398 / 1,656
閑話 二人の遊びはまだまだ続く
しおりを挟む「あっはっはっ!!」
「くくく!!たのしいなぁ!!」
ソルティと剣聖さんが笑いながら打ち合っている、はたから見ればヤバい人たちが暴れてる・・・・にしか見えない。
が・・・・・見る人が見れば瞬きも忘れ見守るほどの戦い、それほどにレベルの高い戦いなのだから。
「楽しそうねぇ」
私はソルティと剣聖さんが戦ってる間に他の敵を確実に倒していく。
もしここを抜けられると本陣の大将を守るのは4人、行かせるわけにはいかない。
「まあ、此処を抜ける事は絶対に許さないんだけどね」
己が誇りと師団長の矜恃にかけて絶対に。
「・・・・・って終わっちゃったわ」
淡々と倒し続けていたらもう立っているのは一人・・・剣聖さんがだけとなっていた。
「なあ・・・・『今』はただのソルティ・レイブンさんよ一つ提案があるんだが?」
何回・・・いや何十打ち合っただろうか?剣聖と打ち合っていて一呼吸した所で剣聖さんがなんか言ってきたので構えたまま聞いてみる。
「俺と結婚しないか?、俺とやり合える女性なんぞ初めてだ、だからこそ俺にふさわしい」
・・・・・いきなり何を言ってんのこの男?結婚?ありえないわ!!
「断るわ、もう旦那様は居るのよ、それに貴方と渡り合えるのは私だけじゃない、そこの彼女、アンヌシアもあなたとやり合えるわ」
私の言葉に嬉しそうな顔になる剣聖さん。
「貴方の世界は狭いわね・・・・世界にはまだまだ強い者はいっぱいいるわ。私やアンヌシアだって勝てない相手はいるのよ・・・・・身近に一人知ってる」
アンヌシアが勝てなかった相手、討伐者のレン・・・あの子を見た時勝てるビジョンが見えなかった、私一人でエレメンタルウルフやタイラントには勝てるかどうかわからない、なのに彼女は勝ち、従魔としてる。
「退屈ならば世界を旅しなさい・・・・って話はお終いよ、アンヌシアが待ってる、終わりにする」
私は踏み込んで踊るように剣をふるい出す。
右・左・右・左・右・左と緩急を付けながらが攻撃していき、相手が私の動きに慣れてきた瞬間左右同時に横凪放つ、がそれを器用に剣一本で防ぐ。
・・・・・・が!これが狙い!双剣を剣で押さえ込んでいる所に下から顎を蹴り上げその後に首筋に剣を添える。
「・・・・・参った」
剣聖さんが剣を下に置き両手をあげる。
「私達はこれからあなた達の本陣にい行くわ、負けたのだからここで大人しくしていなさいな?間違っても私達の本陣に行こうとは思わない事ね」
「もちろんだ、俺はそんな恥知らずじゃない」
視線をアンヌシアに向けると微笑みながら歩き出して感想を聞いて来た。
「楽しかった?」
「まあドルクよりは弱かったわね、でも楽しめたわ!」
「譲って良かったわ、楽しめたようで何より、でもソルティ?ごちそうさまって事で」
「ん?」
「私52人倒したわよ?」
「あ!!」
試合に勝って勝負に負けたわ!!
「あら?本隊を避けて来たのかしら?」
ソルティと敵本陣に着き守っている兵の中で兵に見えない女の子・・・つまりこの本陣の主が武器を構えながら聞いて来たので、勘違いしないように教えてあげる。
「いいえ?倒して来たわ、剣聖さんは相棒のソルティが倒したけどね」
「・・・・・・・・そう・・・お師匠様が負けたの・・・・・でも私とて女王を目指した者、背を見せたりはしません」
正直この国の上層部にはいい感情は持っていなかったけど、次世代にはいいものがそろっているわね、あの荷物は別として。
「そう、ならば私が相手してあげましょう、この手合わせを後々の糧としなさい」
一呼吸で女の子の懐に飛び込み石突の方で顎を狙うようにすくい上げる、がバックステップで躱されるが構わずに振り上げた石突をもう一歩踏み込んでその勢いを利用したような振り下ろし頭を狙う。
「ぐ!!」
避けられないと判断して剣で受け止め・・・・・・・きれずに剣を落とし、その時には槍先が女の子ののどのすぐ近くで止まっていた。
「参りました」
「ならこのフラッグはもらうわね」
その戦いを見ていた審判役の男は天に手を掲げて火の玉を飛ばす。
「ジェシー様の負けを確認しました、お疲れ様でした」
さて・・・・これでレンちゃんからのお願いは完了ね、でもまだ終了の合図は無いから時間はあるって事よね?
「ねえソルティ?時間がかなり余ったみたいだから少し遊ばない?」
「遊ぶ?何して?」
私は視線を【荷物】に向ける。
「丁度いいおもちゃがあるのよ」
「なるほど」
私の提案ににっこりと頷くソルティ。
「ひっ!!!」
顔を引き攣らせる荷物。
「「さあ!あそびましょう」」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
142
あなたにおすすめの小説
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる