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055 ギルドの所長
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すぐに登録が終わるかと思ってたけど、なかなか終わらない。
奥に目をやると男性が頭を抱えてた。
そして俺達は、その後に別部屋に通された。
「私はここのギルドの所長です」
「は、はぁ、どうも」
「あの~、住所が『ドラゴンの住む森の中』となってますが……事実ですよね?」
「はい、そうです」
「ですよね~。困ったなぁ……」
何か問題でもあるのだろうか?
あっ、そうか。具体的な住所じゃないからダメなのか!
そう思って聞いたけど、そういう事じゃないようだ。
「登録証に記載するんですけど、誰が見てもこんな住所じゃ登録証が偽物と思われてしまいます」
「……確かに!」
「それにですね、他の地の冒険者ギルドに行かれて登録証を見せた時に、私の正気が疑われます」
こんな住所で登録した所長、大丈夫か?となると。
うん、俺もそう思うだろうな。
「後、連絡先も同じです。国王陛下はまだ良いです。ドラゴンってのは無理です」
ですよね。
「なので提案なのですが、いっその事、城に住んでいるという事にしてはどうでしょうか?」
「いや自分は構わないんですけど、それって偽造になりませんか?」
「陛下には自分から領主を通じて書簡を送ります。ロキスル殿の同意される署名だけ頂ければ」
「判りました。書かせて頂きます」
「助かります」
これで終わりかと思ったら、もう1つあるそうで。
「特技なんですけど『魔法が使える』と書かれています」
「そうですね」
「あの、誰でも使えますよね? 特技にはなりえないんですけど……」
あっ、そうだったわ。
ドラゴンのせいで変な魔法ばかり覚えたから、その感覚て書いてしまってた。
「じゃあ『特殊な魔法が使える』ってのはどうでしょうか?」
「それはどのような? 記載出来ないような魔法ですか?」
「書いても良いですけど、信じてもらえないと思いますんで」
「聞いてもよろしいですか?」
「はい。重力魔法……物の重さを変えられる魔法ですね。それから異世界に物を仕舞う収納魔法とか」
「あっ、はい。判りました。『特殊な魔法が使える』で行きましょう!」
説明したらあっさりと許可が出た。
見せる準備もしてたんだけどなぁ。どうやら知りたくないらしい。
『ここは「見せてもらえますか?」って言う所だろ!』
突然ハリーがバカな事を言いだした。
このまま収めれば良いじゃん!
「何で見せる流れに持っていきたいんだよ?」
『見たギルドマスターが、その力を上手く言葉巧みに利用しようとするんだよ!
違うパターンだと、「見せられない」「いや、見せろ」って問答になって喧嘩別れするんだよ!』
「どっちも碌な事じゃないな……そんな事するんですか?」
「しませんよ!! 陛下とドラゴンと繋がりがあるような人を利用するなんて、バカのやる事ですよ!!」
『そんな事じゃあ、ギルドマスター失格だぜ?!』
「いや、私は一地方のただの所長ですし……」
ハリーの考えてるギルドマスター像と、実際の冒険者ギルドの所長とはかなり違いがあるようだ。
ハリーは世界規模の組織だと思っているようだけど、実際は違うらしい。
大企業の傘下グループと言うよりも、フランチャイズ契約みたいな感じ。
だから各地方のギルドは独自の規則も作れるし、販売買取価格も自由に決められる。
統一されているのは登録証の作りと、大まかな規則だけ。
なので、ここのギルドでレベルが100になったとしても、他の地のギルドでは通用しないそうだ。
少しは考慮されるらしいけどね。
簡単に言えば「王都のギルドでレベル100ですか、じゃあここではレベル10からにしてあげます」みたいな。
なので色々な地のギルドでレベルを上げておけば、次に訪れた地で少し楽になるようだ。
後、半民間企業なので、国の決定には逆らえない。
なぜ半なのかと言うと、領主が許可を出して出資して営業しているから。
武器を持った人間がウロウロするのだから、警戒するのは当然。だから領主の許可が要る。
出資するのは許可を与えたのだがら、儲ける為。なので儲からないと思われると許可が降りず作れない。
いざという時は兵として使う事もあるそうだ。依頼として出すから冒険者と言うよりも傭兵だね。
その為には、現在登録している者の事を知る必要がある。出資してれば提出させられる事が可能。
逆にハリーが考えてたのは、荒唐無稽なものだった。
冒険者は国に縛られない、暴れる者が一定数居る、国にも意見出来る程の力がある、戦争には加担しない。
レベルは全てのギルドで統一、ギルド同士の通信手段(魔法具?)がある、レベルはアルファベット表記。
更には、高ランクになるとパーティー内の優秀な人を解雇する、高ランクなのに無能、なんてのもあった。
むちゃくちゃにも程があるだろ。
どれか一つでも無理っぽいのに。まぁその無理を補う為に、更に無理をした結果っぽいけど。
最後の頃には、俺も所長も苦笑いしか出来なかった。
所長に至っては「それで物語を書かれてはいかがですか?」と言ってた。
しかし、このハリーの語りで、良かった点が1つだけある。
それはハリーが見た目とは違い知性があると判ってもらえた事。
異例な事だが、冒険者として認めると言ってもらえた。
長かったが、これでやっと冒険者として登録する事が出来た。
さぁ、ダンジョンだ!!
