神の不祥事に巻き込まれた

お子様

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014 授業

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 シロのフンをあるだけ麻袋に詰めて販売する事に。
3袋にしかならなかったが、定期的な収入と掃除になるのでありがたいと思う。

その為に今日も村に行く。今日は長居する事になるかも。
何故かと言うと、昨日村長に言われた事がきっかけだ。



「そうそう、クラウスから聞いたけど、この辺の事情を知りたいんだって?」
「あっ、そうなんですよ。色々知りたくて」

村長の言う“この辺”っていうのはここの村や周囲の街、大きく言えば国の話だ。
俺の考えてる“この辺”っていうのは、この世界の事情。常識やらマナーまで何でも。
なので微妙に食い違っているが、俺的には何を聞いても新鮮なので問題は無い。

「そういうのは明日宣教師の先生が来るから授業後に聞いてみたらどうだ?」
「宣教師? 授業?」
「ああ。こういう村に週に1回訪れて、子供に勉強を教えてるんだ。
 お前はよそ者だけど、まぁこれだけ村に貢献してるからそれくらいは許可しようじゃないか」
「ありがとうございます。じゃあ、明日伺います」

どうやらやっと村の一部が開放されるらしい。
そう言えば子供なんかこの村で見た事無かったわ。居たんだな。
怪しいよそ者には会わせないようにしてたんだろう。



って事で、フンの販売のついでに宣教師さんと会う事に。
いつものようにクラウスに連れて行ってもらう。

そこは門からまっすぐに進んだ先にある1本の木の下だった。
そこに子供達が椅子やら丸太やらに座って、木の下に立っている人の話を聞いている。
あの人が宣教師さんだろう。

どうやらまだ授業中のようなので、俺達は一番後ろに立って終了を待っている。
授業が聞けるのは嬉しい。

「今まで話したように、誰にでも魔力はあります。君が座っているその木にも魔力はあります。
 なのでこの星の中心にある魔力の塊に向かって引っ張られてるんですね。
 そうじゃないと大変ですよ? 飛び上がっただけで空まで行っちゃいますからね?
 どこまで行っても止まりませんよ? それこそお星様になってしまうかも?」

子供の笑い声が起きる。
ユーモアを交えた面白い授業だ。
それにしても俺からすると怖い授業内容だ。
星の中心に魔力の塊があり、魔力はそれに引っ張られて居るらしい。
つまり神に魔力をもらわずにこの世界に来ていたら、俺はお星様になってた可能性があるという事か……。

勿論これが真実かどうかは分からない。でもこの世界での常識っぽい話だ。
地球でいう引力とか重力の事だとは思うけど、現代でもそれを完璧には証明出来ないんだから、同じ事だとは思う。

そう考えていると、子供の中から質問が出た。

「じゃあ空を飛んでる鳥は魔力が無いんですか~?」
「良い質問ですねぇ。鳥にも魔力はありますよ。
 魔力が引っ張る力を1とすれば、飛ぶ力を2使っているんです。2-1はいくらですか?」
「1です!」
「よく出来ました。つまり上に行く力が1多いので飛ぶ事が出来るんです。
 そして羽ばたいたり風を捕まえる事で長い時間空に居る事が出来るんですよ。
 勿論魔力を消費するので、いつかは地面に降りないとダメですけどね?」

ここでも興味深い話が。
どうやら魔力は消費しても、地面に降りれば回復するらしい。これは地面から吸収するからか、それとも自然回復なのかは分からないけど。
吸収するとして靴を履いていても良いのかは不明。後で覚えていたら聞いてみようかな?

ここで宣教師さんは実践で教える事にしたようで、子供を2人立たせた。

「じゃあ私がこの星としましょう。君達2人は星に住んでいる人です。
 まず手を繋ぎましょう。はい、じゃあ離れようとしてください」

子供達は宣教師さんから離れようとするが、手を繋いでいるので離れる事が出来ない。

「はい。今は離れようとする力と同じ力で引っ張ってます。なので離れませんね。
 では左腕の力を緩めましょう。はい、少し離れましたね。これが空を飛んでいる状態です」

宣教師さんは縮めていた腕を伸ばした。なので子供は宣教師さんよりも少しだけ距離が離れたが、握った手は離されていない。
なので、腕を縮めるとまた子供は元の位置まで戻ってくる。
なるほど、分かりやすい。

「はい、協力ありがとうございます。戻って良いですよ。これで分かりましたね。
 無い事ですけど、空の上で魔力を使い切ったら二度と地面に降りれなくなるので気をつけましょうね?」
「「「はーい」」」

この世界では宇宙旅行はおろか、飛行機も無理そうだな。危険すぎる。

「今日の授業はここまでとしましょう。はい、解散です」
「「「先生、ありがとうございました!」」」

授業が終わってしまった。
もっと早く来て、最初から聞きたかったな。

子供達が解散すると、宣教師さんはこっちにやってきた。

「どうもクラウスさん。こちらの方が村長のおっしゃっていたケンさんですか?」
「そうです」
「あっ、どうも。ケンです」
「…………おや、ケンさんから神力を感じますね」

いきなり核心を付くような事を言われてしまった。
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