好奇心は身を滅ぼす?

お子様

文字の大きさ
53 / 62

053 やっとギルド

しおりを挟む
「ところで、調査の為にダンジョンに入られるのですか?」
「え~と、何か問題が?」
「いえ、先程も言いましたように、格好が……」

確かにダンジョンに入る為の服装じゃない。
俺も疑問に思わなかったから、やはりラノベに影響されているのかも?

しかし、あんなに重装備したくない。
重力をイジれば気にならないかもしれないけど。
と言うか、よく考えたら精霊が守ってくれるので、このままでも問題無いと思う。

「大丈夫です。ちょっとした秘密があるので」
「は、はあ。そうですか。では冒険者証をお願いします」
「えっ?! 居るんですか?!」
「お持ちでは無いのですか?! いえ、絶対に必要と言う訳ではありませんが……」

兵士さんはその場で親切に説明してくれた。

入ってモンスターを倒せばドロップ品が入手出来る。宝箱もある。
それらを売却するのには、冒険者の方が良いらしい。
何故かと言うと、信用出来ないから。

例えば肉をゲットしたとしよう。
それを肉屋に売りに行く。その時、一般人が持ってきた肉と冒険者が持ってきた肉、どちらが怪しく見える?
当然一般人が持ってきた肉だ。どこから入手した?となる。
話せば理解してもらえるかもしれないが、どこに行っても説明しなきゃならなくなる。
それなら最初から冒険者登録してた方が早いという訳。

ついでに言えば、冒険者ギルドではまとめ買いもしてくれるらしい。
肉を肉屋に、鉱物を鍛冶屋に、なんて、回らなくても良い。
デメリットは、少し買取金額が安くなる事くらい。
もっと言えば、冒険者ギルドが雇っているポーター(荷物運び)も雇えるそうだ。

金は一杯あるし、荷物は収納魔法でどうにでもなる。
別に加入しなくても良いかな?

『よし! じゃあ登録しに行こうぜ!』
「えっ? 行くの?!」
『当たり前だろ! 冒険者になるのが定番だぞ! 身分証にもなるし!』
「いや、身分証あるし」
『良いじゃないか~! 登録しようよ~! 頼むよ~!』

ハリーが駄々をこね始めた。
可愛い女の子なら許せるけど、ハリネズミにされてもなぁ。

……まぁ長い付き合いになりそうだし。
しょうがない、ここは妥協しておくか。

「判った判った。登録しに行こう」
『ヨッシャー! 俺も今日から冒険者だぜ!』
「判ったから落ち着け。って事で登録してきます」
「了解しました。冒険者ギルドはそこの石造りの建物です」
「ありがとうございます」

やっぱりダンジョンの近くにあるんだね。
街中にあるよりも便利だもんな。



早速向かう事にしたのだけど……ハリーの様子がおかしい。
ぐふぐふ笑いながら、何かブツブツ言ってる。

「お~い、正気に戻れ~」
『悪い悪い。今から起きる事を考えてたんだ』
「今から起きる事? ギルドに行って登録して、そのままダンジョンに行くんだけど?」
『判ってないな~。これだから素人は』

何に対しての素人扱いなのだろうか?

『ガラの悪いヤツに絡まれるだろ? それから喧嘩になるだろ?
 勝利するとギルドマスターやお偉いさんが出てきたりするだろ?』
「は? 何で?」
『違うパターンだと、困ってる冒険者とか苛められてる冒険者と出会うかな?
 そういう時は大体、対象は女の子か子供だな。
 で、助けて、惚れられたり尊敬されて兄貴と呼ばれたりするんだよ』
「え~と……」
『後は……そうだ! 俺が人間じゃないから登録出来ないとかありそう!
 で、実力を見せる流れになるんだ。圧勝して注目される! 「目立ちたくない」とか言わないとな!』

俺はハリーにでこぴんをする。

『痛ぇ!!』
「落ち着けっての。そんな事になる訳無いだろ」
『何でだよ?! 異世界だぞ! なるに決まってる!』
「じゃあ質問するけど、冒険者ギルドってどんな組織ってか会社だと思ってるんだ?」
『国にも意見できるどこ国にもある組織!』
「そんな組織がガラの悪いヤツや苛めるようなヤツを雇ってる訳無いだろ?」
『いや、来るもの拒まずの組織だし……』
「過去は問わず、実力があれば加入出来るって事か?」
『そう! そういう事!』
「だとしたら尚更そんなヤツは居ないだろ。
 だってそんなヤツらが居たら評判が落ちるじゃないか。
 普通の組織なら、加入後に教育されるだろ。逆らえばクビになる前提で。
 誰でも加入出来るって事は、そういう事だぞ?」
『だって、そういうヤツが居なきゃ主人公の強さや優しさがアピール出来ないじゃないか!』

アピールするためって判ってるじゃないか。
要は「俺Tueeee」って自慢したいだけでしょ?

「はいはい、ハリーは強い。強いよ。さ、さっさと行って登録しよう」
『流すなよ!』

相手するだけ無駄だと判ったので、早く行くとしよう。
入ってしまえば現実が判るだろうし。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

30歳の英雄王は転生勇者を拾い無双に育てます

蒼井青龍
ファンタジー
山奥の小屋でのんびり暮らしていた 英雄王のライに、現世から転生してきた赤ん坊を立派な無双勇者に育て世界を魔王族から守る 英雄譚

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...