別世界の空の下で!

みきトラ

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『ラグーナの街にて愛と家族その1』

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5話「別世界の空の下で!」


「ラグーナの街にて愛情と家族その1」



時間はミツルが森に転移された時にさかのぼる…


魔の森の近くにある街〈ラグーナ〉では
冒険者や街の警備騎士隊が非常に慌てながら街の中を走り回っていた何故なら、魔の森からとてつもない膨大な魔力が突然出て来たかと思えば、森全体が光り輝き今まで存在していた禍々しい魔素が消え失せ清んだ魔素に変わったからだ。事情を詳しく知らぬ街の人々や旅商人達や初級冒険者はそれを不安げに見つめていた。




これが、勇者や聖女によってなされた事ならば慌てる事は無く喜びに満ちていた事だろうしかし、今回は何の前触れも無く起きた災害である。広大と言われている魔の森でしかも
『魔の森』と言われる最大理由であった禍々しい魔素が全て消えたのだ日々モンスターと戦い生活を送っている冒険者や町を盗賊やモンスターから守る警備騎士隊にとっては、それほどの力を持つ新たな脅威が来たと認識して慌てるのは仕方ない事である。




一方街の様子が慌ただしい中、領主の館にある客間の、一室では〈ラグーナ〉の領主とギルド長がこの災害に対してどのように対応するか、の会議を開いていた。



「それで、ギルド長よ今回の災害に対して何か案はあるか?」



「今はワシらだけじゃ『ギルド長』何て呼ば
                 無くともええじゃぞ?領主様よ。」


「ふ、確かにそうだな、ナイド爺
         それで、何にか案は無いか?爺。」


「そうじゃのう…、何もかくにも一度『魔の森』の調査に行かねば何とも言えんのぉ…
かと言って森浅い所まで行ける奴はそれなりにおるのじゃが、深くまで行けるような腕の立つ冒険者は儂とお主そして、お主の妻しか居らぬのが現状じゃ。」



「やはり、そうか此処のところSランク冒険者になれるような逸材が出て来てはいないと聞いているからな、予想はしていたが…。」



「今の所、AAA冒険者が2人とAAAランク冒険者1人に匹敵するAランク冒険者4人組パーティぐらいが、浅い所のギリギリの深さまで行けるメンバーじゃの…。」


「そうか…」


コンコンッ
「アイン、ナイドお爺様
飲み物を持ってきたわ、入るわよ?」



「あぁ、カイラありがとう。
ちょうど何か飲みたかったんだ入ってくれ。」



「パパー、ナイジィー、アイラもー
アイラも入るよー。パパ抱っこ~」


「こら、アイラ、パパとナイドお爺様は
大切なお話をしているのよ、邪魔したらダメよ?」


「おいおい、アイラは元気だなー
仕方ない、少しだけ抱っこしてやろう。」


「やったー♪。」


「もう、パパもアイラに弱いんだから。
すみませんナイドお爺様。」



「ホッホッ、ええんじゃええんじゃ
アイラはまだ3才じゃろう?子供が元気でいる姿はとても良いもんじゃ。」



「それで、ナイドお爺様
今回の件一体どうする事に決まったの?」



「カイラよ、それなんじゃがのう…
儂かお主らのどちらかが、森の奥に調査に行く事になったのじゃ。」


「そらなら、ナイドお爺様が
街にいてください。」


「いやいや、お主らにはアイラがおるじゃろう?じゃから、儂が行こうと思っとる。」


「うふふ、お爺様
アイラがいるからこそ私達が行きたいの」


「うぬぅ?どういう事じゃ?」



「お爺様、私達はこの領を守らなきゃならないの領主として、そして何よりもアイラと希望ある子供達がモンスターに怯えずに安心して幸せに暮らせるように、「此処には強い領主様達が居るから絶対に大丈夫」「モンスターなんかに負けない強い街なんだ」ってそう言って貰えるように私達がやらなきゃならないのよ。だから、私達が行ってる間アイラと街を頼みます。」



「カイラよ…。強くなったの。」



「うふふ♪そりゃ、アインの妻でありアイラの母ですもの。」



「わかった。お主らが行っとる間
儂はこの命を懸けてアイラと街を守ろうぞ。
何たって孫娘の頼みじゃ、安心せいアイラにもこの街の中もモンスターには、殺らせやせぬ!」




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