好奇心は身を滅ぼす?

お子様

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018 持ち上げる

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牢屋の生活……思った以上に快適!
だって、ベッドがあるもん! テーブルだって椅子だってある!
食器も俺の手作りじゃない!

す、素敵!!



翌日。

早速荷台が持ち込まれた。
と言うより、これは馬車だな。馬が引くやつ。
中には椅子も無いので荷台とも言えるけど。

「まずはこれを持ち上げてみろ」

馬に繋ぐ部分を握り、精霊に頼んでから持ち上げる。

「こんな感じです」
「垂直になってるぞ! 乗れないだろ!」
「いや、だから、側面と底に取っ手が欲しいんですよ!」
「そ、そうか。そうだな。おい、取り付けろ」

師団長さんが指示を出し、兵士が取り付ける。
外れないように頑丈にしている。
全体の重さが軽くなるから頑丈じゃなくても大丈夫なんだけどな。
頑丈な方が安心出来るだろうから、ここは黙っておくのが正解だろう。

「ほれ、側面は出来たぞ。底につけるから倒してくれ」
「えっ? まだ魔法は切って無いので、誰でも出来ますよ?」
「はぁ?! ……本当だ」

師団長さんが馬車を持って倒した、
あまりの軽さに驚いたようだ。

兵士も持ち上げる順番待ちをしている。
まぁ面白いよね。上がるはずの無い馬車を持ち上げられるんだから。

全員が持ち上げ終わったら、底への取っ手の取り付けが始まった。
安定感を考えて横長の棒が付けられている。

「出来たぞ。これで乗っても大丈夫なんだな?」
「ええ、そうですね」
「どれ…………ふむ、持ち上げやすいな。では荷物を乗せてみよう」

あれ?
俺そっちのけで実験が進んでる?

荷台に荷物を積み込んで、師団長さんが持ち上げようとしてる。

「ふぬぬぬぬぬ……上がらんではないか!!」
「そりゃそうですよ。荷物には魔法がかかってないですから!」

どうやら荷台に積んだ物も荷台ごと軽くなると思ってたようだ。
精霊は機転を利かせてやってくれる事も多いが、今は俺が関わって無いからねぇ。

持ち上げ役は俺になり、持ち上げてみる。
勿論精霊にはお願い済みだ。

「こんな感じです」
「……本当に持ち上がるんだな。
 う~む、荷物は動かないように固定した方が良さそうだ。
 ついでに人間が持つ所も作った方が良いな。バランスを崩したら落ちそうな気がする」

的確な指摘。
確かに今、持ち上げる時にちょっと傾けちゃったからね。



この後、兵士を乗せて実験し、これも成功。
最後に、荷物と兵士で実験して終了となった。

「出発は明後日で良いか?」
「俺はいつでも大丈夫ですよ」
「では明後日で。搭乗人数は4人。荷物は食料やドラゴンへの捧げ物となる」
「荷物は俺が預かりましょうか?」
「収納の魔法で、という事だろう?」
「そうです」
「その必要は無い。万が一、お前と離れたらマズいからな」

あっ、そういう事ね。
例えば、俺が山の頂上で荷台ごと置いていったらどうなるか。
食料も無い状態で歩いて帰らなければならなくなる。

つまり完全には信用していないという事。
そりゃそうだろう。
怪しさ満点のヤツを信用する方がおかしい。

出身地も判らないヤツを簡単に信用する世界の方が変なのだ。
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