っていたらしいけど、電話が発明されて以降はあまり重要視されていない。パーティーがあれば踊れる場所は提供されているが、社交というよりはチェスやビリヤードと同じように余興で踊りたい人たちが踊る感じになっている。
ちなみに私はあまり知らない人と触れ合うのが好きじゃないので進んでダンスしない派だ。
「うん、踊っている姿はあまり見たこと無いよね。」
シオンとお兄様たちとしか踊ったことがない。ダンスはシオンが他の人が申し込もうとすると鬼気迫った感じで追い払うから・・・。
「でもパリシナ国はアルーノ大陸パレインから独立してからそれほど経っていないから、パレイン王室の慣わしを踏襲してるんだ。夜会でダンスを1度は踊るのがマナー。リリーシアが参加してくれないとパリシナ国の蛇女がパートナーになるから困るんだよね。」
(蛇女・・・どんな人なんだろう。)
レオンハルト殿下は何かを思い出して、味が薄すぎるコーヒーを飲んだ人のような微妙な顔をしていた。その人のことが本当に嫌いなのが分かる。
「・・・わかりました。」
「じゃあ、今夜から特訓ね。仕事が終わって18時から!動きやすくそのまま保護区にご飯を食べに行けるラフな格好で訓練場に来てね。」
皇太子と・・・ダンス。緊張しそうだ。
「お粥ですか?」
「そう、シノ大陸のコンギー。色々種類があって最近ハマっているんだ。」
今朝のお粥は黎の朝食の定番で、鶏肉とネギとユーティオという揚げパンを乗せたものらしい。ヘルシーで美味しそうだけど血糖値が上がるかもなぁ。
私は頼んでいたヨーグルトと温野菜のサラダをいただく。
「朝から意識高い人と一緒なのはいいよね。うちの家族は自堕落だからさ。両親は朝から好きなもの食べるし、運動しないからお腹ぷよぷよなんだよ。」
殿下は朝からトレーニングしているそうだ。軍で手に入れた筋肉を維持するためだとか。でも、両陛下のお腹ぷよぷよ問題はコメントできない。話題を変えよう。
「こんな広い食堂でいつも一人で食事されていたのですか?」
「いや、リリーシアが来るからここに変えたんだ。今までは部屋かシリウス宮で家族と一緒だったよ。気に入らなかった?」
気に入らないなんてそんな恐れ多いことを思うはずがない。
「いえ、二人だけなのに広すぎるなぁと思って。」
「確かにね。でもリリーシアも親元を離れて一人で部屋で食事するのも寂しいかなーって。」
「もともとパリシナ国に留学する予定だったからひとり暮らしの覚悟はできていたんですが・・・。私のことは気にしなくて大丈夫ですよ。」
「そういうわけにはいかないよ。そういえば、アディに聞いたんだけど5階の温室が気に入ったみたいだね。ここが落ち着かないなら温室に4-5人が着席できるダイニングテーブルを置いて朝食をとれるようにしようか。」
ガラス張りだし植物に囲まれて素敵な朝ごはんの時間になりそう。
「いいんですか?」
「もちろん。じゃあ、せっかくだから週末は家具を見に行こう。ずっとここに閉じこもっているの嫌だろう?」
「え!いいんですか?」
家に巣ごもりするのも嫌じゃないけど、自由に出かけられないとなると外に出たくなってしまう。めちゃくちゃ嬉しい。
「いいよ。家具屋の帰りに美味しいパスタのお店があるから行こう。プッタネスカがおすすめなんだよ。」
プッタネスカ!私が一番好きなパスタじゃないですか!
「ところで、再来週はパリシナ国立法科大学院の入学式じゃない?君にはそれに参加してもらいつつ俺のパリシナ出張に付き合ってもらいたい。」
「入庁したばかりの職員が出張ですか・・・。」
「入学式のついでという名目もあるけど、国王主催の夜会に同席してほしいんだ。」
「え?妃候補の方じゃなくて私が?」
「4人の候補で誰を帯同させるかという話になるとややこしいんだ。皇太子直属の側近の中で独身の貴族女性が君しかいないんだよね。」
4人の候補以外を帯同させるのもそれはそれで問題なような気もしますが。
「・・・わかりました。でも私、あんまりダンスは・・・」
昔は密談や駆け引きで社交ダンスを使っていたらしいけど、電話が発明されて以降はあまり重要視されていない。パーティーがあれば踊れる場所は提供されているが、社交というよりはチェスやビリヤードと同じように余興で踊りたい人たちが踊る感じになっている。
ちなみに私はあまり知らない人と触れ合うのが好きじゃないので進んでダンスしない派だ。
「うん、踊っている姿はあまり見たこと無いよね。」
シオンとお兄様たちとしか踊ったことがない。ダンスはシオンが他の人が申し込もうとすると鬼気迫った感じで追い払うから・・・。
「でもパリシナ国はアルーノ大陸パレインから独立してからそれほど経っていないから、パレイン王室の慣わしを踏襲してるんだ。夜会でダンスを1度は踊るのがマナー。リリーシアが参加してくれないとパリシナ国の蛇女がパートナーになるから困るんだよね。」
(蛇女・・・どんな人なんだろう。)
レオンハルト殿下は何かを思い出して、味が薄すぎるコーヒーを飲んだ人のような微妙な顔をしていた。その人のことが本当に嫌いなのが分かる。
「・・・わかりました。」
「じゃあ、今夜から特訓ね。仕事が終わって18時から!動きやすくそのまま保護区にご飯を食べに行けるラフな格好で訓練場に来てね。」
皇太子と・・・ダンス。緊張しそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる