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187 エピローグ
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「ん……ここは?」
気がつくと、周囲一面真っ白な空間。
…………あ~、最初に神に連れてこられた所だ。
「気づいたか」
「あっ! 神様!」
「ご苦労だったな。見事ゲットだぜ!」
どうやら成功だったようだ。
「俺は生きてるんですか?」
「当然だろ。触れた瞬間にこの世界に移動したからな」
「それで無事になるんですか?」
「あぁ。ここは時間の流れも無い隔離された世界だ。他の世界での時間の流れは関係無い」
「って事は、落下エネルギーも?」
「ああ、無効化される」
すげーな、隔離された世界。
あっ、手首も治ってる。
よく見れば服装も元の格好だ。不思議。
「自分の格好が不思議か?」
「そりゃそうですよ」
「ま、ゲーマーなお前に分かりやすく言えば、この世界でセーブしたって感じかな」
「セーブ……」
「おう。元の世界からここに連れてきただろ? その時のデータを残しておいたんだ。
だからこの世界に戻れば、元の姿になるって事さ」
つまりあっちの世界に行く前に戻ったと。
「それって意味あるんですか?」
「あるさ。もしセーブしてなきゃ、お前突然老ける事になるぞ?」
あっ! そういう事か!
あっちの世界で10年くらい探してたら、10歳年を取っている。
それで戻されたら大問題だ。
「助かります」
「ははは。俺の都合で動いてもらったんだ。それくらいはするさ」
……よく考えたら、確かに神の都合だった。
これくらいしてくれて当然か。
「で、結局、何をゲット出来たんです?」
死ぬ思いをして手に入れた物だ。気になる。
「ん? 気づかないか? これだよ」
「いや、気づいてましたけど。何で肩にカエルのぬいぐるみを乗せてるんだろうな~とは思ってましたけど」
「これが捜し物だ。超レアアイテム『早くカエル』だ!!」
何だよ、そのセンスの無いネーミングは!
「えっと……効果は?」
「帰還する時に速度が4%程上昇する」
クソみたいな効果!!
こ、こんな物の為に……。
「さて、お前を元の世界に戻そうか」
「あっ、戻してくれるんですね」
「当たり前だろ?」
「いや、ラノベとかじゃあ、戻れないとか、戻してもらえないとか、別の仕事させられるとか、色々あるんで」
「神だぞ? 約束は守るさ」
「そうですか。良かったです」
「おっと忘れる所だった。後は報酬だな」
報酬!
そうだよな、仕事したんだもんな、何かくれても良いよな。
「何をもらえるんです?!」
「手っ取り早く、金だな」
「現金?!」
「それが一番良いだろ?」
「いや、普通神様からの贈り物ってなると、金では買えない物じゃないですか?」
能力とか、知識とか。
「面倒な事になるぞ?」
「そうですか?」
「例えば人より早く走れる能力を貰ったとして、現代でどう活かす?
オリンピックにでも出るか? 鍛えてないのに早く走れるなんて怪しさ満点だぞ?」
言われてみれば確かに。
どんな能力を貰っても現代では使いにくい物ばかりだな。
「ま、良いか。そういうなら能力もやるよ」
「い、いえ、結構です!」
「そういうな。そうだな……そのままで良いか」
「そのまま……?」
「持ってるカード。それが使えるって事にしておいてやるよ。便利だろ?」
確かに便利だけど! 悪魔なんか呼び出せないでしょ!