奥に目をやると男性が頭を抱えてた。
そして俺達は、その後に別部屋に通された。
「私はここのギルドの所長です」
「は、はぁ、どうも」
「あの~、住所が『ドラゴンの住む森の中』となってますが……事実ですよね?」
「はい、そうです」
「ですよね~。困ったなぁ……」
何か問題でもあるのだろうか?
あっ、そうか。具体的な住所じゃないからダメなのか!
そう思って聞いたけど、そういう事じゃないようだ。
「登録証に記載するんですけど、誰が見てもこんな住所じゃ登録証が偽物と思われてしまいます」
「……確かに!」
「それにですね、他の地の冒険者ギルドに行かれて登録証を見せた時に、私の正気が疑われます」
こんな住所で登録した所長、大丈夫か?となると。
うん、俺もそう思うだろうな。
「後、連絡先も同じです。国王陛下はまだ良いです。ドラゴンってのは無理です」
ですよね。
「なので提案なのですが、いっその事、城に住んでいるという事にしてはどうでしょうか?」
「いや自分は構わないんですけど、それって偽造になりませんか?」
「陛下には自分から領主を通じて書簡を送ります。ロキスル殿の同意される署名だけ頂ければ」
「判りました。書かせて頂きます」
「助かります」
これで終わりかと思ったら、もう1つあるそうで。
「特技なんですけど『魔法が使える』と書かれています」
「そうですね」
「あの、誰でも使えますよね? 特技にはなりえないんですけど……」
あっ、そうだったわ。
ドラゴンのせいで変な魔法ばかり覚えたから、その感覚て書いてしまってた。
「じゃあ『特殊な魔法が使える』ってのはどうでしょうか?」
「それはどのような? 記載出来ないような魔法ですか?」
「書いても良いですけど、信じてもらえないと思いますんで」
「聞いてもよろしいですか?」
「はい。重力魔法……物の重さを変えられる魔法ですね。それから異世界に物を仕舞う収納魔法とか」
「あっ、はい。判りました。『特殊な魔法が使える』で行きましょう!」
説明したらあっさりと許可が出た。
見せる準備もしてたんだけどなぁ。どうやら知りたくないらしい。
『ここは「見せてもらえますか?」って言う所だろ!』
突然ハリーがバカな事を言いだした。
このまま収めれば良いじゃん!
「何で見せる流れに持っていきたいんだよ?」
『見たギルドマスターが、その力を上手く言葉巧みに利用しようとするんだよ!
違うパターンだと、「見せられない」「いや、見せろ」って問答になって喧嘩別れするんだよ!』
「どっちも碌な事じゃないな……そんな事するんですか?」
「しませんよ!! 陛下とドラゴンと繋がりがあるような人を利用するなんて、バカのやる事ですよ!!」
『そんな事じゃあ、ギルドマスター失格だぜ?!』
「いや、私は一地方のただの所長ですし……」
ハリーの考えてるギルドマスター像と、実際の冒険者ギルドの所長とはかなり違いがあるようだ。
ハリーは世界規模の組織だと思っているようだけど、実際は違うらしい。
大企業の傘下グループと言うよりも、フランチャイズ契約みたいな感じ。
だから各地方のギルドは独自の規則も作れるし、販売買取価格も自由に決められる。
統一されているのは登録証の作りと、大まかな規則だけ。
なので、ここのギルドでレベルが100になったとしても、他の地のギルドでは通用しないそうだ。
少しは考慮されるらしいけどね。
簡単に言えば「王都のギルドでレベル100ですか、じゃあここではレベル10からにしてあげます」みたいな。
なので色々な地のギルドでレベルを上げておけば、次に訪れた地で少し楽になるようだ。
後、半民間企業なので、国の決定には逆らえない。
なぜ半なのかと言うと、領主が許可を出して出資して営業しているから。
武器を持った人間がウロウロするのだから、警戒するのは当然。だから領主の許可が要る。
出資するのは許可を与えたのだがら、儲ける為。なので儲からないと思われると許可が降りず作れない。
いざという時は兵として使う事もあるそうだ。依頼として出すから冒険者と言うよりも傭兵だね。
その為には、現在登録している者の事を知る必要がある。出資してれば提出させられる事が可能。
逆にハリーが考えてたのは、荒唐無稽なものだった。
冒険者は国に縛られない、暴れる者が一定数居る、国にも意見出来る程の力がある、戦争には加担しない。
レベルは全てのギルドで統一、ギルド同士の通信手段(魔法具?)がある、レベルはアルファベット表記。
更には、高ランクになるとパーティー内の優秀な人を解雇する、高ランクなのに無能、なんてのもあった。
むちゃくちゃにも程があるだろ。
どれか一つでも無理っぽいのに。まぁその無理を補う為に、更に無理をした結果っぽいけど。
最後の頃には、俺も所長も苦笑いしか出来なかった。
所長に至っては「それで物語を書かれてはいかがですか?」と言ってた。
しかし、このハリーの語りで、良かった点が1つだけある。
それはハリーが見た目とは違い知性があると判ってもらえた事。
異例な事だが、冒険者として認めると言ってもらえた。
長かったが、これでやっと冒険者として登録する事が出来た。
さぁ、ダンジョンだ!!
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