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第44話 魔王城
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「ふ、ふふふふっ……これなら間に合うぞぉ!!」
テンガが手綱を握るのは、大型のグリフォン。
本来なら、気性が荒くティムには向かないのだが、四天王を探して訪れた竜の穴で運よく捕獲できた。
無惨な失敗に終わった遠征の、唯一の成果。
「…………」
テンガの後ろには犬ガキが無表情で座っている。
こんな乳臭いガキが自分のラストバトルのメンバーなのは我慢ならないが、魔王の障壁を破るまでの辛抱だ。
アルフィノーラの後ろには2体のトードナイトと7体のイヤシブロブ。
テンガの計算では、トードナイトAと3体のイヤシブロブを魔王を守る四天王にぶつけ、勇者である犬ガキに魔王を攻撃させ障壁を破る。
そのあとは犬ガキに力尽きるまで攻撃させ、最後に俺とトードナイトBで魔王を倒すという算段だ。
「くくっ! こんな陰気な世界とはさっさとおさらばだ!!」
ラストダンジョンとなるデモンズホールの構造は、当然覚えている。
「もっと速く飛べ!!」
グリフォンの胴体を鞭で叩き、テンガは魔王城を目指す。
*** ***
「くそっ! また行き止まりか!!」
フェリシアを抱えたままの俺は、迷宮の壁に阻まれて急停止する。
いくらすさまじいスピードで走れるとはいっても、俺はこのダンジョンの構造を知らない。モンクエのヘビーユーザーでダンジョンの構造を熟知しているだろうテンガとの差は開いてるんじゃないか。
「アル……!」
焦りの余り、視界が狭くなる。
「ジュンヤさん」
フェリシアの手のひらが俺の頬に添えられる。
少しひんやりとした感触が、俺の頭を冷やしてくれる。
「……ふと思ったのですが、ジュンヤさんの建築スキル(?)で壁に穴をあけることはできないのでしょうか?」
「……あ」
思わず呆けた声を上げてしまう。
馬鹿正直にダンジョンを攻略する必要なんてなかった。
やっぱり視野が狭くなっているらしい。
「ありがとう、フェリシア」
俺はフェリシアを降ろすと、築城スキルを発動させる。
「築城スキル:掘削!」
ドンッ
ダンジョンの壁に大穴が開いた。
「行こう、フェリシア!」
「はいっ!」
俺はフェリシアの手を引き、一直線に迷宮の奥へと向かうのだった。
*** ***
「ようやく魔王城か、相変わらず趣味の悪い」
手綱を引き、グリフォンの動きを止める。
目の前に広がるのは巨大な魔王城。
それ自体が生物なのか、うねうねと蠢く紫色の壁。
たまに血のような粘液を噴き上げており、気味が悪いこと甚だしい。
「”広間”でまずは四天王戦か」
居城に居なかった3体の四天王、ワンズとセカガー、ザンバ―の事を思い出す。
デモンズホール内で待ち構えているのかと思ったが、出てこなかった。
「ふん、まあ好都合だがな」
モブが引き起こしたバグのせいで存在が消えたのだろう。
ロムハック、と言われるレトロゲーのRTAではよく使われる手法だ。
「おい、行くぞ」
「…………」
アルフィノーラに着けたリードを乱暴に引っ張る。
目から光の消えたアルフィノーラはテンガのなすがままだ。
「くくっ、まさに犬だな」
「トードナイトA、イヤシブロブA、B、C! お前らが前衛だ!」
!
!!
テンガの指示に従い、前に出るモンスター達。
最後の四天王であるシシリィはサキュバス族の魔法使い。
魔法防御力の高いコイツらで足止めをするのがセオリーだ。
======
ブジン テンガ
LV27 ヒューマン
HP :289/312
MP :90/124
攻撃力 :258
防御力 :112
素早さ :22
魔力 :71
運の良さ:175
E:ジュエルレイピア(攻撃力+50、魔力+15)
E:シルバーメイル(防御力+35)
魔法:ヒール、ミナヒール、ホノオ、イカヅチ、イナヅマ、メガイナヅマ、コオリ、ライトフォグ
EX:23,245
======
ステータスは充分、とは言えないが戦い方次第で何とかなるレベルだ。
むしろ、成長した勇者がいるだけ当初の計画より有利かもしれない。
「さっさと終わらせてやる」
テンガは自信満々に魔王城に足を踏み入れたのだが。
「ば……馬鹿なっ!?」
広間に入るなり、信じられない光景を目の当たりにし立ち尽くす。
正面に立っているのは漆黒の翼を広げたサキュバス、シシリィ。
それはいい。
ゴゴゴゴ、ゴゴーム!!
その背後に仁王立ちする、見上げるほどに巨大なゴーレムは何者だ!!
それに……。
『よぉ、暇だったから散歩してたんだよな』
な、なぜオマエがここにいる!