「上手く活用しろや。
で、金は……10億くらいでいいか。足りなくなりゃ悪魔にでも出させれば良いだろ」
「10億?! ぜ、税金とか判らないんですけど?!」
「会計士とか税理士とか雇えよ。心配するな、最初から持ってる資産って形にしてやるから」
「わ、判りました」
これからの人生が180度変わりそうだ。平和に生きられると良いなぁ……。
「ところでさ。今度新しいゲームがリリースされるんだよ。
今度は俺と一緒にプレイしようぜ。楽しそうだ」
「……マジっすか?」
「マジだ」
どうやら俺は、この神様から離れられないらしい。
気がつくと、周囲一面真っ白な空間。
…………あ~、最初に神に連れてこられた所だ。
「気づいたか」
「あっ! 神様!」
「ご苦労だったな。見事ゲットだぜ!」
どうやら成功だったようだ。
「俺は生きてるんですか?」
「当然だろ。触れた瞬間にこの世界に移動したからな」
「それで無事になるんですか?」
「あぁ。ここは時間の流れも無い隔離された世界だ。他の世界での時間の流れは関係無い」
「って事は、落下エネルギーも?」
「ああ、無効化される」
すげーな、隔離された世界。
あっ、手首も治ってる。
よく見れば服装も元の格好だ。不思議。
「自分の格好が不思議か?」
「そりゃそうですよ」
「ま、ゲーマーなお前に分かりやすく言えば、この世界でセーブしたって感じかな」
「セーブ……」
「おう。元の世界からここに連れてきただろ? その時のデータを残しておいたんだ。
だからこの世界に戻れば、元の姿になるって事さ」
つまりあっちの世界に行く前に戻ったと。
「それって意味あるんですか?」
「あるさ。もしセーブしてなきゃ、お前突然老ける事になるぞ?」
あっ! そういう事か!
あっちの世界で10年くらい探してたら、10歳年を取っている。
それで戻されたら大問題だ。
「助かります」
「ははは。俺の都合で動いてもらったんだ。それくらいはするさ」
……よく考えたら、確かに神の都合だった。
これくらいしてくれて当然か。
「で、結局、何をゲット出来たんです?」
死ぬ思いをして手に入れた物だ。気になる。
「ん? 気づかないか? これだよ」
「いや、気づいてましたけど。何で肩にカエルのぬいぐるみを乗せてるんだろうな~とは思ってましたけど」
「これが捜し物だ。超レアアイテム『早くカエル』だ!!」
何だよ、そのセンスの無いネーミングは!
「えっと……効果は?」
「帰還する時に速度が4%程上昇する」
クソみたいな効果!!
こ、こんな物の為に……。
「さて、お前を元の世界に戻そうか」
「あっ、戻してくれるんですね」
「当たり前だろ?」
「いや、ラノベとかじゃあ、戻れないとか、戻してもらえないとか、別の仕事させられるとか、色々あるんで」
「神だぞ? 約束は守るさ」
「そうですか。良かったです」
「おっと忘れる所だった。後は報酬だな」
報酬!
そうだよな、仕事したんだもんな、何かくれても良いよな。
「何をもらえるんです?!」
「手っ取り早く、金だな」
「現金?!」
「それが一番良いだろ?」
「いや、普通神様からの贈り物ってなると、金では買えない物じゃないですか?」
能力とか、知識とか。
「面倒な事になるぞ?」
「そうですか?」
「例えば人より早く走れる能力を貰ったとして、現代でどう活かす?
オリンピックにでも出るか? 鍛えてないのに早く走れるなんて怪しさ満点だぞ?」
言われてみれば確かに。
どんな能力を貰っても現代では使いにくい物ばかりだな。
「ま、良いか。そういうなら能力もやるよ」
「い、いえ、結構です!」
「そういうな。そうだな……そのままで良いか」
「そのまま……?」
「持ってるカード。それが使えるって事にしておいてやるよ。便利だろ?」
確かに便利だけど! 悪魔なんか呼び出せないでしょ!
「上手く活用しろや。
で、金は……10億くらいでいいか。足りなくなりゃ悪魔にでも出させれば良いだろ」
「10億?! ぜ、税金とか判らないんですけど?!」
「会計士とか税理士とか雇えよ。心配するな、最初から持ってる資産って形にしてやるから」
「わ、判りました」
これからの人生が180度変わりそうだ。平和に生きられると良いなぁ……。
「ところでさ。今度新しいゲームがリリースされるんだよ。
今度は俺と一緒にプレイしようぜ。楽しそうだ」
「……マジっすか?」
「マジだ」
どうやら俺は、この神様から離れられないらしい。
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