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翌日の昼休みの中央廊下で、翔太は桂とすれ違った。すれ違いざまに、コツンと軽く頭を叩かれた。イテッと大袈裟に叫んで振り返ると、廊下の壁に寄りかかって、桂が苦笑している。
「何か俺に言うことは?」
聞かれて翔太は、ハハハッと笑ってごまかした。修史を煽った上に篠沢を買収して、当番をサボらせたあたりまで、とっくにバレているらしい。
呆れたような表情で、桂がもう一度翔太の頭を小突く。
「俺は、ゲンコツぐらいで済ませてやるけど……修史の方は、知らないよ。騙されたってわかって、すごい形相で『あのガキ!』って叫んでたから」
「うわわ……」
翔太は頭を抱えた。そんな翔太を見て、桂がくすくすと笑う。その笑顔があまりにも幸せそうだったので、まあいいかと翔太は思った。
高校入って最初の恋は見事に玉砕したけど、嫌な気分じゃなかった。
END
「何か俺に言うことは?」
聞かれて翔太は、ハハハッと笑ってごまかした。修史を煽った上に篠沢を買収して、当番をサボらせたあたりまで、とっくにバレているらしい。
呆れたような表情で、桂がもう一度翔太の頭を小突く。
「俺は、ゲンコツぐらいで済ませてやるけど……修史の方は、知らないよ。騙されたってわかって、すごい形相で『あのガキ!』って叫んでたから」
「うわわ……」
翔太は頭を抱えた。そんな翔太を見て、桂がくすくすと笑う。その笑顔があまりにも幸せそうだったので、まあいいかと翔太は思った。
高校入って最初の恋は見事に玉砕したけど、嫌な気分じゃなかった。
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