好奇心は身を滅ぼす?

お子様

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054 冒険者の仕組み

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冒険者ギルドに到着。
うん、普通の建物。居酒屋と言われても納得するくらい普通。

中に入ると、戦士姿の冒険者が10人くらい居た。
正面には格子の付いている受付みたいな所が2箇所ある。銀行の窓口みたいな感じ。
右手側には売店のような所があり、左手側には調理場の流し台みたいな所にオッサンが一人。

『早速受付に行こうぜ!』
「どれが受付?」
『見たまんま、正面のだろ』

何故か詳しいハリーの言う通りにしておこう。
俺としては売店のような所に並んでいる物が気になるんだが。

左側は使用中っぽいので、右側の受付に行く。
受付は女性か。まぁ、鉄格子があれば、武器持った冒険者相手も出来るだろう。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で?」
「あっ、えっと、冒険者に登録がしたくて……」
「判りました。……えっと後見人の方は?」
「へ? 後見人?」
「はい。登録するには後見人が必要です。あっ、勿論書簡でも構いませんが」

冒険者には後見人制度があった。
詳しく聞いてみると、更生した犯罪者でもなれるようにとの事。
逆に犯罪等、変な事をすれば後見人に罰則や賠償が行く場合もあるらしい。勿論本人が逃げた時だけど。

ハリーが言ってた「来る者拒まず」では無いようだ。

とりあえず、国に貰った手紙を差し出してみる。

「これで大丈夫ですかね?」
「書簡ですね。内容によっては確認作業が必要な事もあります。
 その場合は、確認が取れるまで登録が終了しない事をご了承ください」
「大丈夫です」
「では拝見いたします。………………すぐに登録致しますね!」

どうやら問題無いようだ。確認作業も要らないみたいだ。
まぁ、陛下の署名と印があるからね。疑う事は出来ないだろうな。
偽造なんかすれば、死罪でも不思議じゃないもん。

「ではこちらの書類をお書きください」

渡された紙には、名前・年齢・住所・性別・連絡先・特技・同行者、を書くようになっていた。

名前・性別は良いとして、年齢か……。
前に18歳くらいに見えると言われたので、18歳としとこうか。バレないだろ。

住所は……不定って訳にはいかないよな。
しょうがない素直に書くか。「ドラゴンの住む森の中」と。

連絡先は住所と同じだろと思い聞いたら、行方不明になった場合に連絡する相手の事だそうだ。
これも悩んだけど、素直に書く。「国王陛下とドラゴン」で良いでしょ。

特技は冒険に役立つ事を書く欄らしい。
なので「魔法が使える」と書いておいた。

同行者とは、RPGで言う所のパーティーの事らしい。
ここには「ハリー」と書いておく。これで完成だ。

ハリーは自分で書いている。器用だなぁ。
受付の女性も驚いている。

「出来ました」
「あっ、は、はい……。あの~、こちらは?」
「ハリネズミのハリーです。人間と同じくらい賢いので安心してください」
「は、はぁ……」

受付の女性は混乱しつつも、書類を受け取り何かを書き込んでいる。
う~ん、さすがプロ。

ハリーも書いた物を渡している。
そちらにも何かを書き込んでいる。

そして出来た2枚を手紙と一緒に、後ろに居た男性に渡した。

「では、登録が終了するまでに簡単な説明をさせて頂きます」
「お願いします」

そこで教えられたのがこれ。

冒険者のレベルは1からスタート。
1~20は新人、21~40は普通、41~60はベテラン、61~80は一流、81~は超一流。
21・41・61・81になるには試験がある。
依頼を達成すればポイントが入り、ポイントが100になるとレベルが1増える。
ポイントは依頼の内容によって変化。
例えば薬草を10本取ってくるという依頼なら、達成で1ポイント、状態の良さで1ポイント、鮮度で1ポイントとか。
ちなみに倍の20本取って帰ってもポイントが倍にはならない。
不要だし、下手すれば無駄に取って数を減らしたとなり減点になる事も。
依頼を失敗した場合、マイナスポイントになるのは当然だが、理由次第では大丈夫な場合もある。
例えば何らかの理由でダンジョンが死んでモンスターが出なくなったとか。

ハリーが聞いたのは「冒険者同士の決闘とかあるのか?」という変な質問。
返答は勿論無いとの事。
それどころか、街中で武器を抜いたり構えたりしたら逮捕されるってさ。
当たり前だよね。日本でも森林内じゃなく街中でチェーンソーを構えてたら逮捕されるわ。喧嘩しても逮捕されるし。

右手側にあるのはやはり売店で、ダンジョンで必要になるような物を売ってるそうだ。
左手側にあるのは、買取カウンター。
ダンジョン内で入手した物や依頼で取ってきた物を収める場所らしい。

依頼は張り出してある訳ではなく、レベルに応じて受付で可能な物を勧められるんだって。
張り出していた時もあったらしいが、勝手に上のレベル推奨の依頼をやってくるバカが居たので止めたそうだ。
それを聞いたハリーが舌打ちしてた。やる気だったらしい。

ちなみに、依頼に関係無い物を取ってきてもポイントは入らないらしい。
例えばドラゴンの鱗とかを貰ってギルドに持ち込んでもダメ。
それが依頼にあったとしても受けて無ければダメなんだってさ。
それを聞いたハリーが「一気にレベル100超えする野望が~!」と嘆いていた。

結局の所、レベルって強さとかじゃなくて、冒険者としての信頼度や貢献度のようだ。
だから強くてもレベル1から始めるのだろう。
俺達のように国の後ろ盾があってもレベル1スタート。

ハリーはまだ聞きたいようで「指名依頼や強制依頼は?」と言ってる。
指名依頼ってのはあるらしい。しかしレベル41以上じゃないと無いそうだ。信用出来ないからだろうね。
強制依頼ってのは無いってさ。強制する理由が無いし、出来ないそうだ。
そりゃそうだ。どんな職業でも仕事を断る権利はあるだろ。
ハリー曰く「名誉な事だし、報酬も良いんだぞ!」って事らしいが。
いやいや、だからって例えば“ドラゴン倒してきて”って強制依頼出たらどうすんだ? 絶対死ぬぞ?
もしそんな制度があるなら、受けておいて他国に逃げるね。

最後に言われたのは、冒険者ギルドは色々な所にあるけど、基本的には依頼を受けた所に完了手続きをする事。
この街で薬草が居るのに、他の街に持ち込まれても困るって事だ。
別の街で良い場合は、例えば護衛で街から街へ行く場合とか。


細かい事はまだまだあって、後で読んでくださいと小冊子を渡された。
ハリーは嫌そうな顔してるけど、俺は嬉しい。勉強だ!
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