好奇心は身を滅ぼす?

お子様

文字の大きさ
22 / 62

022 専属契約

しおりを挟む
魔法を使えなくする方法は他の匂いも検証するらしい。
俺も加わって研究したい。逆に集める事の出来る匂いもあるかもしれないしね。

「魔法を使えなくなるという事で思い出したのですが……」
『ん? 何だ? 言ってみろ』
「は、はい。近年、火を使う魔法が発動しなくなったのです。
 妖精や精霊に何かあったと考えれば辻褄が合います。何か知っている事はありませんか?」
『ああ。知っているぞ』
「本当ですか?! それはお教え頂けますか?」
『教えるも何も、原因は目の前に居る』

ドラゴンの視線を感じる俺。
他の人の視線も自然と集まってくる。
……えっ?! 俺が原因なの?!

「え~と、どういう事でしょうか?」
『先程も言った通り、精霊は1対しかおらぬ。
 その片方はドラゴンである我と契約をしている。残った片方がそやつと契約した。
 だから契約をしていない精霊が居なくなった為に、妖精が要請しても発現しなくなっただけだ』

なんという新事実!!
精霊は契約をすると、他の仕事はしないらしい!
専属契約だったのかよ!

「チョット待って! 俺は悪くないよ! だって俺だって精霊とか見えないし話せないんだから!
 そこのドラゴンが契約しろって言ったから、知らずに契約しただけだよ! 本当だよ!」
「…………確かに知らなければ契約してしまうかもしれんな」
「ですよね! 契約すれば簡単に使えるようになるって言われたらしますよね!」
「しかし、その時に、今聞いたような話を質問しなかったのか? 質問好きなお前が?」
「質問する前に、ドラゴンが話をドンドン進めてたんですよ?!」
「………………それにしても、聞きたくなかった真実だな」

俺も知りたくなかった。
世界中で使えなくなったのは俺のせい、なんてシャレにならん。

「……その、解約とかは出来ないものなのでしょうか?」

おおっ! 師団長さん、良い事言った!
それっ! それな! 解約すれば問題は無くなる!

『解約するなんて言えば、怒って逆に暴走するぞ?
 弱火で頼んでも街を焼き尽くす程の炎を出すとかするかもしれん』
「そ、それほどに契約は大事なのですね……」
『そういうが、それは人間も同じであろう?』
「た、確かにそうですが……」
「か、解決策は! 解決策は無いのでしょうか?!」
『ふ~む、そうだなぁ……。ま、ここで考えてもしょうがない。本人に聞いてみた方が早い』

そう言うと、ドラゴンは見えない何かと会話を始めた。
もうここに来てたのか。聞かれてたらヤバかったか?

『……うむ、判った。そう伝えてみよう』
「ど、どうですか?」
『まず、契約内容は秘匿。次に捧げ物を倍にする事。
 最後に、こやつが火を使っていない時だけは弱火に限って使用可能にする。
 ただし、こやつが使う場合は、他の者は使用不可になる。で、どうだという提案だ』

俺には大したデメリットは無いな。せいぜい捧げ物が倍になるだけだ。
他の人は弱火なら使えるようになる。
良いんじゃないでしょうか?

「弱火というのは、どの程度でしょうか? 聞いて頂いてもよろしいでしょうか?」
『……薪に着火する為の火程度だそうだ』
「ありがとうございます」

つまり攻撃魔法としては使えないって事か。
それでも無いよりはマシだろう。
今までライターを使ってたのに、火打ち石で着火しなきゃならなくなってたような事でしょ?
それがマッチは使用可能になるって事だ。

「……その程度であれば………………今と変わらないですね」
「そうなんですか?」
「魔石を使えば、着火くらいは出来るからな」

へ~、そうなんだ。
俺が学者だった頃は、まだ魔石は使用方法が分からず研究中だったからねぇ。

「魔石は精霊の管轄じゃないんだ?」
『あれは星の管轄だ。ダンジョンで出てくる物になっている』

そうだったんだ。
魔石は研究所に置いてあったので、採掘場所までは知らなかったわ。

「ってか、ダンジョン! そう! 魔石も気になるけど、ダンジョンについて教えてくれ!」

気になってたんだよ、ダンジョン!
ファンタジーで定番のアレ! 気になる~!
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...