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057 舞踏会
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「ど、どんな内容だったんだ?」
王太子が俺に聞いてきた。
と言うより、代表にさせられたみたいだ。
「カードの修正と、捜し物についてだった」
「修正?」
「あまり使い道の無い補助カードを使えるようにしてくれるみたいだ」
「ほう。どういう風に?」
「単純に、悪魔の滞在の延長」
「……更に強力になったんだな」
まぁね。
総裁クラスは10分しか使えないけど、それを10分延長出来るんだから。
強力になったと言える。
「捜し物については何だった?」
「どうやらこの国にヒントがあるみたい」
「ヒント?」
「そう書いてあるんだよ。何の事か判らないけどさ。
何か近い内にこの国でイベントとかある?」
「何でイベント?」
いや、そんなものでしょ?
ラノベでは何か情報があるって言われた場合、近い内にあるイベントに参加すれば得られるじゃない?
これを話しても理解してくれないと思うけど。
う~ん、どう説明しようかなぁ。
「えっと、ほら、人が集まる所にヒントも集まりそうじゃない?」
「近い内にあるイベントか……。舞踏会くらいしか無いぞ?」
「武闘会? トーナメント? 総当り?」
「いやいや、それは戦う方だろ。舞踏会。踊る方だ」
何だ、踊る方か。面白くないな。
武闘会なら見たかったけどなぁ。
でもそういうの行くと、参加する事になるのが定番なんだよな。
「なに挙動不審になってるの?」
「そそそそそんな事はないです!」
「どうしたバイモン」
「ますたぁ、舞踏会の話が出てから、女が挙動不審になった!」
よく見てるなぁ。
俺に危害を与えないか警戒しているんだろうけど。
「ははぁ~ん、分かった」
「うん? グランに心当たりが?」
「ああ。ファー、お前、舞踏会に出たくないから付いてきたんだろ?」
「…………それもある」
「やっぱりな」
「どうゆう事?」
「こいつ、舞踏会が嫌いなんだよ。踊るのも嫌いだが、お見合いの場にされるのがもっとイヤなんだとさ」
舞踏会ってお見合いの場にもなってるんだ。
候補の人と踊るのかな?
だとしたら、俺でもイヤだな。
だって、ぶっちゃけ好みじゃない人とも踊らなきゃいけないんだろ?
特に女性は、踊っている時に体を触られる。これはイヤだ。
「王族としては義務なんだがな」
「断れないんだ?」
「断れるのもあるが、陛下主催の物は断れない」
「って事は?」
「そうだ。今度あるのは陛下主催の物だ」
「じゃあグランも出席?」
「そうだな」
「なら、それまでに一旦王都に戻るのか」
「いや、戻らなくても良い。陛下から許可は出ている」
でも神様からの依頼(?)で旅に出て、舞踏会に参加出来ないのは許されているらしい。
国の事よりも神の事が優先。
信じてる人達からすれば当然か。
あれ? 俺は舞踏会に参加しなくて良かったのか?
ラノベで異世界人は王様と知り合うと、舞踏会やお披露目会に出席させられるのが定番だから。
そしてダンスを練習させられ、踊らされるのだ。
で、その場で起きる揉め事を解決したり、暗殺者を捕まえたり、他国の姫様と知り合ったりする。これがテンプレ。
「それ、俺は参加しなくて良いの?」
「ああ。しなくても良いぞ」
「えっ?! 何で?!」
「参加したいのか?」
「いや、したくないけどさ。そういう時って参加するもんじゃないのかなと思って」
「国の都合で、使徒である“聖人様”を振り回す訳にはいかないだろ」
国賓扱いなんだって。
舞踏会でダンスなんて、とんでもない事だそうだ。
「なぜなら音楽も違えばダンスも違うだろ? それを一から覚えてもらう事が失礼だ。
参加する場合の服装、つまり礼服も国によって違うのに、この国のを着てもらう事を強要するのも失礼。
仮に参加をして欲しくても、まずお伺いを立てて、少しでも不安に思われたら不参加の方向で。
最悪、舞踏会を中止にする事もありうる。
それに目立ちたくないと言ってたはず。それを知っていて出てもらうのは非礼以外の何物でもないぞ」
そこまで俺を持ち上げますか!
そんなに重要人物じゃないですよ?
参加はしたくないけど、部屋でじっとしてるから開催すれば良いじゃないか。
「参加する貴族からの不満や反発は無いのか?」
「無いよ。もしあっても、それを治められない王は無能だろ。
それに貴族も不満や反発なんかしないさ。相手は使徒である“聖人様”だぞ? 神に不平不満を言うようなものだ」
あ~、確かにそうかもね。
まぁ、出なくて済んだので良いか。
「ますたぁ、もし出るなら能力を使って、どんなダンスでも尊敬されるようにするよ?」
バイモンから恐ろしい提案が。
出来そうなのが怖い。
俺が踊れるのなんて、盆踊りくらいだぞ。それで尊敬とかされたくないです。
そんな事よりもヒントの事を考えようぜ!!