上半身は竜、下半身はスキュラと言う醜悪な化け物。
「魔王、ログラース!?」
『へへっ、遊んでくれや』
魔王城の最上階の玉座で待っているはずの、大魔王がそこにいた。
テンガが手綱を握るのは、大型のグリフォン。
本来なら、気性が荒くティムには向かないのだが、四天王を探して訪れた竜の穴で運よく捕獲できた。
無惨な失敗に終わった遠征の、唯一の成果。
「…………」
テンガの後ろには犬ガキが無表情で座っている。
こんな乳臭いガキが自分のラストバトルのメンバーなのは我慢ならないが、魔王の障壁を破るまでの辛抱だ。
アルフィノーラの後ろには2体のトードナイトと7体のイヤシブロブ。
テンガの計算では、トードナイトAと3体のイヤシブロブを魔王を守る四天王にぶつけ、勇者である犬ガキに魔王を攻撃させ障壁を破る。
そのあとは犬ガキに力尽きるまで攻撃させ、最後に俺とトードナイトBで魔王を倒すという算段だ。
「くくっ! こんな陰気な世界とはさっさとおさらばだ!!」
ラストダンジョンとなるデモンズホールの構造は、当然覚えている。
「もっと速く飛べ!!」
グリフォンの胴体を鞭で叩き、テンガは魔王城を目指す。
*** ***
「くそっ! また行き止まりか!!」
フェリシアを抱えたままの俺は、迷宮の壁に阻まれて急停止する。
いくらすさまじいスピードで走れるとはいっても、俺はこのダンジョンの構造を知らない。モンクエのヘビーユーザーでダンジョンの構造を熟知しているだろうテンガとの差は開いてるんじゃないか。
「アル……!」
焦りの余り、視界が狭くなる。
「ジュンヤさん」
フェリシアの手のひらが俺の頬に添えられる。
少しひんやりとした感触が、俺の頭を冷やしてくれる。
「……ふと思ったのですが、ジュンヤさんの建築スキル(?)で壁に穴をあけることはできないのでしょうか?」
「……あ」
思わず呆けた声を上げてしまう。
馬鹿正直にダンジョンを攻略する必要なんてなかった。
やっぱり視野が狭くなっているらしい。
「ありがとう、フェリシア」
俺はフェリシアを降ろすと、築城スキルを発動させる。
「築城スキル:掘削!」
ドンッ
ダンジョンの壁に大穴が開いた。
「行こう、フェリシア!」
「はいっ!」
俺はフェリシアの手を引き、一直線に迷宮の奥へと向かうのだった。
*** ***
「ようやく魔王城か、相変わらず趣味の悪い」
手綱を引き、グリフォンの動きを止める。
目の前に広がるのは巨大な魔王城。
それ自体が生物なのか、うねうねと蠢く紫色の壁。
たまに血のような粘液を噴き上げており、気味が悪いこと甚だしい。
「”広間”でまずは四天王戦か」
居城に居なかった3体の四天王、ワンズとセカガー、ザンバ―の事を思い出す。
デモンズホール内で待ち構えているのかと思ったが、出てこなかった。
「ふん、まあ好都合だがな」
モブが引き起こしたバグのせいで存在が消えたのだろう。
ロムハック、と言われるレトロゲーのRTAではよく使われる手法だ。
「おい、行くぞ」
「…………」
アルフィノーラに着けたリードを乱暴に引っ張る。
目から光の消えたアルフィノーラはテンガのなすがままだ。
「くくっ、まさに犬だな」
「トードナイトA、イヤシブロブA、B、C! お前らが前衛だ!」
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テンガの指示に従い、前に出るモンスター達。
最後の四天王であるシシリィはサキュバス族の魔法使い。
魔法防御力の高いコイツらで足止めをするのがセオリーだ。
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ブジン テンガ
LV27 ヒューマン
HP :289/312
MP :90/124
攻撃力 :258
防御力 :112
素早さ :22
魔力 :71
運の良さ:175
E:ジュエルレイピア(攻撃力+50、魔力+15)
E:シルバーメイル(防御力+35)
魔法:ヒール、ミナヒール、ホノオ、イカヅチ、イナヅマ、メガイナヅマ、コオリ、ライトフォグ
EX:23,245
======
ステータスは充分、とは言えないが戦い方次第で何とかなるレベルだ。
むしろ、成長した勇者がいるだけ当初の計画より有利かもしれない。
「さっさと終わらせてやる」
テンガは自信満々に魔王城に足を踏み入れたのだが。
「ば……馬鹿なっ!?」
広間に入るなり、信じられない光景を目の当たりにし立ち尽くす。
正面に立っているのは漆黒の翼を広げたサキュバス、シシリィ。
それはいい。
ゴゴゴゴ、ゴゴーム!!
その背後に仁王立ちする、見上げるほどに巨大なゴーレムは何者だ!!
それに……。
『よぉ、暇だったから散歩してたんだよな』
な、なぜオマエがここにいる!
上半身は竜、下半身はスキュラと言う醜悪な化け物。
「魔王、ログラース!?」
『へへっ、遊んでくれや』
魔王城の最上階の玉座で待っているはずの、大魔王がそこにいた。
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