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051 城の形と結界
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道中は非常に暇である。
アイザックさんは御者をしているので忙しいが、俺達は乗ってるだけ。
しかもこの馬車、普通の馬車に見えたけど実は高性能だった。
現代の車並みのクッション性を備えていたのだ!
だが、現代の車のように音楽が流れる訳じゃなく。
DVDとかで動画が見られる訳も無く。
スマホや携帯式ゲーム機も無く。
やる事が全く無い。
結果、会話をするしか無い。
そこで俺は、疑問に思ってた事を色々と聞いてみる事にした。
「何でお城は平屋なの?」
「は? 2階建てだけど?」
「いや、そういう事じゃなく。なんて言ったら良いかなぁ……えっと、上に伸ばさないのか?」
そうなのだ。
日本で言えば二条城みたいな低いお城なんだよ。
異世界のお城と言えば、西洋風の城だろ?
もしくは東に向かった時に出てくる、日本風の城。
何でお城が低いのか。すごく気になったんだ。
周囲に堀はあったよ。ちゃんと水が入っていて、魚が泳いでた。
あれって、いざって時の食料らしいね。
「あのな、ドラゴンとか、空飛ぶ魔物が居るのに高いのを作る必要が?」
うわ~、すごく納得。
対人間なら高くても良いけど、ドラゴンとか相手にするなら不利か。
ってか、ドラゴンとかからすれば、高い建物なんて目立って、目標にされるかも。
「後、結界魔法ってのがある。発動させてるのは魔法道具なんだけど、結界はそれを中心に円形で展開される。
城の中心に魔法道具を置くとして、それの範囲内に建物を作るとする。
当然建物は円形に近くなっていくだろ? そうすると、中心って判りやすくなるよな。
どこにあるか子供でも判る。置いてある場所がバレるってのはマズいだろ?」
なるほど。中心の上空は一番高く建てる事が出来る。でもそれをするとその下にあるって言ってるのと同じ。
つまりわざと2階建てで終わらせておいて、どこが中心が判らないようになっているようだ。
考えられてるねぇ。
「その結界だが、空中・地中関係無く発動するものだ。
防ぐのは魔法。呪いも魔法の一種だから防げるはずなんだがなぁ……」
悪魔の力は防げ無かった事を言ってるのか。
カードの悪魔は神の力なので。神の力に勝てる物を人間が作れるはずがない。
AI付きの兵器を開発しても、自軍を攻撃出来ないようにするでしょ?
それと同じで、神様も自分が作った人間に、神を超える力を開発出来るようにはしないだろ。
ちょっと別の疑問が出たので聞いてみよう。
まぁこれもラノベの知識だけど。
「使ってない空中とか地中とかまでは無駄じゃない? 部屋だけ覆うとか建物自体にかけるとか出来ないのか?
それに何で物理攻撃は守らないの? 魔法で物を浮かせてぶつけてきたらどうするんだ?」
「その辺はファーの方が詳しい。ファーに聞いてくれ」
「そうなの?」
「はい、そうです。私の方が魔法は詳しいです」
「……何で敬語なの? 城に居た時は偉そうだったじゃん」
「あの頃の私は浅はかでした。今は反省しております。聖人様を相手に失礼な事は出来ません」
やっぱりシトリが何かしたな?
「いやいや、普通にしてて良いから。不敬とか思わないから。
って言うか、姫様に敬語使わせておいて俺が普通に喋ってたら、俺の方が不敬になっちゃうから」
「で、でも……」
「気にしなくて良いから。もし、悪魔が何か言ってきたら、俺が怒っておくから」
「そ、そうですか?」
あっ、明らかにほっとした顔になった。
カマかけてみたけど、やっぱり悪魔が関係してたな。
今度シトリを呼び出して問い詰めてみよう。
「それで、質問の答えは?」
「あ、はい。
範囲を限るのは大変な作業なの。それにその場合、発動時に障害物があったらそこは結界を張らなくなるのよ。
判りやすく言えば、結界を張る時に筒状の物を挟めれば、そこを通って結界内に侵入出来るようになっちゃう。
それを出来なくするには障害物を貫通する必要があるでしょ。
ではその貫通する結界が発動した時、結界の所に立っていた人間はどうなるでしょう?
多分、真っ二つになるわ。障害物扱いになっちゃうの。
そもそも、物理を防ぐ結界を作ったら、誰も通れなくなるわ」
あっ、本当だ。
安全の為に発動したら、誰も入れなくなりました。うん、バカみたいだね。
「建物に掛ける事も出来るけど、構造が複雑になるほど使用魔力が大きくなるのよね。
面が増える度に、必要な魔力が倍になるくらい。出入りする為のドアなんかあれば何倍になるのかしら?
もしそれで城を全部を守れたとしても、窓や扉が開けていたら穴が空いてそこから攻撃可能になるわよ。
なので魔法攻撃だけ防ぐ、円形が一番運用に向いているの」
途中から難しくなってきて理解が追いつかなくなった。
ま、まぁ、つまりは無理って事ね。
しかし、姫様は魔法が好きなんだって事がよく判る。
饒舌になったもん。
ついでに魔法についても聞いてみるかな。
子供に説明するような感じで回答して欲しいけど。
アイザックさんは御者をしているので忙しいが、俺達は乗ってるだけ。
しかもこの馬車、普通の馬車に見えたけど実は高性能だった。
現代の車並みのクッション性を備えていたのだ!