王太子が俺に聞いてきた。
と言うより、代表にさせられたみたいだ。
「カードの修正と、捜し物についてだった」
「修正?」
「あまり使い道の無い補助カードを使えるようにしてくれるみたいだ」
「ほう。どういう風に?」
「単純に、悪魔の滞在の延長」
「……更に強力になったんだな」
まぁね。
総裁クラスは10分しか使えないけど、それを10分延長出来るんだから。
強力になったと言える。
「捜し物については何だった?」
「どうやらこの国にヒントがあるみたい」
「ヒント?」
「そう書いてあるんだよ。何の事か判らないけどさ。
何か近い内にこの国でイベントとかある?」
「何でイベント?」
いや、そんなものでしょ?
ラノベでは何か情報があるって言われた場合、近い内にあるイベントに参加すれば得られるじゃない?
これを話しても理解してくれないと思うけど。
う~ん、どう説明しようかなぁ。
「えっと、ほら、人が集まる所にヒントも集まりそうじゃない?」
「近い内にあるイベントか……。舞踏会くらいしか無いぞ?」
「武闘会? トーナメント? 総当り?」
「いやいや、それは戦う方だろ。舞踏会。踊る方だ」
何だ、踊る方か。面白くないな。
武闘会なら見たかったけどなぁ。
でもそういうの行くと、参加する事になるのが定番なんだよな。
「なに挙動不審になってるの?」
「そそそそそんな事はないです!」
「どうしたバイモン」
「ますたぁ、舞踏会の話が出てから、女が挙動不審になった!」
よく見てるなぁ。
俺に危害を与えないか警戒しているんだろうけど。
「ははぁ~ん、分かった」
「うん? グランに心当たりが?」
「ああ。ファー、お前、舞踏会に出たくないから付いてきたんだろ?」
「…………それもある」
「やっぱりな」
「どうゆう事?」
「こいつ、舞踏会が嫌いなんだよ。踊るのも嫌いだが、お見合いの場にされるのがもっとイヤなんだとさ」
舞踏会ってお見合いの場にもなってるんだ。
候補の人と踊るのかな?
だとしたら、俺でもイヤだな。
だって、ぶっちゃけ好みじゃない人とも踊らなきゃいけないんだろ?
特に女性は、踊っている時に体を触られる。これはイヤだ。
「王族としては義務なんだがな」
「断れないんだ?」
「断れるのもあるが、陛下主催の物は断れない」
「って事は?」
「そうだ。今度あるのは陛下主催の物だ」
「じゃあグランも出席?」
「そうだな」
「なら、それまでに一旦王都に戻るのか」
「いや、戻らなくても良い。陛下から許可は出ている」
でも神様からの依頼(?)で旅に出て、舞踏会に参加出来ないのは許されているらしい。
国の事よりも神の事が優先。
信じてる人達からすれば当然か。
あれ? 俺は舞踏会に参加しなくて良かったのか?
ラノベで異世界人は王様と知り合うと、舞踏会やお披露目会に出席させられるのが定番だから。
そしてダンスを練習させられ、踊らされるのだ。
で、その場で起きる揉め事を解決したり、暗殺者を捕まえたり、他国の姫様と知り合ったりする。これがテンプレ。
「それ、俺は参加しなくて良いの?」
「ああ。しなくても良いぞ」
「えっ?! 何で?!」
「参加したいのか?」
「いや、したくないけどさ。そういう時って参加するもんじゃないのかなと思って」
「国の都合で、使徒である“聖人様”を振り回す訳にはいかないだろ」
国賓扱いなんだって。
舞踏会でダンスなんて、とんでもない事だそうだ。
「なぜなら音楽も違えばダンスも違うだろ? それを一から覚えてもらう事が失礼だ。
参加する場合の服装、つまり礼服も国によって違うのに、この国のを着てもらう事を強要するのも失礼。
仮に参加をして欲しくても、まずお伺いを立てて、少しでも不安に思われたら不参加の方向で。
最悪、舞踏会を中止にする事もありうる。
それに目立ちたくないと言ってたはず。それを知っていて出てもらうのは非礼以外の何物でもないぞ」
そこまで俺を持ち上げますか!
そんなに重要人物じゃないですよ?
参加はしたくないけど、部屋でじっとしてるから開催すれば良いじゃないか。
「参加する貴族からの不満や反発は無いのか?」
「無いよ。もしあっても、それを治められない王は無能だろ。
それに貴族も不満や反発なんかしないさ。相手は使徒である“聖人様”だぞ? 神に不平不満を言うようなものだ」
あ~、確かにそうかもね。
まぁ、出なくて済んだので良いか。
「ますたぁ、もし出るなら能力を使って、どんなダンスでも尊敬されるようにするよ?」
バイモンから恐ろしい提案が。
出来そうなのが怖い。
俺が踊れるのなんて、盆踊りくらいだぞ。それで尊敬とかされたくないです。
そんな事よりもヒントの事を考えようぜ!!
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