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014 師団長
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「最初から全て裏から見ていたんだ」
急に現れた師団長は、俺にそう言ってきた。
そうか、見られてたのか。
「言っている事にウソは無いようだ」
「判ってもらえます?!」
「自分の経験則からだがな。
ウソを言っているようには見えん。言ってる事は荒唐無稽だが、だからこそウソでは無いと思える。
どんなにバカでも自分が疑われるような証言はしないからな」
褒められているのかディスられているのか。
ま、まぁ信じてもらえたので良しとしよう。
師団長さんは高齢と言えるかどうかくらいのオジサン。
50~60歳くらい?
色々な人を見てきたのだろうね。
「それに今使っている防御魔法。俺が本気で切りかかっても突破出来ないだろうな」
「師団長でも?!」
「本当ですか?!」
「信じられない……」
どうやら師団長は豪腕らしい。
よく見れば確かに体格が良いし、無駄肉が無い感じがする。
「それでだ。お前は何が望みなんだ?」
「服が欲しいです!」
「それは見れば判る。そういう事じゃなくてな? もっと大きな望みだ」
「大きな望み?」
「例えば、その魔法の力で宮廷魔法師になりたいだとか、近衛騎士になりたいだとか、国を脅かすだとか」
「そんな大それた事は考えてないですよ!」
「じゃあ何だ?」
俺の望みか……。
ま、悩む事はなく最初から決まっているんだが。
「自分は世の中のあらゆる事を知りたいんです!」
「情報屋になりたいのか?」
「そうじゃないんです! 元々学者なんですけど、『太陽は何故明るいのか』とか『炎は何故熱いのか』とか。
こういう事を解き明かしたいんです!」
「それは神がそうあれと創造したからだろ?」
「ほらっ! またそう言う! それは思考の停止です!
最終的にはそうなるでしょうが、そこにたどり着くまでのプロセスが短すぎます!」
「あ~、居るわ、こういう奴。王都の研究者に多いタイプだ。相手すると面倒なんだよな……」
呆れられた。
しかし、良い情報だ!
王都には同じ考えの人が居るらしい!
是非とも会って討論したいものだ。
「……もしかして、お前」
「なんです?」
「そういうのが知りたくてドラゴンに会いに行ったのか?」
「そうですけど?」
「うわ~、アホだ。こじらせてるわ」
ドラゴンに続いて、ここでもアホ呼ばわりされた。
「ドラゴンとは会話出来るのか?」
「出来ますよ! ドラゴンというのはですね!」
「あっ、ストップ!」
「えっ?」
「この手の奴に語らせると長いのは知ってる。だから、俺からの質問には『はい』か『いいえ』だけで答えろ」
「……はい」
「よし」
確かに今俺は、少なくとも10分はプレゼンしようとしてた。
長くなる自覚があるので、大人しく従う事に。
「ドラゴンは喋れるのか?」
「はい」
「意思の疎通が出来る?」
「はい」
「味方になってくれるのか?」
「…………いいえ」
「答えに詰まったな。どういう事だ? 少しだけ喋って良いぞ」
「人間に興味が無いようで、俺が助けてもらったのはたまたまみたいです」
「ふむ……ドラゴンは無意味に人を襲ったりしない?」
「はい」
「なるほどな……」
師団長さんはドラゴンの存在を認めた上で、危険が無いか確認したかったようだ。
「ドラゴンが怒るのはどういう時だ? 少しだけ喋る事を許す」
「見た事無いですけど、縄張りに入る事を嫌がってる感じでした」
「どこまでが縄張りだ?」
「分かりませんが、ここから見えるあの山は縄張り外だと思います」
「………………例えばだ、この国の人間がドラゴンの縄張りのある国にドラゴンの情報を流したとしよう。
それによってその国がドラゴンの縄張りに入ってきた。
その場合、ドラゴンはこの国も敵視すると思うか?」
なんちゅう具体例を!
『しない』と言ったら、その策を実行しそうで怖い!