だが、現代の車のように音楽が流れる訳じゃなく。
DVDとかで動画が見られる訳も無く。
スマホや携帯式ゲーム機も無く。
やる事が全く無い。
結果、会話をするしか無い。
そこで俺は、疑問に思ってた事を色々と聞いてみる事にした。
「何でお城は平屋なの?」
「は? 2階建てだけど?」
「いや、そういう事じゃなく。なんて言ったら良いかなぁ……えっと、上に伸ばさないのか?」
そうなのだ。
日本で言えば二条城みたいな低いお城なんだよ。
異世界のお城と言えば、西洋風の城だろ?
もしくは東に向かった時に出てくる、日本風の城。
何でお城が低いのか。すごく気になったんだ。
周囲に堀はあったよ。ちゃんと水が入っていて、魚が泳いでた。
あれって、いざって時の食料らしいね。
「あのな、ドラゴンとか、空飛ぶ魔物が居るのに高いのを作る必要が?」
うわ~、すごく納得。
対人間なら高くても良いけど、ドラゴンとか相手にするなら不利か。
ってか、ドラゴンとかからすれば、高い建物なんて目立って、目標にされるかも。
「後、結界魔法ってのがある。発動させてるのは魔法道具なんだけど、結界はそれを中心に円形で展開される。
城の中心に魔法道具を置くとして、それの範囲内に建物を作るとする。
当然建物は円形に近くなっていくだろ? そうすると、中心って判りやすくなるよな。
どこにあるか子供でも判る。置いてある場所がバレるってのはマズいだろ?」
なるほど。中心の上空は一番高く建てる事が出来る。でもそれをするとその下にあるって言ってるのと同じ。
つまりわざと2階建てで終わらせておいて、どこが中心が判らないようになっているようだ。
考えられてるねぇ。
「その結界だが、空中・地中関係無く発動するものだ。
防ぐのは魔法。呪いも魔法の一種だから防げるはずなんだがなぁ……」
悪魔の力は防げ無かった事を言ってるのか。
カードの悪魔は神の力なので。神の力に勝てる物を人間が作れるはずがない。
AI付きの兵器を開発しても、自軍を攻撃出来ないようにするでしょ?
それと同じで、神様も自分が作った人間に、神を超える力を開発出来るようにはしないだろ。
ちょっと別の疑問が出たので聞いてみよう。
まぁこれもラノベの知識だけど。
「使ってない空中とか地中とかまでは無駄じゃない? 部屋だけ覆うとか建物自体にかけるとか出来ないのか?
それに何で物理攻撃は守らないの? 魔法で物を浮かせてぶつけてきたらどうするんだ?」
「その辺はファーの方が詳しい。ファーに聞いてくれ」
「そうなの?」
「はい、そうです。私の方が魔法は詳しいです」
「……何で敬語なの? 城に居た時は偉そうだったじゃん」
「あの頃の私は浅はかでした。今は反省しております。聖人様を相手に失礼な事は出来ません」
やっぱりシトリが何かしたな?
「いやいや、普通にしてて良いから。不敬とか思わないから。
って言うか、姫様に敬語使わせておいて俺が普通に喋ってたら、俺の方が不敬になっちゃうから」
「で、でも……」
「気にしなくて良いから。もし、悪魔が何か言ってきたら、俺が怒っておくから」
「そ、そうですか?」
あっ、明らかにほっとした顔になった。
カマかけてみたけど、やっぱり悪魔が関係してたな。
今度シトリを呼び出して問い詰めてみよう。
「それで、質問の答えは?」
「あ、はい。
範囲を限るのは大変な作業なの。それにその場合、発動時に障害物があったらそこは結界を張らなくなるのよ。
判りやすく言えば、結界を張る時に筒状の物を挟めれば、そこを通って結界内に侵入出来るようになっちゃう。
それを出来なくするには障害物を貫通する必要があるでしょ。
ではその貫通する結界が発動した時、結界の所に立っていた人間はどうなるでしょう?
多分、真っ二つになるわ。障害物扱いになっちゃうの。
そもそも、物理を防ぐ結界を作ったら、誰も通れなくなるわ」
あっ、本当だ。
安全の為に発動したら、誰も入れなくなりました。うん、バカみたいだね。
「建物に掛ける事も出来るけど、構造が複雑になるほど使用魔力が大きくなるのよね。
面が増える度に、必要な魔力が倍になるくらい。出入りする為のドアなんかあれば何倍になるのかしら?
もしそれで城を全部を守れたとしても、窓や扉が開けていたら穴が空いてそこから攻撃可能になるわよ。
なので魔法攻撃だけ防ぐ、円形が一番運用に向いているの」
途中から難しくなってきて理解が追いつかなくなった。
ま、まぁ、つまりは無理って事ね。
しかし、姫様は魔法が好きなんだって事がよく判る。
饒舌になったもん。
ついでに魔法についても聞いてみるかな。
子供に説明するような感じで回答して欲しいけど。
応援ありがとうございます!
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