でもあのドラゴンはしないだろうなぁ。入ってきた者だけ排除するだけな気がする。
……う~ん、どう答えたものか。
急に現れた師団長は、俺にそう言ってきた。
そうか、見られてたのか。
「言っている事にウソは無いようだ」
「判ってもらえます?!」
「自分の経験則からだがな。
ウソを言っているようには見えん。言ってる事は荒唐無稽だが、だからこそウソでは無いと思える。
どんなにバカでも自分が疑われるような証言はしないからな」
褒められているのかディスられているのか。
ま、まぁ信じてもらえたので良しとしよう。
師団長さんは高齢と言えるかどうかくらいのオジサン。
50~60歳くらい?
色々な人を見てきたのだろうね。
「それに今使っている防御魔法。俺が本気で切りかかっても突破出来ないだろうな」
「師団長でも?!」
「本当ですか?!」
「信じられない……」
どうやら師団長は豪腕らしい。
よく見れば確かに体格が良いし、無駄肉が無い感じがする。
「それでだ。お前は何が望みなんだ?」
「服が欲しいです!」
「それは見れば判る。そういう事じゃなくてな? もっと大きな望みだ」
「大きな望み?」
「例えば、その魔法の力で宮廷魔法師になりたいだとか、近衛騎士になりたいだとか、国を脅かすだとか」
「そんな大それた事は考えてないですよ!」
「じゃあ何だ?」
俺の望みか……。
ま、悩む事はなく最初から決まっているんだが。
「自分は世の中のあらゆる事を知りたいんです!」
「情報屋になりたいのか?」
「そうじゃないんです! 元々学者なんですけど、『太陽は何故明るいのか』とか『炎は何故熱いのか』とか。
こういう事を解き明かしたいんです!」
「それは神がそうあれと創造したからだろ?」
「ほらっ! またそう言う! それは思考の停止です!
最終的にはそうなるでしょうが、そこにたどり着くまでのプロセスが短すぎます!」
「あ~、居るわ、こういう奴。王都の研究者に多いタイプだ。相手すると面倒なんだよな……」
呆れられた。
しかし、良い情報だ!
王都には同じ考えの人が居るらしい!
是非とも会って討論したいものだ。
「……もしかして、お前」
「なんです?」
「そういうのが知りたくてドラゴンに会いに行ったのか?」
「そうですけど?」
「うわ~、アホだ。こじらせてるわ」
ドラゴンに続いて、ここでもアホ呼ばわりされた。
「ドラゴンとは会話出来るのか?」
「出来ますよ! ドラゴンというのはですね!」
「あっ、ストップ!」
「えっ?」
「この手の奴に語らせると長いのは知ってる。だから、俺からの質問には『はい』か『いいえ』だけで答えろ」
「……はい」
「よし」
確かに今俺は、少なくとも10分はプレゼンしようとしてた。
長くなる自覚があるので、大人しく従う事に。
「ドラゴンは喋れるのか?」
「はい」
「意思の疎通が出来る?」
「はい」
「味方になってくれるのか?」
「…………いいえ」
「答えに詰まったな。どういう事だ? 少しだけ喋って良いぞ」
「人間に興味が無いようで、俺が助けてもらったのはたまたまみたいです」
「ふむ……ドラゴンは無意味に人を襲ったりしない?」
「はい」
「なるほどな……」
師団長さんはドラゴンの存在を認めた上で、危険が無いか確認したかったようだ。
「ドラゴンが怒るのはどういう時だ? 少しだけ喋る事を許す」
「見た事無いですけど、縄張りに入る事を嫌がってる感じでした」
「どこまでが縄張りだ?」
「分かりませんが、ここから見えるあの山は縄張り外だと思います」
「………………例えばだ、この国の人間がドラゴンの縄張りのある国にドラゴンの情報を流したとしよう。
それによってその国がドラゴンの縄張りに入ってきた。
その場合、ドラゴンはこの国も敵視すると思うか?」
なんちゅう具体例を!
『しない』と言ったら、その策を実行しそうで怖い!
でもあのドラゴンはしないだろうなぁ。入ってきた者だけ排除するだけな気がする。
……う~ん、どう答えたものか。
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